エバンスブログ

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サブマリーナ徹底比較!②

2021-02-16 11:30

こんにちは、銀座エバンスの稲田です。
今回は前回記事「サブマリーナ徹底比較!①」に引き続きサブマリーナを徹底比較致しますが、主に6桁のステンレスモデルをクローズアップしたいと思います。

Ref.116610LN・116610LVとは

2010年~2020年まで製造していた第五世代のサブマリーナデイトです。(上写真)
前作と比べるとデザインに大きな変更はないのですが、ベゼルに採用されている素材がアルミニウムからセラミックへ変更となり、”セラクロムベゼル”という名称が付けられました。前回の私の記事、”GMTマスター徹底比較!②”でもお伝えしましたが、このベゼルは2005年に発表されたRef.116718LNより採用されており、新生サブマリーナを初めて目にした時、これから徐々に他のモデルもこのセラクロムベゼルになっていくのかな、と漠然と考えたのを思い出しました。

Ref.116610LNの文字盤には少し針が太くなり、インデックスの大きくなったRef.16610LVの文字盤をそのまま採用、”SUBMARINER”の文字とインデックスの縁取りが少し太くなりました。ケース径はこれまでと変わらず40mmですが、ラグ幅が広くなったことで少し大きくなった印象を受けます。ブレスレットはステンレス無垢を繋いだものへ変更され、クラスプもしっかりとした作りとなりました。キャリバーは前作から変わらないCal.3135、主にセラクロムになったことで今までにない高級感を纏い、堅牢性も高まってより完成された一本です。

そのため、このままずっと作り続けて行くモデルなんだろうなと個人的に安心していた矢先、まさかの生産終了となり2021年現在、新型との比較でRef.116610LNのサイズやディテールを見て、やはり旧型がいいと仰る声も少なくありません。現に、Ref.116610LNの新品が新型より値段が高くなっており、普及をしているモデルではありますが、いい個体の中古もどんどん値上がりしている傾向です。私自身もRef.116610LNの方が好きですし、生産終了してもなお、万人に愛されていることがよくわかる現象ですよね。

また、前作Ref.16610LVも2010年に黒と一緒に生産終了となり、Ref.116610LVとして新たに生まれ変わりました。(上写真)特筆すべきは、前作では文字盤が黒でベゼルのみ緑というデザインだったのですが、Ref.116610LVからは文字盤もベゼルもロレックスのコーポレートカラーである緑になり、同社にとって特別なモデルであることが一目で分かるサブマリーナとなりました。

深みのある美しい緑色の文字盤と同社初のグリーンベゼルとの相性は抜群で、大変目を惹く私自身も大好きなモデルのひとつです。そしてRef.116610LN同様、2020年に惜しくも生産終了となってしまい、次のチャプターで詳しくお話する新型が出て比較をした時に、やっぱりグリーングリーンがいいねと仰る方が多く、価格も黒と全く同じ現象が起きています。これからの動向が楽しみなモデルのひとつですね。

Ref.126610LN・126610LVとは

2020年から現在の最新モデルとして登場したサブマリーナです。(上写真)前作との違いは、直径が40ミリから1ミリアップの41ミリへ、ラグ先端幅が半分くらいの細さになり、スッキリした印象に生まれ変わりました。ベゼルは同じセラクロムベゼルですし、一見違いが分かり辛いのですがサイズアップしたことで、付け根のブレス幅がRef.116610LNと比べて少し広く薄くなり、ケース自体の厚みは変わらないのですが、並べて横から見た時にRef.1226610LNの方が薄く感じます。他のスタッフのブログ記事ですが、こちらに詳しく解説しておりますので、お時間ございます時にご覧下さいませ。・・・「2020年新作入荷!「ロレックス 新型サブマリーナ デイトRef.126610LN」(116610との実機比較写真あり)」

そして、前作Ref.116610LVが生産終了後、Ref.126610LVが登場したのですが、そのカラーリングに我々はあっと驚かされました。(下写真)なぜなら2003年から2010年まで、当初はサブマリーナ生誕50周年記念モデルとして生産されていたRef.16610LVと同じ文字盤が黒で、ベゼルのみ緑だったからです。オリジナルすなわち原点に戻るということを好むロレックス社らしい選択ではないでしょうか。

新しく搭載された最新のCal.3235は、前作Cal.3135に比べなんと14項目もの最新技術を用いた部品を組み込みそれぞれ特許を取得している、現在のロレックス社の最高傑作ムーブメントです。32系と呼ばれる最新キャリバーは、2015年に発表された新型デイデイトに搭載されたCal.3255が初出で、この文字盤から文字盤6時位置の”SWISS MADE”のスイスとメイドの間にロレックスの誇りである王冠マークが入るようになりました。この新たなロゴがある文字盤は、新型だと一目で判別できるようになったということですね。

そして、前作キャリバーは1988年に製作され、そこから27年という長い間採用していたCal.3135を、直径や厚みを変えずに更に進化させたのが、Cal.3235です。この32系のキャリバーを前衛的な時計製造技術の模範といえる機械式自動巻きムーブメントだと同社は紹介しています。

