エバンスブログ

エバンスブログ

「ロレックス エクスプローラーIの選び方」1990年代以降の歴代型番を早わかり比較 2024年4月15日

2024-04-15 11:00

今回のエバンスブログは、「ロレックス エクスプローラーI (Rolex Explorer)」について。日付表示を排したシンプルさや視認性の高さなどで人気のスポーツ系ウォッチです。過去モデルの流通も多いこのモデルですが、一体どの型番を選んだものでしょう? 目にする機会の多い1990年代以降のモデルを、まとめてご紹介します。

(追記:2024年4月9日、ロレックスの新作が発表されました。エクスプローラーIは追加も終了もなく、Ref.124270、124273、224270の3型番が継続となっています。)

 
エクスプローラーI Ref.14270エクスプローラーI Ref.114270エクスプローラーI Ref.214270 前期型エクスプローラーI Ref.214270 後期型エクスプローラー36 Ref.124270エクスプローラー36 Ref.124273エクスプローラー40 Ref.224270
 

エクスプローラーIとは?

公式サイトより:1953年発表のエクスプローラーI初代モデル エクスプローラー 第3世代のRef.1016 1984年頃製造品

(1953年の初代モデル 出典:公式サイト「ロレックスの歴史」   第3世代となるRef.1016 (1960~1989年頃) 写真は「ハック機能付き」の後期型、1984年頃品

2023年に70周年を迎えたエクスプローラーI(1、ワン)。探検家に向けて作られたモデルで、ロレックス初のプロフェッショナル(スポーツ系)モデルの一つです。

公式名称は「エクスプローラー」※1で「I(ワン)」は通称です。暗所での洞窟探検をテーマにした兄弟モデル「エクスプローラーII(ツー)」が後に登場したため、エクスプローラー “ワン”と呼ばれることが多くあります。

 
エクスプローラーI 現行モデル Ref.124270、124273、224270エクスプローラーII 現行モデル Ref.226570ブラック文字盤、Ref.226570ホワイト文字盤

(エクスプローラーの現行モデルはRef.124270、124273、224270の3型番。ダイアルは黒のみ。 エクスプローラーIIの現行モデルRef.226570。42mmサイズで、ダイアルは黒と白が存在)

長い歴史を持つモデルですが、視認性や堅牢性など基本的なコンセプトや構成は変わっておらず、大きなモデルチェンジが少ないことも特徴です。

また、ロレックスのスポーツ系モデルの中では、生産数が多く価格も低めなため、中古ウォッチの需要も高く、流通も充実しています。当店エバンスの2023年売上ランキングでも、1位(Ref.214270)、4位(Ref.14270)、5位(Ref.224270)※2と、ベスト5に新旧3型番が登場、人気の高さが伺えます。

 
Ref.214270前期Ref.214270後期Ref.14270Ref.224270

(【1位】Ref.214270前期、214270後期、【4位】Ref.14270、【5位】Ref.224270)

次の章で、エクスプローラーIの歴史を振り返ってみましょう。

 

※1 2023年の40mmモデル登場に伴い、公式名称は「エクスプローラー36」「エクスプローラー40」となりました。

※2 「Ref」は「型番」のことでモデルごとに異なります。ロレックスの場合、4桁→5桁→6桁 と移り変わっており、桁が多いほど最近のモデルとなります。

 

エクスプローラーIの歴史

1953年 初代モデル Ref.6350 が誕生
1960年 第3世代となるRef.1016が登場。1989年頃まで約30年生産されるロングセラーに
1990年 5桁型番 (Ref.14270) が登場
1997年 TVドラマでキムタク(木村拓哉さん)が着用し、人気が本格化
2001年 6桁型番 (Ref.114270) が登場
2010年 39mmにモデルチェンジ、大型化 (Ref.214270 “前期型”)
2016年 型番同じで3,6,9が夜光に (Ref.214270 “後期型”)
2021年 39mmから36mmにモデルチェンジ、小さく=元のサイズに (Ref.124270)
36mmイエローゴールドコンビも登場 (Ref.124273)
2023年 40mmのステンレスモデルが追加 (Ref.224270)

1990年以降、約10年ごとにモデルチェンジを行っているエクスプローラーI。1990年代→Ref.14270、2000年代→Ref.114270、2010年代→Ref.214270といったように、「年代」でとらえるとよさそうです。

 
エクスプローラーI Ref.14270エクスプローラーI Ref.114270エクスプローラーI Ref.214270 前期型エクスプローラーI Ref.214270 後期型エクスプローラー36 Ref.124270エクスプローラー36 Ref.124273エクスプローラー40 Ref.224270

