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「もう一つの偉業、CK2998-4:ファーストオメガインスペース」3月12日2019年

2019-03-12 14:28

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ご覧頂きましてありがとうございます、銀座エバンスの福永です。
本日はオメガのスピードマスター “ファーストオメガインスペース” をご紹介いたします。
311.32.40.30.01.001

スピードマスターと言えば、1969年のアポロ11号による人類初の月面着陸以降、6度の月面着陸に携行された”ムーンウォッチ”の名を冠するオメガを象徴するモデルです。

しかしながら、今回ご紹介の”ファーストオメガインスペース”は月面着陸以前の1962年、ウォルター・シラー宇宙飛行士が”シグマ7”に搭乗し、地球を周回した際に使用されたスピードマスターの復刻モデルであり、宇宙で初めて使用されたオメガウォッチの姿を今に伝える貴重な存在でもあります。

デザインは1962年当時のスピードマスター(2ndモデル)を再現しており、ケースの設計についてはサイズは39.7mm、そしてリューズガードの無いスタイルとなっております。ケースサイズ42mmのスタンダードなスピードマスタープロフェッショナル(Ref.311.30.42.30.01.005)などと比較すると一層コンパクトな印象です。


また、針はアルファハンドと呼ばれる鋭利な形状が特徴で、クロノ秒針についても先端に夜光塗布部の無いストレート型を採用しています。ダイアルに関しては現行モデルで見られる”PROFESSIONAL”のテキストは入らず、これらは1959年に発表されたスピードマスター2ndモデル特有のディテールで、その後の3rdモデルのスピードマスターからは現行モデルに近い仕様になってきます。

また、”ファーストオメガインスペース”は限定品ではありませんが、ナンバードエディションという製造本数を示すナンバーが入ります。1957トリロジーのスピードマスター(1st復刻モデル)のように、専用パーツを多様しコストをかけたモデルではありませんが、定価をスタンダードなスピードマスタープロフェッショナルと同等に抑えながら、2ndモデルの特徴的な要素をしっかり作りこみ、他とは一線を絶妙なポジションを確立したモデルと言えます。

以降は、私個人的な推測を交えての内容になりますが、前述のようにナンバードエディションと位置付けられる”ファーストオメガインスペース”は、オメガ全体で管理されるシリアルナンバーの他、当モデルだけの製造個数番号が与えられています。最近の入荷分のナンバーは8,000~10,000番台と幅がありますが、2012年に生産が始まり今年で7年目を迎え通算10,000本強の生産本数であると仮定した場合、年産では1,400~1,600本程とオメガの規模からしたら少量生産に徹したモデルのように思えます。オメガの限定モデルの多くが、2,000~10,000本程の生産であることを考えると、 “ファーストオメガインスペース” は限定モデルに近しい流通量と考えられます。
最後になりますが、最近のオメガはスピードマスターを中心に価格高騰が見られ、アポロ系の限定や、スヌーピーアワード、アラスカプロジェクトなどNASAに縁の深いモデルの他、中古市場でも頻繁に見かけたマーク40AMPMや、ダイヤル外周にチェッカーフラッグを配した通称”タンタン”なども高騰の一途を辿っています。

理由は様々ですが、世界的に見てオメガの知名度は抜群に高く、時代の流れに影響されない確固たるポジションを確立したスピードマスターの存在があります。加えて、最近ではスピーディチューズデイなどを発端とする、過去モデル復刻やアレンジによってオリジナルモデルへ再びスポットが当たる事も珍しくありません。さらには、高騰続けるロレックスの相場に対してオメガ、特にスピードマスターの値頃感はまだまだ強く、製品自体が持つポテンシャル(品質だけに限らず、歴史的背景から需要の高まり)の高さに惹かれ手にされる方も増えています。そして、スピードマスターの人気は海外市場の方が高く、それ比べると日本は新品・中古共に価格上昇が緩やかかつ、人気モデルの在庫数も豊富に揃っています。

今回、ご紹介の “ファーストオメガインスペース” が今後、希少性が増し価格高騰の波に乗るかは断定出来ませんが、その素質は十分に秘めたモデルではないでしょうか。

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