案外違う。39mmと41mm。「TUDOR(チューダー) ブラックベイ 58(フィフティエイト) ネイビーブルー Ref.79030B」2021年6月14日
2021-06-14 11:00
今回のエバンスブログは、「TUDOR(チューダー) ブラックベイ 58(フィフティエイト) ネイビーブルー Ref.79030B」をご紹介。ロレックスの兄弟ブランド「チューダー」の主軸となるダイバーズコレクションから、小さめ39mm径で、2020年に加わった新色です。後半で、定番41mmモデルとの比較も行います。
追記) 当記事以降もブラックベイ関連の新作が年々加わっています。その傾向としては
1、(回転ベゼル&3針の)ブラックベイは、37mm、39mm、41mmの「3サイズ」に
2、(回転ベゼル&3針の)ブラックベイ41mmは、赤と黒が「超耐磁」化
3、「プロ」や「GMT」など「派生モデルの39mm」も増加
といったところです。魅力的モデルが増えていますね。
(以下、最近の新作)
▼2022年
・ブラックベイ プロ (39mm 24時間針) 79470 …ROLEX エクスプローラーIIを彷彿。39mmのみ
・ブラックベイ GMT S&G (41mm) 79833MN
・ブラックベイ クロノ S&G (41mm) 79363N
・ぺラゴス39 (39mm チタン) 25407N …ヘリウム排出バルブを省略した200m防水ダイバー
▼2023年
・ブラックベイ54 (37mm) 79000N …新サイズ。ボーイズサイズ的な意味合いも?
・ブラックベイ 赤ベゼル(41mm 超耐磁) 7941A1A0RU
・ブラックベイ GMT 白文字盤 (41mm) 79830RB
▼2024年
・ブラックベイ58 GMT (39mm 超耐磁) 7939G1A0NRU …GMTに新サイズ。赤黒ベゼル
・ブラックベイ 黒(41mm 超耐磁) M7941A1A0NU
・ブラックベイ58 (39mm) 金無垢 ブレス 79018V-0006
※以降、当記事は2021年時点の、ブラックベイ58(39mm)とブラックベイ(41mm)の比較となります。
ブラックベイ 58(フィフティエイト)の概要
(今回の時計、39mmサイズの「ブラックベイ フィフティエイト」。ステンレス素材は、ネイビーブルーとブラックの2色展開。ブレスレットでなくレザーやナイロンのベルト仕様も存在します)
2018年に誕生した「ブラックベイ フィフティエイト(Black Bay Fifty-Eight 以下「58」と略します)」。58は、着想元となったチュードル初の200m防水ダイバーズモデル「ビッグクラウン」(Ref.7924)の発表年「1958」のこと。従来より2mm小さい39mmサイズで、このモデルの為に新開発された自動巻きムーブメント(MT5402)を搭載したモデルとなります。
そして、こちらの「ネイビーブルー」は2020年の新色。1970年代のフランス軍向けダイバーウォッチを思わせる雰囲気あるブルー色を採用。従来の黒とは異なる洗練された雰囲気で、人気となっています。
チューダー(チュードル)
ロレックスの兄弟ブランドである「TUDOR(チューダー)」。日本ではかつて「チュードル」と呼ばれていました。ロレックスの外装に汎用ムーブメントを搭載した廉価なモデルで、一部に知られていたブランドでした。
2018年の日本再上陸を機に、「チューダー」と呼び名を変更。ロレックスには存在しないオールブラックのモデルなどで独自の路線を強化。武骨で、懐かしいけれど、新しい。そんな機械式腕時計を作るスイスのウォッチブランドとして、注目が高まっています。
ブラックベイ
(ブラックベイシリーズから ■1 定番41mmサイズ ■2 クロノグラフ仕様 ■3 日付表示付き ■4 ポリッシュベゼルの3針)
チューダーのメインシリーズである「ブラックベイ」。過去のモデルに着想を得たヘリテージシリーズの一つとして、2012年に加わったダイバーズモデルです。1960年代のダイバーズウォッチに見られた「イカ針(スノーフレイク)」、大きめのリューズ、ドーム風防、アルミのベゼルプレートなどが特徴です。
2016年から自社開発のムーブメントを搭載、クロノグラフやGMTモデル、セラミックやブロンズ素材のモデルなど、過去になかった仕様も加わり、ラインナップを広げてきました。
ではここで、今回の58に繋がる「日付なし&回転ベゼル&3針」のブラックベイの歴史を振り返ってみましょう。
名称・型番(Ref.) | ブラックベイ (初代) Ref.79220 |
ブラックベイ (2代目=現行) Ref.79230 |
