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見逃せないオールブラック。「TUDOR(チューダー) ブラックベイ セラミック Ref.79210CNU (2021年新作)」2022年3月7日

2022-03-07 11:00

今回のエバンスブログは、2021年5月に発表・発売された新作ウォッチ「TUDOR(チューダー) ブラックベイ セラミック」をご紹介。41mmサイズで、オールブラックな3針ダイバーズモデルです。自動巻きムーブメントも新型となる超高耐磁仕様で、非常に意欲的な要注目モデルなのです。

 

今回の時計の概要

TUDOR(チューダー) ブラックベイ セラミック Ref.79210CNUベルトはレザー/ラバー。ファブリックベルトも付属

(今回の時計 ブラックベイ セラミック Ref.79210CNU(41ミリサイズ) ■オフホワイトの夜光、ベルトのステッチ以外ほぼ黒い ■バックル式のベルト。金具はPVD加工されたステンレス素材)

こちらの「ブラックベイ セラミック(Black Bay Ceramic) Ref.79210CNU」は、ロレックスの兄弟ブランド「TUDOR (チューダー)」の主軸モデル「ブラックベイ」に新たに加わった黒のセラミックケース仕様。限定モデルではないのですが、プレミア価格で流通している人気モデルです。

ムーブメントに、15,000ガウス超耐磁を実現した自社製の自動巻き「MT5602-1U」を搭載、オメガ以外では初となる「マスタークロノメーター」認定をクリアしたことでも大きな話題となりました。

 

ロレックスの弟分「チューダー」

チューダーのギャランティ―カードチューダー盾のマーク、薔薇のマーク

(■チューダーの保証カードや冊子類。黒と赤がブランドカラー ■ロレックスの「王冠」に対してチューダーは「盾」。リューズの「薔薇」はかつてのシンボルマークから)

1926年創業の腕時計ブランド「TUDOR(チューダー)」。ROLEX(ロレックス)の兄弟ブランドです。ロレックスの外装に汎用ムーブメントを搭載した廉価なモデルを多く手がけ、「チュードル」として知る人は知るブランドでした。2018年に「チューダー」と呼び名を変えて日本に再上陸、独自の存在感を高めています。

復刻風のスタイル、ブロンズやシルバーなど腕時計では珍しい素材の使用、シースルーバックのモデルなど、ロレックスでは見られない大胆なアプローチの時計が見れるのも魅力の一つです。

 

チューダーの主軸モデル「ブラックベイ」

チューダー ブラックベイ 主なモデルチューダー ブラックベイ 主なモデル

(チューダー ブラックベイの主要モデル ■1、41mmサイズの3針(Ref.79230N)  2、小さく薄い39mmサイズの3針「58(フィフティ―エイト)」写真は2019年に加わったネイビーブルー(79030B) ■3、アルミ2色ベゼルのGMTモデル(41mm径 Ref.79830RB)  4、クロノグラフモデル(41mm径 Ref.79363N))

そんなチューダーで現在のメイン機種が、2012年から始まったダイバーズウォッチ「Black Bay (ブラックベイ)」。イカ針(スノーフレーク針)やアルミのベゼルプレートなどレトロな外観が特徴です。昔風のスタイルではあるのですが、特定機種の復刻ではなく、1950年代から1970年代頃のチューダーのダイバーズウォッチの特徴をミックスさせています。

名前の「ブラックベイ(Black Bay)」も過去モデルには存在しない名前。直訳すると「黒い湾」といった意味で、深い水中をイメージしたという事かもしれません。(ブラックベイという地名がカナダなどにありますが、公式サイトでは名前の由来は明かされていないようです)

 

オメガ専用?「マスタークロノメーター」認定

ブラックベイ セラミックの特徴の一つが、15,000ガウスの超高耐磁 新型ムーブメントを開発し、「マスタークロノメーター(MASTER CHRONOMETER)」認定を、オメガ以外のブランドで初めて取得した。ということ。

