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なぜ評価され続ける?オメガ ルネッサンス1894 「Ref.5950.30.03」を語る

2026-01-27 11:00

エバンスブログをご覧の皆様こんにちは。

オメガと聞いて多くの人が思い浮かべるのは、スピードマスターやシーマスターかもしれません。しかし、オメガの歴史を少し深く覗いてみると、そうした王道モデルの陰に、静かに魅力を放つ時計が存在します。その一つが「ルネッサンス1894 Ref.5950.30.03」です。90年代に登場したこのモデルは、華やかな主張こそありませんが、クラシックな意匠と実用性を高い次元で両立しています。実際に向き合う程に、その完成度の高さと”オメガらしさ”を再認識させられる一本です。本記事では、そんな5950.30.03の魅力をあらためて掘り下げていこうと思います。

Ref.5950.30.03

最後までお読み頂ければ幸いです。

オメガ ルネッサンス1894とは

こちらのブログをご覧の皆様は既にご存知、高級腕時計の代名詞であるオメガ。その歴史は1848年創業と永い歴史を持ちます。創業者のルイ・ブランが事業をスタートさせましたが、当初はオメガという名称ではなかったことをご存知でしょうか。

ブランド名の由来には伝説のキャリバーが関係しています。1894年に創業者の息子達が新型ムーブメントである19ラインのキャリバーを開発します。今までにない画期的なキャリバーであり、時計製造における新たなひとつの基準となりました。このムーブメントに対して「究極」という意味を込めてギリシャ文字の最後のアルファベットである「Ω」オメガと名付けます。これが大成功を収めると同時に、ブランド名も「オメガ」へと改名したのです。

究極のキャリバーである「Ω」が誕生したこの年に敬意を払い、歴史的な命名からちょうど100年が経過した事を祝して製作されたのが、今回ご紹介のルネッサンス1894という事となります。

こちらのモデルの最大の特徴は、1994年当時既に生産終了をしていた伝説の名機である「30mmキャリバー(Cal.269)」のデッドストック(未使用在庫)をムーブメントに採用した点にあります。

オメガの倉庫に眠っていた当時のオリジナルパーツを、現代(1994年時点)の職人が美しく仕上げ直し、最新の18Kゴールドケースに収めるという、「ルネッサンス(再生)」の名に相応しい手法が取られました。

単なる限定品ではなく、ブランドの歴史とクラフツマンシップへの敬意を込めた記念モデルとして、コレクターや愛好家の間で高く評価されているのです。

Ref.5950.30.03の基本スペック

ここで基本スペックをまとめました。以下の表をご参照下さい。

項目内容ポイント
リファレンスRef.5950.30.03
ピンクゴールドモデルの型番
ケース素材18Kピンクゴールド肌馴染みの良い上品な輝き
ケース径36mm(リューズ含まず)クラシックな黄金サイズ
厚さ約9mm袖口に収まりやすく、エレガント
文字盤ピンクゴールドカラー、スモールセコンド(6時位置)同系色でまとめたアンティーク調のデザイン
ムーブメント手巻き(Cal.269)伝説の「30mmキャリバー」
振動数18,000振動/時(ロービート)心地よいロービートの鼓動
パワーリザーブ
約42時間毎朝巻く愉しみがあり、愛着が湧く
風防サファイアクリスタルヴィンテージと現代の実用性の融合
裏蓋シースルーバック(サファイアクリスタル)手巻きキャリバーの動きを堪能できる
防水性能日常生活防水(3気圧程度)ドレスウォッチとしての標準仕様
ベルトレザーストラップ(純正クロコダイル)18Kゴールドと贅沢なレザーの組み合わせ
限定本数世界限定1,894本ブランドの命名年にちなんだ数字

現代の時計としては小振りに感じるかもしれませんが、これこそがヴィンテージ・オメガの正当なサイズ感であり、エレガント。シースルーバックから伝説のキャリバーを拝めることができ、現行品にはない「歴史の重み」を直接肌で感じる事が出来るのではないでしょうか。

30mmキャリバーの実用性と信頼性

オメガの30mmキャリバーとは、1939年に登場した手巻きムーブメントで、ムーブメントの直径が30mmあることから、名付けられました。1930年代から1960年代まで製造された古いムーブメントでありますが、高い精度と耐久性を持っていて現在でも時計愛好家から高い人気を獲得しており、名機と称されています。