ブラックベイ フィフティエイト Ref.79030 |
製造年 | 2012~2016年頃 | 2016年~ | 2018年~ |
サイズ | 41mm | 41mm | 39mm |
厚さ | 約12mm | 約14.7mm | 約11.9mm |
ムーブメント | 自動巻き(ETAベース Cal.2624) | 自動巻き(自社開発 MT5602) | 自動巻き(自社開発 MT5402) |
パワーリザーブ | 約38時間 | 約70時間 | 約70時間 |
カラー | 赤系ベゼル(R)、黒ベゼル(N)、青べセル(B) | 赤系ベゼル(R)、黒ベゼル(N)、青べセル(B) | 黒(N)、ネイビーブルー(B) |
他の素材 | ― | 黒PVD加工(79230DK 生産終了) セラミック(79210CNU 2021新作 過去ブログ) ブロンズ(43mm 79250BA 過去ブログ 等) |
ゴールド(79018V) シルバー925(79010SG) ブロンズ(79012M) ※共に2021新作 |
備考 | 薔薇ロゴ、SELF-WINDING文字がカーブ状 | ・薔薇ロゴから盾ロゴに ・ブレスがリベット風に |
・ブレスはリベット風 ・ネイビーブルーは2020年から |
ブラックベイは、2016年のモデルチェンジ時に、自社開発ムーブメントを搭載した影響か、厚さが3mmほど増しています。58は厚くなったブラックベイに対する新たな選択肢という意味合いがあるかもしれません。
39mmと41mmを比べてみます
正面と後ろ
(58のネイビーブルーと41mmの黒との比較。(58にも黒がありベゼルの数字がゴールドとなります。また、41mmにはブルーベゼル×黒文字盤が存在します。)
まずは正面から。左が58のネイビーブルー、右がブラックベイ41mmの黒となります。文字盤やベゼルの基本的なデザインは変わりません。58は文字盤に対してドットインデックスが少し大きく感じます。
リューズは、ともにリューズガードがないクラシカルなタイプ。58の方が直径が小さめで厚みがあります。ラグ幅は20mmと22mmで2mmの違い。サファイアクリスタルガラスのドーム風防は、58のほうが角の丸みが若干大きいような気もします。(直径が小さい分カーブが強めに見えるのかもしれません。)
両モデルとも、ブレスレットはヴィンテージモデルを思わせるリベット付き。全体的に58の方がコンパクトで、バックルのTUDOR文字部分で、幅が約17.8mmと約19.8mmで約2mm違います。
ケースだけでなく、ブレスレットの幅や厚さなど全体的に大きさが異なるため、重さは約142gと約184gで約40g※の差があります。持った瞬間にはっきり分かるほどの違いです。(※今回比較した2本は41mmサイズのほうがブレスレットが1.5cm長く、その分も重さの違いに影響しています。)
サイドから/夜光
次は横から。厚さ約11.9mmと約14.8mmで約3mmの差。ケースの厚みも見るからに異なっていて、裏蓋も41mmの方が張り出しています。リューズの大きさは41mmの方がやや大きく、薔薇マークが58は立体的で、41mmが平面的となっています。夜光はグリーン系で視認性はともに良好でした。
絶妙サイズでハンサムな1本
(39mmブルーと41mmブラックを、腕回り16.5cmのスタッフが腕に乗せてみました。「39mmは装着感がいいです。ブルーの色目はスーツにも相性が良く、想像以上にいい色です」との感想でした。)
39mmサイズの「ブラックベイ フィフティエイト ネイビーブルー」、いかがだったでしょうか。41mmサイズと比べると、見た目は心持ち小さく感じるかもしれませんが、その分薄くて軽いため、使いやすさが増しているように思います。
そして、41mmシリーズには存在しない「ネイビーベゼル×ネイビーダイアル」は、ベゼルとダイアルの色合いが微妙に違って見えるのもいい感じです。アクセントカラーを、シルバー色に統一することですっきりとまとまり、様々な服に合わせやすそうな印象があります。
また、ネイビーブルー用の「ソフトタッチストラップ」(シンセティックレザー製)や「ファブリックストラップ」(伝統的なジャガード織りでフランス製)のベルトが、チューダーから別途販売されており、付け替えて変化を楽しむのもいいと思います。
他人からは注目されにくいタイプの時計かもしれませんが、着けている自分の気分は上がり、着け心地の負担も少ない、そんな時計です。昔のロレックス サブマリーナが好きな方にも、ヴィンテージな雰囲気を日常で気兼ねなく楽しめる1本としておススメです。