この「マスタークロノメーター」は、オメガとMETAS(スイス連邦計量・認定局)が、2015年に共同で制定した機械式時計の新しい品質基準。15,000ガウス高耐磁ムーブメントのオメガ(だけ)に使われていたものです。

この認定、オメガによるオメガのための認定と思い込んでいましたが、実はオメガ(スウォッチグループ)専用ではなく、スイス製で、COSC(クロノメーター認定協会)認定を取得していれば、他のグループのブランドでも受けられたということのようです。

 
チューダー公式サイト METASによるマスタークロノメーター認定ページよりチューダー公式サイト METASによるマスタークロノメーター認定ページより

(チューダー公式サイトには、METASによるマスタークロノメーター認定のページがあり動画も掲載されている。 出典:チューダー公式サイト「METAS認定」

 

ただ、ムーブメントをケースに入れた状態で全数を測定、10日にわたる8つの厳格な検査(ゼンマイ残量が少ない状態での精度、高磁場での動作など)、COSC認定も別途取得が必要と、参加して取得するまでにハードルが高い認定規格だったりします。

今回、ロレックスの弟分であるチューダーが対応ムーブメントを開発し、その認定を取得してきたということで、ロレックスやスウォッチグループ以外のブランドが、今後マスタークロノメーター認定に対応したモデルを出してくるのか?も注目といったところです。

 

初じゃない「チューダーの黒モデル」

チューダー ブラックベイ ダークの元となった41mmモデル(79230)2021年ONLY WATCHオークションに出品された1本限定のチューダー

(■過去の黒モデル「ブラックベイ ダーク(79230DK)」のベースとなった41mm黒べセルモデル(79230N)。ダークでは目盛や文字が白、針やベゼル数字はシルバーとなった。 ■2021年の「Only Watch」チャリティオークションに限定1本のGMT ワン(7983/001U)が出品。こちらも市販化されるかも? 出典「Only Watch Auction」https://www.onlywatch.com/tudor

ブラックベイ セラミックのもう一つの特徴は「ブラック仕様」であること。ブラックベイの通常モデルとしては初めてのブラック&セラミックなのですが、過去にもチューダーでは黒いケースの腕時計が存在します。

2015年 ファストライダー ブラックシールド(42000CN) セラミック 海外のみモデル。既に生産終了
2016年 BB ダーク(79230DK) SS(PVD) 3針、ブレスレット仕様
2019年 BB クロノ ダーク(79360DK) SS(PVD) 「オールブラックス」記念限定。ブレス仕様
2019年 BB セラミック ワン (M7921/001CN) セラミック 1本限定。「Only Watch 2019」オークション向け。今回の時計の元と思われる

(表中BB=ブラックベイ)

「ブラックベイ ダーク」は、ブラックベイ セラミックの登場に伴い生産終了となったモデル。41mmサイズのステンレスモデル(Ref.79230)を、ほぼそのままブラックPVDコーティングしたような時計でした。やや重さがあるものの、リベット風ブレスレット仕様が存在し、目盛やベゼルの数字が読みやすいという、ブラックベイ セラミックにない魅力もあるモデルでした。

 

今回の時計を見てみましょう

TUDOR(チューダー) ブラックベイ セラミック Ref.79210CNUドーム型の風防はサファイアガラス製

(■黒を基調としたブラックベイ セラミック。造型的には定番モデル(Ref.79230)を踏襲 ■レトロな雰囲気が魅力のドーム型風防はサファイアガラス)

では、ここからは今回の「ブラックベイセラミック(Ref.79210CNU)」をじっくり見てみましょう。

ケースは41mmサイズで黒のセラミック。ベゼルの枠、ガラス裏蓋のフチ、リューズなど一部のパーツは黒いPVD加工が施されたステンレス素材が使用されています。セラミックケースは光沢面とつや消し面を巧みに織り交ぜた高級感のある仕上げとなっています。

