エバンスオンラインショップの大貫です。
最近は温かい日が多くなってきましたね。桜の開花が待ち遠しい気持ちもありますが、時計業界では、桜よりも、団子よりも、新作発表が気になる時期なのです。
3月30日には、スイスのジュネーブで開催される時計展示会「ウォッチズ&ワンダーズ」でロレックスを含む多くのブランドが発表となります。最近では開催と同時に各社ホームページでも発表となりますので、現地に行かずとも新作の確認ができます。ありがたいことです。
その時計展示会に先だって、3月8日にオメガの2022年新作がホームページ上で発表されていますので、今回発表となった新作の注目ポイントを解説したいと思います。
2022年新作【シーマスター プラネットオーシャン ウルトラディープ】
- 素材: O-MEGAスティール、またはチタン
- ケース径:45.5mm
- 動力:自動巻き(Cal. 8912)
- 定価 :1,430,000円~1,573,000円
まず、最も注目するモデルはこちら。先だってオメガのハイスペック・ダイバーズ「プロプロフ」が生産終了となり、それに代わって今年2022に発表された「シーマスター プラネットオーシャン ウルトラディープ」。
もともとは、2019年にマリアナ海溝最深部へ到達し、10,935mの世界記録を更新した「ファイブ・ディープス探査」のプロジェクトに耐えられるように設計された唯一無二のダイバーズウォッチ 「シーマスター プラネットオーシャン ウルトラディープ プロフェッショナル」があり、これをベースとした市販モデルとなります。
2019年作のオリジナルの厚さは28mm(!)でしたが、今回発表されたウルトラディープは、直径45.5mm、厚さは18.12mmと性能に比べてかなり薄いのも特徴になっています。
注目ポイント「6000m防水」
6000mという超ハイスペックの防水性能をもつ「ウルトラディープ」ですが、何といってもヘリウムエスケープバルブが無いということ。もちろん飽和潜水対応です。オメガはクリスタル風防、クリスタルガスケット、リューズ、ツーピースケースバックに関する4つの特許を新たに申請しているそうです。
昨年までのハイスペック・ダイバーズウォッチとして「シーマスター・プロプロフ」シリーズがありました。こちらの防水性能は1200m防水で、十分な防水性能ですが、今作はプロプロフを遥に凌駕したダイバーズ・ウォッチとなっています。
注目ポイント「O-MEGAスティール」
ヘリウムエスケープバルブが不要で、飽和潜水対応、高い防水性能を可能にしているのが、新素材である「O-MEGAスティール(オーメガ スティール)」。ステンレス系の新素材は珍しく、通常のステンレスに必須だった“ニッケル”をほとんど含まない素材となっています。 弾力性が従来に比べ3倍以上高く、そのため高い気密性が確保できるそうです。
更に、一般的なステンレスに比べて色合いがより明るく、硬度も40%~50%向上、非磁性で耐食性に優れるなど、最強ステンレスじゃないでしょうか。また、ニッケルは金属アレルギーの原因となる素材ですので、抗アレルギー素材とも言えます。
注目ポイント「マンタラグ」
カラーバリエーションなど、7モデルがラインナップ。6モデルがステンレス素材ですが、1モデルのみチタン仕様が存在します。
このチタンモデルが、ファイブ・ディープス探査用に制作された「シーマスター プラネットオーシャン ウルトラディープ プロフェッショナル」の遺伝子を受け継いでおり、サンドブラスト仕上げのグレード5チタンのケースや、チタン製のダイアル、ケースに固定された特徴的な“マンタラグ”など、特徴的な仕様になっています。
ブレスタイプは無く、ナイロンストラップ仕様のみと潔いモデルです。
2022年新作【スピードマスター ムーンウォッチ ムーンシャインゴールド】
- 素材: ムーンシャインゴールド
- ケース径: 42mm
- 動力: 手巻き(Cal.3861)
- 定価 : 3,135,000円~4,653,000円
オメガの定番モデルである「スピードマスター ムーンウォッチ プロフェッショナル」に、イエローゴールド系のムーンシャインゴールド仕様がラインナップされました。もちろん、ムーブメントはCal.3861。マスターコーアクシャ化した 伝統的な861系で、 ムーンウォッチの系譜となっています。