次項では、今回の時計を3型ずつ表でまとめます。

 

6型番を表でひとまとめ

表1) 1990~2010年代の3型番

年代 1990年代 2000年代 2010年代
型番(Ref.) 14270 114270 214270
(写真) エクスプローラーI Ref.14270 エクスプローラーI Ref.114270 エクスプローラーI Ref.214270 前期型
【↑前期】
エクスプローラーI Ref.214270 後期型
【↑後期】
製造年 1990年~2000年頃 2001年~2010年頃 【前期】2010年~2016年頃
【後期】2016年~2021年頃
特徴 ガラス風防になり、3,6,9の書体が変更。ムーブメントが高振動化 フラッシュフィットが一体成型に。ムーブメントが進化 36mm→39㎜に大型化、作りがしっかり。後期は3,6,9も夜光となり、針が大きく
ケース径 36mm 36mm 39mm
ケース素材 ステンレス ステンレス ステンレス
防水 100m 100m 100m
重さ 約103g 約103g 約136g
ラグ幅 Ref.14270のラグ幅20mm Ref.114270のラグ幅20mm Ref.214270前期のラグ幅20mm
Ref.214270後期のラグ幅20mm
ブレスレット留め具(クラスプ) Ref.14270のシングルクラスプ
↑シングル(1996年頃まで)
Ref.14270のダブルクラスプ
↑ダブル(1996年頃から)
Ref.114270 (ダブルクラスプ)
ダブル
Ref.214270 前期型 (オイスターロッククラスプ)
↑オイスターロック
(2重ロック+簡単延長機能)
※2015年頃までは中板が”梨地”
Ref.214270 後期型 (オイスターロッククラスプ)
↑オイスターロック
(2重ロック+簡単延長機能)
※2015年頃からは中板が”鏡面”
ムーブメント Cal.3000 Cal.3130 Cal.3132
振動数 28,800振動/時 28,800振動/時 28,800振動/時
パワーリザーブ 約48時間 約48時間 約48時間
夜光 ・トリチウム
(針、▼、バー)1997年頃まで
・スーパールミノバ
(針、▼、バー)1997年頃から
スーパールミノバ
(針、▼、バー)
【前期】クロマライト
(針、▼、バー)
【後期】クロマライト
(針、▼、バー&369)
ダイアル6時下の文字 Ref.14270 T-SWISS
↑ T SWISS (~1996年頃)
Ref.14270 SWISS
↑ SWISS (1997~99年頃)
Ref.14270 SWISS MADE
↑ SWISS MADE (1999年頃~)
Ref.114270 SWISS MADE
SWISS MADE
Ref.214270前期 SWISS MADE
↑ 前期型:SWISS MADE
Ref.214270後期 SWISS MADE↑ 後期型:SWISS MADE
注目仕様 ・ブラックアウト
 (1990~91年頃)
・ラグホールなし(1994年頃~)
・ガラス6時位置に王冠透かし
 (2001年~)
・ルーレットシリアル
 (2006年~)
・ランダムシリアル
 (2010年頃~)
・梨地バックル(~2015年頃)
・鏡面バックル(2015年頃~)
 

表2) 2020年代の3型番

年代 2020年代
型番(Ref.) 124270 124273 224270
(写真) エクスプローラー36 Ref.124270 エクスプローラー36 Ref.124273 エクスプローラー40 Ref.224270
製造年 2021年~ 2021年~ 2023年~
特徴 現行36mmモデル。ブレスレットや留め具が細く 現行36mmモデル。シリーズ初となるYGコンビ 現行40mmモデル。ブレスレットやリューズも大きめに
ケース径 36mm 36mm 40mm
ケース素材 ステンレス ステンレス&イエローゴールド ステンレス
防水 100m 100m 100m
重さ 約119g 約132g 約141g
ラグ幅 Ref.124270のラグ幅19mm Ref.14273のラグ幅19mm Ref.224270のラグ幅21mm
ブレスレット留め具(クラスプ) エクスプローラ―36 Ref.124270 (オイスターロッククラスプ)
オイスターロック
(2重ロック+簡単延長機能)
エクスプローラ―36 Ref.124273 (オイスターロッククラスプ)
オイスターロック
(2重ロック+簡単延長機能)
エクスプローラ―40 Ref.224270 (オイスターロッククラスプ)
オイスターロック
(2重ロック+簡単延長機能)
ムーブメント Cal.3230 Cal.3230 Cal.3230
振動数 28,800振動/時 28,800振動/時 28,800振動/時
パワーリザーブ 約70時間 約70時間 約70時間
夜光 クロマライト
(針、▼、バー&369)
クロマライト
(針、▼、バー&369)
クロマライト
(針、▼、バー&369)
ダイアル6時下の文字 Ref.124270 SWISS 王冠 MADE
SWISS 王冠 MADE
Ref.124273 SWISS 王冠 MADE
SWISS 王冠 MADE
Ref.224270 SWISS 王冠 MADE
SWISS 王冠 MADE
メーカー定価 ¥1,036,200 ¥1,702,800 ¥1,095,600

