さりげない限定感~「HUBLOT(ウブロ) クラシックフュージョン ブラックセラミック YOSHIDAスペシャル」(2021年 限定88本) 511.CM.1470.RX.MYOS 2022年9月19日
2022-09-19 11:00
今回のエバンスブログは、HUBLOT(ウブロ) クラシックフュージョンのユーズドウォッチから、2021年の88本限定モデルをご紹介します。オールブラックで、文字盤が「HUBLOTロゴ」と「6時位置のダイヤ」だけという、なにげに特徴的な1本なのです。
今回のモデルの概要
(今回の時計:HUBLOT(ウブロ) クラシックフュージョン YOSHIDAスペシャル(2021) 511.CM.1470.RX.MYOS)
こちらの「クラシックフュージョン ブラックセラミック YOSHIDAスペシャルモデル」は、東京の販売店「YOSHIDA(ヨシダ)」だけで発売されたという限定仕様。セラミックケースで45mmサイズの3針モデルとなります。つややかなダイアルに、インデックスがほぼないというのが新鮮な印象です。ラバーベルトも、最近のクラシックフュージョンではあまり見ない仕様だったりします。
インデックスがない時計
(■ゴールドケースに手巻きムーブメントの「タンク ルイ カルティエ(2022年発表)」 出典「カルティエ公式サイト」 ■ブルガリブルガリとフラグメントデザインのコラボレーションモデル(2021年限定) 出典「ブルガリ公式サイト)
ここ数年、インデックスがないダイアルの腕時計が目につくようになってきた気がします。
カルティエでは、2021年に青・緑・赤の新作が登場した「タンク マスト」や2022年の金無垢×黒文字盤の「タンク ルイ カルティエ」が、記憶に新しいところではないでしょうか? 公式WEBサイトでは、現在、タンクマストSMとLMの黒文字盤、タンク ルイ カルティエLMの黒文字盤の商品ページが見れるようです。
ブルガリの「ブルガリ ブルガリ」では、2020年と2021年に「フラグメントデザイン(藤原ヒロシ)」とのコラボレーションモデルが限定発売されました。ブルガリ数字やバーインデックスが存在しない文字盤も新鮮でしたが、ブルガリにNATOストラップという組み合わせも驚きでした。
「H.モーザー」も、インデックスのない時計が比較的多いブランドです。最も黒い物質の一つ「ペンタブラック」を用いたモデルや、グラデーションのようなフュメ仕上げの「グラン・フー エナメル」文字盤のモデルなどが存在します。
(マストタンク:当社過去商品から1980年代初頭ごろ品 デイデイト:当社1990年代中頃のカタログから。ダイアルはコンピューター柄)
そんなインデックスなしダイアルの腕時計ですが、最近生まれたものではなく、過去にも様々なものが存在したようです。カルティエでは、1970年代のマスト タンクで比較的多く見られます。ロレックスでも、デイデイトやデイトジャストの天然石ダイアルなどで、インデックスのない仕様が存在しました。
兄弟?40周年モデル
(■2020年に発売された「40周年記念限定」。素材違いの3モデルが存在。ダイアル6時位置にダイヤはなく、よりシンプル。 ■1980年の「クラシック」オリジナルと「40周年限定」。ベゼルのビスの数などが異なる 出典「ウブロ公式サイト」)
ところで、今回の時計のベースと思われる限定モデルが存在します。2020年の「40周年記念」モデルがそれ。クラシックフュージョンの3針タイプで、セラミック200本(511.CX.1270.RX.MDM40)と、イエローゴールド100本、チタン200本が作られました。
ウブロ初のモデル「クラシック」が発表されたのが1980年のこと。イエローゴールドケースにつややかな黒文字盤、ラバーベルトという大胆な組み合わせでした。(ムーブメントはクォーツ式)初期の頃から、高級腕時計の常識にとらわれない異素材使いで作られていたのです。