 
仕上げや光沢を使い分けたケースやベゼル通常モデルとの夜光の違い

(■セラミックのベゼルプレートはヘアライン仕上げ。三角マーカーや数字も黒系で統一 ■通常モデル(79230)との夜光の比較。「セラミック」にはベゼルの夜光が存在しない)

ベゼルの枠はステンレスでベゼルプレートはセラミック素材。彫り込まれた数字や三角マーカーも仕上げ違いの黒系色となっています。三角マーカー部分には夜光(ルミナスポイント)がなく、暗所でのベゼルの視認性は割り切っているようです。

 
通常モデルとの文字盤の違いインデックスや針のフチも黒い

(■定番モデル(79230N)とのダイアル上の文字を比較。定番モデルにある「200m防水」の表示が省略されている。印字のグレーは濃いめ ■針やインデックスのフチはつや感のあるブラック)

ダイアルの文字や分刻みの目盛りは濃いグレー、ダイアル6時上位置の文字は2行でスッキリしています。文字盤に「BLACK BAY」とモデル名が入るのは、意外なことにシリーズ初だとか。そして、針やインデックスの縁まで黒く塗られ、統一感を生み出しています。

ベルトは表がレザーで裏がラバーの「ハイブリッドストラップ」。クリーム色のラインが入った交換用ナイロンストラップも付属します。なお、ブラックベイ セラミックは、現在のところ「ブレスレット仕様」は存在しません。

 
シースルーバックから見えるムーブメントも黒い重さは約106グラム

(■マスタークロノメーター認定をクリアした自社開発の新型ムーブメント「MT5602-1U」もブラックで統一 ■重さは106gほど)

裏蓋はサファイアクリスタルガラスのシースルーバック。ローターを始めムーブメント全体が黒く統一されています。シースルーにも関わらず高い耐磁性能を持つのは、シリコン製ひげゼンマイや、タングステン製のローターなど非磁性のパーツを多く使用しているからだとか。

防水は200m、セラミックケースの内枠部にステンレス素材を使用することにより、ねじ込み式の裏蓋を実現したようです。厚さは「約14.4mm」で通常の41mmモデルより0.4mm※ほど薄く、セラミック×革ベルトのため重量は「106g」と比較的軽量になっています。
(※ブラックベイ 41mm(Ref.79230) ブレス仕様(長さ21cm)で、ケース厚さ約14.8mm、重さ約184g)

 

新開発の超耐磁ムーブメントを搭載し、思いっきり黒くまとめた「ブラックベイ セラミック」。ブラックベイ本来のレトロ感が薄まり、シャープで現代的な印象となっています。夜間の視認性など多少の実用性には目をつぶって、内側も外側も「攻めている」モデルと言えそうです。

 

今後も色々と気になるところです

ブラックベイ セラミックは色数の少なさが潔いブラックベイ セラミックを腕に乗せてみました

(■オールブラックが印象的 ■腕回り16.5cmのスタッフが腕に乗せてみました。ジャケットスタイルも案外いけるかも)

41mmサイズの「ブラックベイ セラミック」、いかがだったでしょうか?デザインもムーブメントもチューダーの本気を感じさせる1本です。

そして、チューダーは今後「マスタークロノメーター」対応機種をどう広げていくのか?人気の小さめ39mm径「58(フィフティエイト)」で、マスタークロノメーターや黒いモデルは出るのか?色々と気になるところです。

個人的には、小さめ39mmサイズで、ステンレス素材&ブレスレット仕様の「ブラックベイ ダーク」が復活というのも良さそうな気がします。2022年3月末のウォッチ アンド ワンダー展示会で発表されるであろうチューダーの新作も楽しみです。

 

TUDOR(チューダー) ブラックベイセラミック
「TUDOR(チューダー) ブラックベイセラミック Ref.79210CNU (USED)」
(41mm径、セラミックケース、シースルーバック、200m防水、70時間パワーリザーブ)

 


※39mmと41mmの違いはこちらのブログでどうぞ↓
案外違う。39mmと41mm。「TUDOR(チューダー) ブラックベイ フィフティエイト ネイビーブルー Ref.79030B」

 

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