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2022年秋、時計トレンドの行方は?

2022-09-20 11:13

エバンスブログをご覧いただきましてありがとうございます、銀座エバンスの福永です。

2022年も残すところ3ヵ月余りとなりましたが、今回は「今、目の前で起きている事、そして近い将来に起こるであろう高級時計のトレンド」を考察していきたいと思います。

※記事の内容につきましては、筆者の個人的な考察も含まれ、今後の価格推移を保証するものではありません。
※記事内の価格については、並行輸入価格または中古価格を基準としています。

まず昨今の高級時計を取り巻く状況として、その需要は5年前、あるいは10年前と比較しても大きく増加しており、購入層も広く厚くなってきているという点があげられます。

記憶に新しいところで言えば、コロナ禍で沸き起こった一種の高級時計ブームがありますが、その著しい価格上昇局面においては、所有を一過性のものとし頻繁に売買を繰り返す、従来とは少し異なる層の流入もあり、世間の注目を集めるまでになりました。

ロレックスに始まり、ノーチラスやロイヤルオークなどのラグジュアリースポーツモデルが注目を集め、高級時計市場を熱狂の渦に巻き込んだ時期は一旦収束したかのように感じられますが、長期的な視点で捉えるならば、現在のそれは僅かな調整局面に過ぎないのかもしれません。

そして、成長を続ける市場において常に新しいトレンドは生まれ、あるいは繰り返され、言うなればメジャーなブランドやモデルが一定のポジションを築いた後、高級時計は今まさに次のフェーズへと移行する最中であると言えるのではないでしょうか。

新たなトレンドを牽引、台頭するドレスウォッチ

以前のブログでも何度が触れてきましたが、現在ドレスウォッチの需要は着実に高まっており、私どもエバンスでも好調な売れ行きとなっています。

ドレスウォッチの人気を牽引するブランドとして代表的なものとして、パテックフィリップやランゲ&ゾーネがあげられますが、その他もヴァシュロンコンスタンタンの伝統的なパトリモニーや、ややカジュアルな印象のフィフティシックスも安定した人気を誇っています。

また、ラグスポの印象が強いオーデマピゲにおいても、CODE11.59や生産終了モデルであるジュールオーデマ、そしてミレネリーにまで注目が集まってきています。

さらに、広く注目を集めるには至っていませんが、ショパールが手掛けるL.U.Cの存在も、今後のドレスウォッチを語る上で外せない存在となるのではないでしょうか。

L.U.C初期のCal.1.96搭載モデルにおいては、流通量の少なさや価格面から、既に手に入れづらい状況となっていますが、同世代のCal.3.96搭載モデル、そして近年のモデルであれば、まだまだ手にしやすい状況にあります。

そしていずれもが、唯一無二のムーブメント、素晴らしい仕上げの外装を存分に楽しむことが出来る傑作となっています。

ロレックス相場の転換点、今が買い時か?

世間を賑わすほどに熱を帯びていたロレックス人気に陰りが見られる?最近ではそんな話を耳にすることもあったかと思いますが、それに関しては半分正解、そして半分間違いである言えるのではないでしょうか。

前述のように、短期的に見るならば2022年1~2月頃に付けた直近の最高値から、モデルによっては20~30%の下落となっていますが、長期的に見るならば調整局面に過ぎず、このタイミングで購入に踏み切り、今後5年、10年、20年、30年…と長く保有すれはするほど、その価値はプラスに転じていく可能性が極めて高いと考えられます。

とは言っても、昨今のロレックス値動きの大きさ上手く活用し、お得に楽しみたいといった声も聞こえてきますので、ロレックスの今ある状況、そして短期での値動きを予測してみたいと思います。

まずはじめに、半年ほど続いた下落相場はここに来て緩やかに、あるいは下げ止まりや反発を感じるモデルが、デイトナRef.116500LNなど一部で見られるようになりました。

今が相場の転換点とは断言は出来ませんが、短期で見れば明らかな相場の落ち込みを買い時と判断した層が動き出し、そして市場在庫の減少が露わになると、乗り遅れまいと購入に踏み切る層も追随、結果として新品や未使用の枯渇から、中古需要も増すことで、次いで買取金額の高騰が始まり、相場の上昇が確認され始める段階にあると言えます。