40周年記念モデルは、そのファーストモデルに着想を得て、現在のクラシックフュージョンをアレンジした時計となります。インデックスのない文字盤、ラバーベルトに両開き式金具などは1980年モデルを踏襲。一方、自動巻きムーブメント、45mmのサイズなどは現行モデルを変えることなく、今の時計として仕上げています。
今回の時計を見てみましょう
(ウブロ クラシックフュージョン YOSHIDA 2021年限定。ブラックセラミックケースに3針仕様。ブラックセラミックケースにトゥールビヨンを搭載した限定仕様も存在します)
ここからは、今回の限定モデルをじっくり見ていきます。
ケースはブラックのセラミック製。定番モデルと同様、つやあり仕上げの面とヘアラインが入った面を巧みに使い分けて高級感を高めています。
(■正面から つやのあるブラック文字盤に大きめのロゴが目を引く。6時位置のダイヤは四角く控えめな存在感 ■定番モデルは、マットなブラック文字盤(写真はチタン素材の511.NX.1171.LR)。バーインデックスが入る分、ロゴの大きさが小さめ)
ダイアルは、ブラックラッカーのつやありタイプ。定番モデルのブラック文字盤はつや消しのため大きく印象が異なります。12時位置のロゴマークも、バーインデックスがない分一回り大きく、定番モデルと違いを感じる部分です。
ダイアル6時位置に、40周年モデルには入っていないバゲットカットダイヤモンドが埋め込まれているのも、今回のモデルの特徴。ダイヤと言っても1個だけで、さりげなく入っているので悪目立ちしません。
(■40周年記念モデルのガラスの中心には「HUBLOT XL」マーク 出典「ウブロ公式サイト」 ■今回の時計はガラス中央にマークは入らない)
裏蓋を見てみます。40周年モデルではガラス面中央部分に「HUBLOT XL」(XLはローマ数字で「40」のこと)のマークが入りますが、今回のモデルには入っていません。今回の時計の裏蓋には「SPECIAL EDITION」「88PIECES」「製造番号」が入っています。
(■今回の時計:金具は両開き式。ベルトに穴はなく切って調整するタイプ ■現行モデル(チタン素材):ベルトに穴が開いており調整可能、金具は片開き式)
ベルトはラバー製で、穴はなく、切って調整するタイプです。ベルトの留め金具は両開き式で、初期のモデルを踏襲しています。ちなみに、現行の定番モデルは、アリゲーター革&裏ラバーのベルトで、金具は片開きのタイプが標準仕様となります。使用感的には現行タイプの方が便利かもしれません。
なお、ケースの厚さは約10.8mm、重さは約100gとなります。ビッグバンほど厚みや角の鋭さがないため大きさの割には着けやすいのではないでしょうか。(参考 過去ブログ:「スーツにもお薦め。HUBLOT(ウブロ) クラシックフュージョン」)
初期モデルを思わせる、さりげない限定仕様
(腕に載せてみました。半袖スタイル(腕周り約16cm)とスーツスタイル(腕廻り約16.5cm)の2人 スーツ姿にもよさそうですね)
今回の時計、「ウブロ クラシックフュージョン YOSHIDAスペシャル」いかがだったでしょう?
オールブラックに、初期モデルを思わせるスッキリした文字盤。大きめロゴがなかなかいい感じです。ダイヤ使いも控えめなので、使い勝手は案外いいのではないでしょうか?
ちなみに、YOSHIDA限定仕様のクラシックフュージョンは2022年も発売されています。ただ、そちらは黒セラミックに「ブリティッシュグリーン」の文字盤カラー。個人的には今回の「つやありブラック文字盤」に惹かれるところです。
→「HUBLOT(ウブロ) クラシックフュージョン “YOSHIDAスペシャル”」
(USED、511.CM.1470.RX.MYOS、45mm径、自動巻き、ベルト長さ:約18cm)