エクスプローラーIは、長い間 ブラック文字盤、36mmサイズ、ステンレス素材「だけ 」という硬派な仕様でした。現在は、36mmと40mmの2サイズ展開で、36mmにはイエローゴールドコンビが存在します。

次項では、今回の型番それぞれの特徴を紹介します。

 

1990年以降の歴代型番紹介

(1) 【Ref.14270】…1990~2000年頃

エクスプローラーI Ref.14270 36ミリブラックアウト、ダイアル6時位置 文字の変遷

(エクスプローラーI Ref.14270 36mm) (ブラックアウト(写真は3,6,9が黒いライン)、ダイアル6時位置の文字の変遷)

風防がプラスチックからサファイアガラスとなり、高振動のムーブメントを採用するなど現代的になった5桁型番Ref.14270。初期の約1年に、文字盤の3,6,9が白いラインでない「ブラックアウト」と呼ばれる希少な仕様が存在します。

それ以外にも、同型番での細かな仕様変更が多く、ブレスレットは1996年頃にシングルバックルからダブルバックルに、夜光は1997年頃にトリチウムから緑に光るスーパールミノバに移行するなどの仕様変更が行われています。

 

(2) 【Ref.114270】…2001~2010年頃

エクスプローラーI 36ミリ Ref.114270Ref.14270とRef.114270のフラッシュフィット部分、ルーレットシリアルの例

(エクスプローラーI Ref.114270 36mm) (フラッシュフィット、ルーレットシリアル)

ムーブメントを変更、ケースとブレスレットを繋ぐ「フラッシュフィット」を一体成型化するなど、前モデルから細部に進化を遂げた6桁型番Ref.114270。

同型番でのマイナーチェンジは少なく、2006年に文字盤外周のリングにシリアル番号が刻印された「ルーレットシリアル」が採用されました。

 

(3-1) 【Ref.214270 前期】…2010~2016年頃

エクスプローラーI 39ミリ Ref.214270 前期Ref114270とRef.214270前期型

(エクスプローラーI Ref.214270 前期型 39mm) (Ref.114270とRef.214270前期型)

伝統的な36mmサイズから39㎜に大型化したRef.214270。耐磁性と耐衝撃性が向上したムーブメントを搭載します。EXPLORERロゴが6時側に移動。夜光が長時間発光するブルーの「クロマライト」に変更されました。

こちらの前期型では、3,6,9のインデックスにラインや夜光塗料がなく「Ref.214270のブラックアウト」と呼ばれることもあります。ブレスレットや留め具が全体的にしっかりした作りとなり、重量は少し増加しましたが、全体的な質感が上がりました。

 

(3-2) 【Ref.214270 後期】…2016~2021年頃

エクスプローラーI 39ミリ Ref.214270 後期Ref.214270の前期型と後期型

(エクスプローラーI Ref.214270 後期型 39mm) (Ref.214270の前期型と後期型)

39mmのケースサイズやムーブメントは継続で、ダイアル周りに変更が施されたマイナ―チェンジ版。型番は引き続きRef.214270のため、”後期型”、”3,6,9夜光”などと呼ばれることもあります。

インデックスの3,6,9もブルーに光るクロマライト夜光となり、針の大きさや太さが増しています。文字盤と針のバランスが修正されたこともあり、昼夜ともに視認性が上がりました。

 

(4) 【Ref.124270】…2021年~

エクスプローラー36 SS Ref.12427036mmサイズの新旧型番、Ref114270とRef.124270

(現行モデルとなるエクスプローラー36 Ref.124270 ステンレス素材) (36mmサイズの新旧、Ref114270とRef.124270)

39mmから伝統的な36mmサイズに回帰した現行モデル。EXPLORERロゴも6時側から12時側に戻りました。70時間パワーリザーブを実現した新世代ムーブメントを搭載します。

外装は、ベルトとケースを繋ぐラグの形状がスリムになるなど、しっかりした作りのまま、シャープさが増しました。また、ブレスレットの幅が狭く、留め具も細くなりました。

 