これまでは、ローズゴールド系「セドナゴールド」、ホワイトゴールド系「カノープスゴールド」がありましたが、「ムーンシャインゴールド」が新たに加わった形です。
ムーンシャインゴールドは、2019年に誕生したオメガは独自の18Kイエローゴールド合金。従来の18Kイエローゴールドよりも淡い色合いで、経年変化しにくい素材です。なお、ムーンシャインゴールド製のスピードマスターは下記の限定モデルで生産はありましたが、レギュラーモデルとしては初となります。
注目ポイント「グリーンダイアル」
最近の流行であるグリーンカラーの文字盤を採用してます。文字盤はPVD加工で色付けされている様で、実際に見てみたいところですが、グリーン文字盤の発色は非常に綺麗な感じがします。
ゴールドケース×グリーンダイアルは特に人気ですね。ロレックスでも価格が高騰しているモデルの1つです。
同様にプレミア化するかは疑問ではあるものの、今作も生産数はそれほど多くは無いでしょうから、こちらも入手困難になることが予想されますね。
注目ポイント「月面ラバー」
いずれもブレスレット・タイプに加え、ストラップ仕様がラインナップしますが、グリーンダイアルにはレザーストラップ、ゴールドダイアルにはラバーストラップのバリエーションが存在します。
そしてこのラバーストラップは特別仕様で、なんと裏面が月面デザインという、オシャレなものです。おそらく他のムーンウォッチにも装着可能かと思いますので、ストラップだけ(バックルも)欲しがる方が多いのではないでしょうか。個人的にも欲しいです。
2022年新作【スピードマスター ‘57】
- 素材: ステンレス スティール
- ケース径: 40.5cm
- 動力: 手巻き(Cal.9906)
- 定価 : 1,056,000円~1,100,000円
2013年から生産されている「スピードマスター ‘57」がマイナーチェンジ。ムーブメントがマスタークロノメーターへアップグレードしました。また、 40.5mmのケース径へスリム化し、 自動巻きから手巻きへとシフト。よりクラシックな雰囲気が感じられると思います。
注目ポイント「ダイアルの種類」
また定番のブラックだけでなく、ブルーやグリーン、バーガンディといったカラーなリエーションが増えていることも特徴。ブラックダイアルのみサンドイッチダイアルにするなど、文字盤によってもディテールが異なることも注目です。
旧モデルに比べ、サイズやムーブメント、ヴィンテージライクなブレスレットなど、初代スピードマスター を彷彿するデザインへ変化していますが、スピマス好きの私としては、日付アリは残念なポイントです。
2022年新作【シーマスター ダイバー300M グリーン】
深みのあるグリーンカラーが特徴 のシーマスターがコレクションに加わりました。これまでラインアップしてきたシーマスターダイバー300Mのカラーバリエーション違いです。
艶やかなセラミック製ベゼルとダイアルで人気が出そうです。メタルブレスレットも使い勝手がいいですが、グリーンのラバーストラップ仕様もあり、こちらもオシャレな印象。
注目ポイント「定価設定」
ロレックスのグリーンダイアル。116610LVでは、黒文字盤よりも高めの価格帯となっていましたが、オメガでは他のカラーと同額のようです。グリーンカラーも定番化してきましたね。選ぶ楽しみがあります。
他にもある2022年新作オメガの注目ポイント
他にも新作モデルの発表がありますので、簡単にご紹介したいと思います。文字盤に注目です。
シーマスター アクアテラ
カラフルなダイアルが特徴の新型アクアテラ。ケース径34mmと38mmがラインナップ。ブレスレットも刷新されています。シンプルなデザインながら、パステルトーン のカラーダイアルが個性的ですね。最近ではロレックスのオイスターパーペチャルシリーズもパステルカラーのダイアルバリエーションが出ましたので、こちらも人気が出るのか気になるところです。
コンステレーション
他にも天然石「アヴェンチュリン」を使用した29mmのレディース・コンステレーション。41mmのコンステレーションの新ダイアルなど、多数のモデルが登場しています。
レッド・グリーン・ブルーの3色はいずれも美しい発色で、ひとつひとつ違ったパターンの模様が特徴的。近年では天然石を使用した時計は珍しいです。
最近、オメガは文字盤に力を入れている感じがしますね。特にグリーンカラーの文字盤は今後も他モデルでも展開してくる予感がします。今後も楽しみなオメガでした。