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ヨットマスター徹底比較!①

2021-05-11 11:30

こんにちは、銀座エバンスの稲田です。
今回はヨットマスターを比較してみたいと思います。

ヨットマスターとは

1992年にその名の通り、ヨットを所有している富裕層向けというコンセプトで製作された、一味違う上級ダイバーズウォッチです。発表当時は金無垢(イエローゴールド)のみの作りで、40mmのメンズだけでなく、35mmのボーイズ、29mmのレディースと、ダイバーズウォッチというカテゴリの中で、ロレックス社初の3サイズ展開(下写真)で大きな話題を呼びました。

1997年にはステンレスとイエローゴールドのコンビ(ロレゾール)モデルを発表、サイズ展開も変わらず三種類です。当初はボーイズとレディースのみの二種類展開で、2004年にメンズのコンビモデルも加わりました。
金無垢とロレゾールにはシェルで、インデックスにサファイアとダイヤ、またはルビーをあしらった豪華な文字盤も存在し、今でも入荷すると一際目を惹きます。
(上写真)

そして1999年、我々のよく知るステンレスとプラチナのコンビモデル、別名”ロレジウム”を発表。金無垢と違い、手の届く贅沢なロレックスとして幅広い年代の男女によく選ばれていました。
他モデルとは一線を画す名作で、一味違うロレックス社の意欲作、それがヨットマスターなのです。

Ref.16622とは

前述した1999年に登場し、2012年まで生産されていた”ロレジウム”のことです。
ベゼルに両回転タイプのボリュームのあるプラチナを採用、文字盤にもプラチナの丸い板が入っていて、ケース・リューズ・ブレスレットはステンレスなので、いわゆるコンビネーションになっており、特にメンズはしっかりとした重量を感じていただけます。

当時、”ボーイズ”人気が高く、私自身、2005年のエバンス入社記念にRef.168622(ボーイズヨットマスターロレジウム)を購入して愛用していたのを懐かしく思い出しました。
また、Ref.169622(レディースロレジウム)は2021年現在でも探してらっしゃる方が多く、ロレックス唯一の女性用のスポーツモデルとして認識されていて、復刻を望む声も多いのも頷けるほど可愛いモデルです。(上写真)

キャリバーはCal.3135で、これはサブマリーナデイトやシードゥエラー、デイトジャストといった主要モデルにも採用されている当時の最高傑作キャリバーが搭載されています。前作Cal.3035からの変更点は、心臓部のテンプを支える部品を両方で支えるものになり、技術者がより時間調整のしやすいマイクロステラナットへと変更になりました。2007年頃に、ゼンマイがブルーパラクロムヒゲゼンマイへアップグレードされたことで、更に耐久性と精度が上がり、腕時計としてのスペックも上がりました。

また、Ref.16622に青文字盤が入ったモデルが突如現れ、すぐに生産終了となったのですが、これは香港向けの限定生産50本というレアモデルだったそうです。青は後にレギュラー入りするカラーリングですが、当時は大変奇抜で異彩を放つ存在だったのをよく覚えています。(上写真)
ヨットから見える海をイメージした美しいモデルですね。

Ref.116622とは

2012年に登場したRef.16622と見間違えるほど、ロレジウムを継承した”ロレジウム”です。前作との違いは、薄い作りだったクラスプが頑丈となり、従来の黄緑色を発するルミノバだった夜光塗料が青白く光るクロマライトへと変更されました。40mmの直径も、一番の特徴であるベゼルも、100mの防水性も変わらず、キャリバーも同じCal.3135です。それほど、Ref.16622が完成されたデザインだったということがよくわかる現象ですよね。

プラチナ文字盤のシルバーと同時に、前作では限定色だったブルー文字盤が改めて登場、2016年には同社初ネーム、”ダークロジウム”というシルバーより濃い、メタリックグレー文字盤が誕生しました。(下写真)

シルバーは2017年に生産終了となり、ブルーとダークロジウムはその二年後、2019年まで生産されました。
このダークロジウムの登場で、それまでセカンド・サードモデルとされていたロレジウムが、ロレックスを初めて買う方や、生涯の一本として選ばれるようになったのです。

また、こちらも初出のエバーローズゴールドとのコンビモデル(Ref.116621)を発表、新たなカラーとして、深みのあるチョコレート文字盤を採用しました。(下写真)
プラチナシルバー、ダークロジウム、チョコレート共に”ヨットマスター40”という新たなカテゴリーにカテゴライズされ、それに伴い35mmのボーイズ、29mmのレディースが生産終了となりました。

グレー×スカイブルー、チョコレート×レッドのカラーリングも秀逸で、更に一味違うヨットマスターという感じですよね。これらの他に、2015年に登場したヨットマスター40、エバーローズゴールド無垢×オイスターフレックス(ロレックス特許のラバーベルト)も抜群にカッコイイのですが、そのお話は次回のお楽しみです。

Ref.126622とは 

そして現在の最新モデルとして登場したのが、2019年に生産終了となったRef.116622の後継であるRef.126622です。
前作との一番の変更点は、キャリバーで、それまでCal.3135だったものがCal.3235へと変更になり、この傑作キャリバーについては「サブマリーナ徹底比較!②」で詳しくお話していますので、お時間がございます時にご覧になってみてください。

外観は前作とほぼ変わらず、パワーリザーブが70時間へ、時間帯を気にせずいつでも変更可能なデイト表示に、クロナジーエスケープメントという新設計の脱進機による高いエネルギー効率と特別な技術により、従来よりも更に高い耐磁性を持ち合わせたCal.3235は、ロレックス至上最高の傑作キャリバーです。

また、2016年にボーイズロレジウムRef.168622からRef.268622へ、キャリバーはCal.2235からCal.2236へと変更になり、直径が35mmから37mmへとサイズアップしました。Ref.16622もそうでしたが、プラチナを採用したシルバー文字盤は廃盤となり、ボーイズにもダークロジウム文字盤が入りました。
2017年には、Ref.268621(ボーイズヨットマスターチョコレート)が仲間入りをし、こちらも新たなカテゴリーの”ヨットマスター37”にカテゴライズされました。(上写真)

ヨットマスター40も、37も現在ではコンビネーションモデルしか生産しておらず、金無垢はヨットマスターⅡのみのつくりとなっています。実は42というサイズも登場しており、現在では42mm、40mm、37mmの3サイズ展開となっています。(ヨットマスター42については現在ホワイトゴールドのみの作りですが、また次回お話しますね)
そしてこうして振り返ってみると、ヨットマスターって発表当初はいろいろな文字盤の種類が選べたんですね。だから将来、他のカラーリングも登場するかもしれませんよ。これからも目が離せないモデルのひとつですね。

おわりに

いかがでしたでしょうか。
今回は5桁と我々に馴染み深いモデルをご紹介いたしました。
次回は金無垢からヨットマスターⅡまでの、ちょっと変り種モデルのお話です。お楽しみに。

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