最も特筆すべきポイントは二点あり、ひとつはパワーリザーブが従来の「48時間から約70時間(三日間)へ延びたこと」、ふたつめは「どの時間帯でも変更可能なカレンダーを搭載したこと」です。これは、ゼンマイの入ってる”香箱”の大きさは変えず、内側の壁を従来の半分の厚みにしたことでゼンマイの入る空間を広げてより長いゼンマイを収めることで、パワーリザーブを延ばすことに成功したのです。そして機構内部に引き込み式ツメという部品を組み込み、今まで考えたこともなかった、日付がいつでも動かせる夢のような機構をロレックス社は開発したのです。

また、前作より更に耐衝撃性と耐磁性を強化し、高いエネルギー効率による、より正確な精度を保てるようになったことで、ロレックス愛好家たちの更なる信頼を得た最高傑作、それがCal.3235なのです。精度がより高まった理由は、自動巻き機構から時計の心臓部を繋ぐ部品のなんと90%以上の設計を見直したためです。

詳しくお話すると、”クロナジーエスケープメント”と名付けられたのは、ニッケルとリンの合金製である新設計の脱進機のことですが、新しいアンクルに取り付けられた人工ルビー製ツメ石は従来の半分以下の大きさ(細さ)となり、ガンギ車は軽量化を図るため、ギザギザした歯の中をくり抜いたものとなり、(上写真)これらには”LiGA”呼ばれる特別な電鋳(でんちゅう=表面処理技術)を施し耐磁性を持たせました。

心臓部のテンプにも着目し、従来のブルーパラクロム・ヒゲゼンマイとマイクロステラナットはそのまま採用、もうひとつの要のテンワの形状を見直して精密加工を施したおかげで平衡性が向上、耐磁加工されたテン真を真ん中に取り付けて完成したロレックス社渾身の素晴らしい機構が組み込まれたもの、それが32系キャリバーです。同社のスペシャリスト達が何年にも渡って開発し完成させたこの傑作ムーブメントはこれからすべてのモデルに採用されることでしょう。

Ref.114060・Ref.124060とは

2012年から2020年まで製造していた第七世代のサブマリーナです。(上写真)前述した日付付きRef.116610LNが2010年に発表されたため、Ref.114060はロレックス愛好家待望の日付なしサブマリーナでした。外装や直径などすべてサブマリーナデイトと基本的には同じ仕様で(というのも、作られた年代によってROLEXロゴの下の”OYSTER PERPETUAL”と”SUBMARINER”の太さや大きさがそれぞれ違うためです)昔のように、日付なしだけがノンクロノメーターなんてこともなく、重さや厚みも変わらないため、日付があるかないかの違いです。ふたつを並べて比べた時に、Ref.114060の方がとてもスッキリ、シンプルな印象なので好みが分かれます。

キャリバーはCal.3000の後継機であるCal.3130。心臓部のテンプを片手から両手で支える仕様への変更と共に、ヒゲゼンマイを囲うテンワの中に取り付けられているマイクロステラスクリューが、マイクロステラナットへと変更となり、ヒゲゼンマイは青く美しいブルーパラクロム・ヒゲゼンマイを採用、耐磁性と耐衝撃性に優れたムーブメントとなっています。

Ref.116610LN同様、私はこのサブマリーナがロレックス社の最高傑作であり、ずっとあるものだと思い込んでいたのですが、同じく2020年に生産終了となってしまいました。Ref.124060の登場は必然で、(上写真)ディテールはRef.126610LNと同じ仕様で、前述した通り日付があるかないかの違いだけです。

キャリバーは前作Cal.3130からCal.3230へ変更、前チャプターRef.126610LN・Ref.126610LVとはで詳しくお話した32系と呼ばれる最新キャリバーで、主なスペックは同じです。いつも同社のこの言葉「最新が最高である」を思い浮かべるのですが、キャリバーは最高傑作だとしても、入れ物が前作の方がいいと思うのは私だけではないはずです。何年後になるかは分かりませんが、女性でも着けられる例えば38mmのサブマリーナ及びスポーツモデルを開発して欲しいと、私は密かに願っております。

おわりに

いかがでしたでしょうか。今回は、私個人のサブマリーナ愛が強過ぎて、私見も織り交ぜながらの記事にまとめてみました。まだまだ語りつくせないサブマリーナの魅力。新作が出たばかりなのですぐに変わることは考えにくいですが、万人に愛され続けるロレックスの顔としてこれからも君臨し続けることでしょう。

もうお持ちの方もこれからロレックスを持ってみようかなという方も、このブログ記事を読んで気になられた方は是非、いらっしゃって下さい。今なら、上写真のRef.114060とRef.124060、Ref.116610LNとRef.126610LN、Ref.116610LVとRef.126610LVのすべてが実際にお手にとって比較していただけますよ。

みなさまのご来店、心よりお待ち申し上げております。

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