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変化を愉しむ1本。「TUDOR (チューダー) ブラックベイ ブロンズ Ref.79250BA」2019年8月19日

2019-08-19 11:00

今回のエバンスブログは、2019年新作となる「TUDOR(チューダー) ブラックベイ ブロンズ Ref.79250BA」をご紹介します。

1、今回のモデルの概要

こちらの「ブラックベイ ブロンズ Ref.79250BA」は、スイスの時計ブランド TUDOR(チューダー)の2019年新作モデル。ブロンズ素材のケースを採用した43mmサイズ、200m防水のダイバーズウォッチです。ムーブメントは70時間パワーリザーブを実現した自社製自動巻きキャリバーMT5601が搭載されています。

 

2、「チューダー」?「チュードル」?

まずはTUDOR(チューダー/チュードル)のブランド概要を。

  • 1926年に設立
  • ロレックスの創始者 ハンス・ウイルスドルフ氏 が企画
  • ロレックスのディフュージョン(廉価版)ブランド的な位置づけだった
  • 日本へも正規で輸入されていた時代がある(1970~90年代頃と言われる)
  • かつては「チュードル」と呼ばれていた
  • 2018年10月に「チューダー」の名で日本再上陸

汎用ムーブメントにロレックスの外装パーツを使った質実剛健なモデルを過去には出しており、チュードル版エクスプローラーである「レンジャー」やイメージを踏襲した「サブマリーナ」、デイトナを思わせる「クロノタイム」といったモデル等が存在。知る人は知るロレックスの弟ブランドでした。

(上写真:ボーイズサイズのサブマリーナ Ref.75090 1989~1990年代前半頃品、クロノタイム Ref.79170 1989年頃品)

2009年にフィリップ・パヴェレリ氏がCEOに就任※。2010年に「ヘリテージコレクション」、2012年に現在の主要モデルである「ブラックベイ」、「ぺラゴス」を復刻。2015年に同社初となる全く新しい高性能自社自動巻きムーブメントを発表、外装も独自のものとなり、ロレックス色を薄めたオリジナルな路線を歩んでいます。(※2016年からはエリック・ピルソン氏がCEO)
 

(上写真:ぺラゴス Ref.25610TNL、ヘリテージ クロノ Ref.70330B)

2017年に「デビッド・ベッカム」や「レディ・ガガ」、ラグビーの「オールブラックス」をアンバサダーとして迎え、オリジナルの発音に近い「チューダー」と日本での呼び名を変え、翌年に再上陸したのも、新しい独自の立ち位置を固めたいというブランド側の考えなのでしょう。

「チューダー」は、もはやかつての「チュードル」ではない。

ロレックス譲りの実用性を備えながらも、ロレックスの廉価版といったイメージを払拭しつつある、新世代の機械式時計ブランドとして今後が要注目です。

(チューダーについては、過去ブログ【伝統に忠実な時計づくりを今もなお「”チューダー クロノタイム”」2019年3月5日】でもご覧いただけます。)

 

3、古くて新しい「ブロンズ」素材

ブロンズは、銅を主成分としスズなどを含む合金で、青銅とも呼ばれます。配合の割合で色合いや性質は多様で、10円玉や銅メダルなどもブロンズの一種です。加工は容易なのですが酸化して変色するため、高級時計に使われることはほぼありえなかった素材でした。

2011年に、パネライが限定モデルとして、この経年変化する素材を採用し、高級時計業界に大きな衝撃を与えます。チューダーが初のブロンズモデルを発表したのは2016年で、現在ではゼニス、IWC、タグホイヤー、ベル&ロスなどの著名ブランドからもブロンズ素材のモデルが登場し、一般化しつつある状況です。

エイジングを楽しみ、味わいを育てていくケース素材として、今までにない時計素材の新たな在り方として、今、注目が高まっているブロンズ素材なのです。

(パネライのブロンズモデルについては、過去ブログ【個性光るエイジングウォッチ”PAM00671”2019年5月28日】でご覧いただけます。)

 

4、チューダーの主力となった「ブラックベイ」シリーズ

(上写真:2016年モデルチェンジ版 Ref.79230Rと79230N)

過去のモデルを現代に復刻するヘリテージシリーズの一つとして、1970年代のサブマリーナをベースに2012年に登場。登場当時は、チューダー家の紋章でもある薔薇のロゴでした。

2016年に自社で初開発となる高性能自動巻きムーブメントMT5602を採用。2017年の「クロノグラフ」や2018年の「青赤ベゼル(通称ペプシ)のGMTモデル」や「レディース3針モデル」など、過去になかった仕様の新作を追加しており、チューダーのメインシリーズとして存在感を高めています。

 

5、このモデル「ブラックベイ ブロンズ」について

シリーズ最大となる43mmサイズのブラックベイ ブロンズ。今回の79250BAはその第4弾となります。第1弾(79250BM)は2016年のブラウン文字盤、第2弾はスイスの老舗時計店「ブヘラ(ブッフェラー)」限定のブルー文字盤、第3弾はOnly Watchオークション限定のグリーン文字盤(レフトハンド仕様)でした。

今回は文字盤・ベゼル・ベルトを「スレートグレー」色で統一。落ち着いた色合いで様々なシーンに馴染んでくれそうです。同心円状グラデーションの文字盤、ユーズド風に仕上げられたファブリックベルト※など、ヴィンテージ感をさりげなく演出する仕立ても効果的です。(※革ベルト仕様も存在します。)

自社で設計・開発を行った高性能キャリバーMT5601は、スイス公認クロノメーター検査協会(COSC)による認定を取得。70時間のパワーリザーブを実現しており、金曜日の夜に外しても月曜の朝まで動いている、といった感じで便利に使えそうなモデルです。

「TUDOR(チューダー) ブラックベイ ブロンズ」Ref.79250BA(SOLD OUT)
(2019年発表モデル、43mm径、自動巻き、ノンデイト、ブロンズ、スレートグレー色)

 

6、個性派素材ながらも実用的な1本です。

ブロンズ素材を採用し、経年変化を愉しむモデルである「チューダーのブラックベイ ブロンズ」。どう扱っても味わいが出てしまうブロンズ素材は好みが分かれるところかと思いますが、肌に触れる裏蓋はステンレス(PVDコーティング)にするなど実用性は十分配慮。70時間パワーリザーブに、シックなグレーカラーで生活に取り入れやすい1本と言えるのではないでしょうか。

 

ところで、チューダー初の路面店が、2019年9月に東京 銀座に開店しています。並木通りでロレックス ブティックの近所だとか。ロレックスとは異なる新しいチューダーの世界観を目にすることができそうです。

追記)東京 銀座のチューダー路面店は、2021年11月26日に銀座7丁目に移転しています。(東京都中央区銀座7-5-4 並木通り沿いで、旧チューダー店舗(上写真)より新橋寄り、ルイヴィトンの斜め向かいでロエベの近隣となります。)

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