エバンス オンラインショップ担当の大貫です。今回はロレックスのロングセラーモデル「エクスプローラーⅠ」。その中でも1990年から2001年まで生産された【Ref.14270】についてご案内したいと思います。
エクスプローラー1のRef.14270は、シンプルで飽きのこないデザイン、豊富な市場在庫による安定した中古相場、プロフェッショナルモデル中でも購入しやすい価格帯で、非常に人気のモデル。コンディションや付属品の有無などによって価格も変わってくるため、予算にあった個体を探すこともできます。
見た目はほとんど変化のないRef.14270ですが、よく見ると微妙に仕様が異なります。 近年ではその違いから差別化が進んでおり、オリジナル性や希少性により市場相場も変わってくるようになりました。
Ref.14270の製造期間中は、主に4つのダイアルバリエーションが存在します。
- ブラックアウト
- T-SWISS
- SWISS (オンリースイス)
- SWISS MADE
初期の「ブラックアウト」、トリチウム夜光を使用した「 T-SWISS」、ルミノバ夜光へ切り替わった際の「オンリースイス」、後期の 「SWISS MADE」で大きく区別ができます。 基本的な文字盤の仕様は上記の通りですが、その中でも僅かに仕様が異なる点があり、近年はその使用によって相場が変わってきています。
シリアル番号と製造年の関係は下記をご覧ください。(エバンス独自調査のものです。正確なものではありませんのでご注意ください)。
製造年 | シリアル番号 | |
1990年(三期) | E000001~ | |
1991年(二期)~1992年 | X000001~ | |
1991年(四期) | N000001~ | |
1992年(四期) | C000001~ | |
1993年(三期) | S000001~ | |
1994年(二期) | W000001~ | |
1996年(二期) | T000001~ | |
1997年(三期) | U000001~ | |
1998年(四期) | A000001~ | |
2000年(一期) | P000001~ | |
※一期(1~3月)、二期(4月~6月)、 三期(7月~9月)、四期(10月~12月) |
ブラックアウト
1990年~1991年頃(E番、X番、N番)
1990年に誕生したRef.14270。その生産初期の個体が“ブラックアウト”。インデックス3.6.9の白いラインの無い、または黒ラインが入る仕様となります。
また文字盤の文字プリントもシルバーレターとホワイトレターがあり、シルバーレターではさらに“フラット”と“メタリック”が存在します。
シリアル番号では「E番」がほとんどですが、X番、N番の一部でも存在が確認されています。14270の中では最も価格が高い仕様。
T-SWISS/シングルバックル/先端ドット
1991年~1992年頃の一部(X番、N番)
90年代初期に存在した夜光ドットが外側によっている秒針。同年代のものが全て先端ドットではなく、一部に存在。
T-SWISS/シングルバックル/ラグホール有り
1991年頃~1994年頃(X番、N番、S番)
S番(1994年)の半ばまで、ケースサイドに横穴が開いている仕様となっていました。ブレスレットの脱着が行いやすい仕様。
T-SWISS /シングルバックル/ラグホール無し
1994年頃~1996年頃(S番、W番、T番)
1994年半ば以降、ラグサイドの横穴(ラグホール)が無くなり、堅牢性と審美性が向上。
T-SWISS /ダブルバックル
1996年頃~1997年頃(T番、U番)
1996年以降は、ブレスレットがシングルバックルから、より堅牢なダブルロック式のバックルへ変更。またこの年代で「トリチウム夜光」は最後となります。
SWISS(オンリースイス)
1997年頃~1999年頃(U番、A番)
トリチウムの使用規制にともない蓄光塗料の「ルミノバ」へ変更したことで、文字盤下部の「T-SWISS」から「SWISS」へ変更。 約1年間の生産であり、近年その評価が高まる通称“オンリースイス”ダイアル。
SWISS MADE
1999年頃~2001年(A番、P番)
後継機「114270」にも継続される“SWISS MADE”ダイアル。その中でも微妙に仕様が異なり、A番では、[SWISS] と[MADE]の間が広い通称“ビッグスイス”仕様。P番では後継機であるRef.114270と同様となっています。
14270の希少な仕様
シリアル“C”の個体
製造年としては「1992年頃」となりますが、何故か個体数は非常に少ないシリアル。XやNと重なるため、C番はもともとの生産数が少なかったかもしれません。
トリチノバ
U番の一部に存在するトリチノバ。文字盤は“ T-Swiss”であり、本来ならトリチウムが使用されているところ、インデックの夜光が「ルミノバ夜光」となっている個体。1998年に切替わりの際、パーツストックの関係で出来上がった希少モデル。
エクスプローラー1「Ref.14270」の今後の評価
もちろんオリジナルの状態が前提ですが、基本的に古いモデルほど価値が高い傾向となっています。30年以上も前のモデルですし、特にデイリーユースで使いやすいモデルであることからガシガシ使用するユーザーも多く、良コンディションが少なくなってきていることから、今後は価格の差が大きくなってくるでしょう。
また年数的にヴィンテージに近いモデルとなっていますので、夜光の変色や、文字盤の経年変化も味わいが増してくるのも魅力ではないでしょうか。