さらに円安かつ免税購入と、大きな恩恵を受けることが出来る訪日外国人客の入国緩和が進むことで、国内における時計の動きが活発になることは明らかな状況です。

そして、ロレックスにおいては毎年の恒例になっていますが、秋口から年明けにかけての価格の高騰があげられます。

新作やモデルチェンジへの期待を込めての要素も大きいですが、そのタイミングがまさに今であり、加えて来年2023年はデイトナ誕生60周年と否が応でも盛り上がることは想像に難くないのではないでしょうか。

定番モデル、その希少個体へ向けられる羨望と期待

続いては定番故に底堅さが感じられるブランド、モデルのお話です。

ここ数年、オメガスピードマスターの人気の高まりが加速しつつあり、その筆頭はムーンウォッチと呼ばれる手巻きもモデルを中心としたものとなっています。

現行モデルの人気は勿論ですが、生産終了モデルや過去の限定モデルにおいては、いずれも緩やかな価格上昇が見られ、気が付いた時には手に入りづらい、そんな状況が散見されています。

その中でも、じわじわと人気の高まりを感じられるモデルがファーストオメガインスペースであり、現代的な作りにセカンドモデル特有の意匠を取り入れたそれは、全体的な雰囲気も良く今後ますます注目が集まるのではないでしょうか。

またブランドは異なりますが、ブレゲのTYPE XX アエロナバルRef.3800STに関しても、今手にしておきたいモデルの一つです。

1950年代にフランス海軍航空部隊へ向けて設計されたTYPE XX、その直系モデルであるRef.3800STは2018年に生産終了となった現在でも、根強い人気を誇っています。

派生モデルであるTYPE XXIやTYPE XX IIに関しても、ブレゲらしい高級感と最新の技術が取り入れられた魅力的な製品となっていますが、そこでは無い魅力がTYPE XXには宿っています。

Ref.3800STの生産開始は1995年、その後23年間に渡り生産されたロングセラーモデルですが、その間には細かな仕様変更が行われ、特に初期の頃に見られる特徴が高く評価される傾向にあります。

一例を挙げると、ごく初期に採用された金色のリューズトップ、ダイアルに記されるBreguetの「t」の横棒が無いバージョン、また夜光塗料の過渡期にあるモデルゆえにトリチウムの個体も需要が高くなります。

このような特徴を備えた個体はいずれも90年代のものとなり、現存数こそ少ないですが価格はそこまで高騰していない状況ですので、今後の動向が楽しみなモデルと言えそうです。

マイクロメゾン、今後の動向はいかに

最後の話題は、最近にわかに盛り上がりを見せる、マイクロメゾンの存在についてです。

マイクロメゾンを明確に定義することは難しいですが、年産数十数百から数千本の小規模な生産体制を持ち、大資本のコントロール下にあるブランドとは異なり、比較的柔軟かつ実験的な試みが投下された独創的な製品作りが多く見られる事から、時計愛好家を中心に人気が高まってきています。

代表的なところで言えば、ローマン・ゴティエやヴティライネンなどの希少かつ高価格帯のものから、H.モーザーやアーミンシュトローム、チャペックなどある程度のボリュームがあるブランド、そしてツァイトヴィンケルやオフィオンなど価格に対して驚くほどコストがかけられた、実際に手に手に取ると驚かされるお得なブランドなどが、知られているのではないでしょうか。

一方で、規模の小ささから販路も限定され手に取れる機会は少なく、また良い製品であっても、メジャーブランドのように万人に好まれることは少なく、それは二時流通における価格面においても、安定性に欠ける側面を持つことになります。

今回の記事でご紹介してきた、ランゲやヴァシュロンなどのドレスウォッチや、ロレックスやオメガ、ブレゲといったメジャーな存在であれば、その希少性が価格に直結することが多いですが、マイクロメゾンに関しては一概には言え無い状況です。

マイクロメゾンに興味があっても購入に二の足を踏んでしまう、または売却を考えるも納得のいく査定額が出づらい、そんな皆様にとって少しでもお手伝いが出来ればと、エバンスでは時計の委託販売も承っております。

内容に見合った適正な価格で、次なるユーザーに時計を引き継いでいく。
希少なマイクロメゾンの時計だからこそ、実際に手に取り購入を見極めたい。
売り手と買い手、双方の望みを叶えるお手伝いが出来ればと考えております。

現在、在庫としてツァイトヴィンケルの273°が2点、またマイクロメゾンとは少し異なりますが、パルミジャーニのトンダPFを店頭でご覧いただく事が出来ますので、ご興味ございましたらご検討くださいませ。

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