(5) 【Ref.124273】…2021年~

エクスプローラー36 YGコンビ Ref.124273現行36mmモデルの素材違い2機種 Ref.124273とRef.124270

(現行モデルとなるエクスプローラー36 YGコンビ Ref.124273) (現行36mmのサイズは2種類の素材がある)

レギュラーモデルとしては、エクスプローラーI初となる「イエローゴールドコンビ」。現行モデルとなります。エクスプローラーIIもコンビモデルが存在しないため、その登場は大きな話題となりました。

36mmケースに70時間パワーリザーブの新世代ムーブメント、細めのブレスレットなどステンレスモデル(Ref.124270)と同様の仕様で、イエローゴールド素材が華やかな印象を加えます。

 

(6) 【Ref.224270】…2023年~

エクスプローラー40 Ref.22427039mmモデルと現行40mmモデル Ref.214270とRef.224270

(現行モデルとなるエクスプローラー40 Ref.224270)(過去の39mmモデルと現行40mmモデル Ref.214270とRef.224270)

2023年に追加された、エクスプローラーIでは歴代でも最大となる「40mmサイズ」の現行モデル。ムーブメントはRef.124270や124273と同じ、70時間パワーリザーブの新世代ムーブメントを搭載します。

36mmサイズ(Ref.124270)と同様の作りですが、ブレスレットや留め具の幅が太く、リューズが大きくなるなど、より精悍な印象となりました。

 

エクスプローラーIの選び方

この項では、ここまで見てきた各型番の特徴を踏まえ、Q&A形式にしてみました。選ぶ際の参考になれば幸いです。

 
エクスプローラーI Ref.14270エクスプローラーI Ref.114270エクスプローラーI Ref.214270 前期型エクスプローラーI Ref.214270 後期型エクスプローラー36 Ref.124270エクスプローラー36 Ref.124273エクスプローラー40 Ref.224270

Q. 新品や未使用品は?

A. 新品や未使用品は、基本的に現行モデルであるRef.124270(36ミリ径ステンレス)、Ref.124273(36ミリ径YGコンビ)、Ref.224270(40mm径ステンレス)のいずれかとなります。まれに過去の生産終了品で、眠っていた新品や未使用品が登場する場合もあります。

Q. 手首が小さい(女性の方は?)

A. 36mmサイズのモデルがお勧めです。現行のRef.124270(ステンレス)や124273(YGコンビ)、過去モデルのRef.14270、114270が該当します。現行モデルは、しっかり感がありつつ、ブレスレットが細めで、少しドレッシーな印象もあります。過去モデルは、全体の形状にすっきり感があり、100g程度の軽さが特徴です。

Q. 手首が大きい

A. 現行モデルで40mmサイズのRef.224270や、過去モデルで39mmのRef.214270がしっくりくると思います。39mmのRef.214270は前期と後期で針の大きさや3,6,9インデックスの仕様が異なりますので、ご注意を。

Q. なるべく安く?

A. 基本的には古いほど安い傾向があり、今回の登場のモデルでは5桁型番のRef.14270が該当します。ただし「ブラックアウト」や「トリチウム夜光」など希少な仕様が多く、そういった個体は高くなりがちです。2000年代のRef.114270は細かい仕様違いが少ないので、探しやすいかもしれません。

 

腕に乗せると、さらなる発見があるかも

腕に乗せてみた例 36ミリサイズの過去モデルRef.14270腕に乗せてみた例 40ミリサイズの現行モデルRef.224270

(腕周り約16.5cmのスタッフが腕に乗せてみました。36ミリの過去モデルRef.14270と40ミリの現行モデルRef.224270)

今回は、1990年代以降のエクスプローラーIについて、それぞれの特徴をまとめてみました。不思議なもので、実際に腕に乗せてみると、サイズ感やフィット感など、意外に思うことも多いものです。

機会があれば、店頭でスタッフにお声掛けいただき、試してみていただければと思います。そして、ロレックスは、エクスプローラーI以外にも魅力的な時計が多いため、そのあたりも悩ましいところですね。

 

エバンス オンラインショップ(エクスプローラーI一覧へ)

 

参考:当社ブログ
「 【ブラックアウトなど】Ref.14270希少仕様」 2023年11月27日
「Ref124270と114270の新旧比較」 2021年6月9日
「モデル解説:エクスプローラー40 Ref.224270」2024年2月19日
「Ref14270、114270、214270を徹底比較」2020年9月29日

銀座エバンス

  • 東京都中央区銀座5-5-11(みゆき通り) 

  • TEL:

    03-6274-6740(11:00~20:00)


エバンス オンラインショップ


エバンス 時計買取専門店

  • (2024年2月に営業終了いたしました)