Ref.5950.30.03
Cal.269

当時の技術力の粋を集めた結晶であり、時計市場最も実用的で信頼性が高く、完成された手巻きムーブメントの一つとして知られています。

評価の高いポイントとして三つの点があります。

一つ目の魅力は、圧倒的な「実用性」と「耐久性」にあります。最大の特徴は、当時の腕時計用ムーブメントとしては最大級となる直径30mmのサイズを活かした、大型パーツの採用です。歯車や軸といった各部品が大きく設計されているため、長期間使用しても摩耗が少なく、驚異的な耐久性を実現しています。
特に太い天真は、時計の心臓部を支える軸そのものが堅牢で、耐衝撃装置が普及する以前から「衝撃に強い」と高く評価されていました。当時は20mm台のムーブメントが主流であったことを考えると、30mmというサイズは際立って大きく感じられたことでしょう。基本パーツを大型化した設計も耐久性を高める要因の一つであり、なかでも直径12mmにも及ぶ大型テンプの存在は特筆すべき点です。この大きなテンプにより、毎時1万8,000振動というロービートながら、安定した高精度を誇るムーブメントが完成しているのです。

二つ目は「抜群のメンテナンス性」を誇る点です。構造が非常にシンプルであり、合理的であることからメンテナンスがしやすいことで世界中の時計師に知られています。長い間製造されたこともあり、現在でも修復用のパーツが比較的入手しやすいそうです。パーツの互換性が高く、永く使い続けられる安心感も魅力でしょう。シンプルな構造で、故障が少ない点も最大の魅力と言えるでしょう。

三つ目は「信頼性の高さ」が挙げられます。これは単なる高級品アイテムとしてではなく、現場で信頼されてきた実績が物語っています。第二次世界大戦中に、イギリス軍の軍用時計に採用され、戦場という最も過酷な環境の中で「止まらない、狂わない」事が証明されています。また、精度を競う「天文台コンクール」で数々の記録を樹立するなど、実用性だけでなく、世界トップクラスの精密さも備えていたのです。

中古市場での評価と価格帯

現在の中古市場での傾向は安定した価値を維持していると言えます。その理由としては限定本数(1894本)と熱心なコレクターが手放さない為、市場で数が少ない点が挙げられます。安定した相場と言えるでしょう。

モデル誕生から30年以上が経過している為、付属品が揃っている個体も減っています。現在の中古市場では付属品の有無を合せると90~100万円前後が相場となっています。良品かつ、付属品完品の場合は110万円前後するものもあります。ヴィンテージ回帰のトレンドもあることから、近年その評価は上昇傾向です。伝説のキャリバーとして人気の高い「30mmキャリバー」を搭載している為、時計愛好家からの下支えも強く、値崩れしにくいと言えるでしょう。

Ref.5950.30.03

時計の本質を理解するコレクターが手放さない事による希少価値といえ、一生モノとして使用できる方へおすすめを致します。また、こうした価値は時計だけにあらず、付属品にもございます。限定モデルの為、専用ボックスや証明書が付属するので、そうしたものが付属している個体の方が価値が上がっていく事でしょう。

90年代の「ネオヴィンテージ」の中でも、特に歴史的意義の深いモデルとして近年市場での評価が高まっています。1994年の発表から30年以上経た現在でも高い評価を得ている事が分かります。

オメガ ルネッサンス1894 5950.30.03はこんな人におすすめ

これまで紹介したように、記念品として製作され希少な個体であることから、オメガだけでなく腕時計選びにおいてもドレスウォッチをご検討であれば候補の一つに加えて頂ける魅力のある時計です。

肌に馴染む贅沢なピンクの統一感が魅力的な一本で、コパーダイヤルとの調和が見事です。ケース、針、インデックス、文字盤まで同系色でまとめられた「トーン・オン・トーン」のデザインで、36mmのサイズ感と相まってアンティークウォッチのようにエイジングした雰囲気を感じさせます。

ドレスウォッチとして華美な装飾はせず、シンプルにまとめ上げ、無駄を省いたデザインと言えるでしょう。裏側からは伝説のムーブメントが顔を覗かせ、特別感を感じられると同時に、手巻きムーブメントの動作をお楽しみいただけるのもポイントです。機械式腕時計の醍醐味を感じて頂けることでしょう。

オメガを代表するスピードマスターやシーマスターといった誰もが知るモデルとは対極に位置する時計です。知る人ぞ知るを体感できる時計であり、「その時計どこのブランドですか。」と聞かれることを楽しめるモデルです。

まとめ

現代の巨大化した時計にはない、36mmの凝縮感。60年以上も前の鼓動をピンクゴールドの優美なケースで包み込む。これは単なる時計ではなく、オメガの歴史を腕に纏うという「究極」の贅沢です。

スペック表の数字よりも、その裏側にある「時間の重み」を愛せる方にこそ、このルネッサンスをお手に取って欲しいと、そう思える一本でした。

骨董品(アンティーク)の心臓を持ちながら、外装は新品と言ったような時計界でも極めてまれな生きた化石のような存在です。

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