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「機械式とクォーツの融合時計 ”セイコーガランテGMT”」 2017年3月14日

2017-03-14 13:26

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こんにちは、銀座エバンスの稲田です。
まだ肌寒い日が続きますね。春が待ち遠しいです。
特に夜はまだ寒いので、みなさまあたたかくしてお出掛けくださいね。
さて、本日は珍しく国産のセイコーからガランテ GMT のご紹介です。

”ガランテ”とは、直訳すると勇敢なという意味を持ち、女性に優しい紳士で粋な男性を指します。
セイコーという美しく実用的な腕時計の枠や概念を打ち破り、2005年、華々しくデビューを飾りました。
「自己の解放」というコンセプトを掲げ、どこのブランドにもない独創的なデザインの時計作りを行っています。ガランティストと呼ばれる人達は、周りの意見に振り回されない大人の男(最近では女性も増えているそうです)自分の経験に沿って生き方を貫き一本芯の通った人間のことです。
こういう大人達へ向けての提案を、セイコーガランテは発表以来一貫して行っています。
ガランテを象徴するケースを囲む4本の円柱とケース裏を覆う大きな裏蓋は、力強さの中に優しい包容力に似たものを感じることができ、耐久性も兼ね備えています。
厚みのあるケース、大胆にカットされたリューズ、流れるような秒針デザインは他のどのブラントとも似ておらず、一目見た瞬間にガランテだとわかります。好みは分かれますが、目立つことや大きい時計が好きな方、人と一味も二味も違った時計をお探しの方へぴったりです。
素材に採用されている“ブライトチタン”は、純チタンの約1.5倍の硬度を持ち、紫外線や腐食にも強く、金属アレルギーの方にも安心の素材です。チタンといえば黒っぽい色味を帯びているものが主流ですが、このモデルに採用されているブライトチタンはステンレスと見間違うほど銀色に輝いてます。
また、熱伝導がスチールの4分の1なのでステンレス特有の冷やりとする感触がなく冬でも安心ですし、重さもステンレスの約60%の比重で軽量化を実現しています。何よりピンクゴールドの部分に重さがあるため、ステンレスを合わせるとただずっしり重いだけの時計になってしまう所を、セイコー社自慢の独自の美しい素材、ブライトチタンを採用するというところが日本人のことをよく理解して製作している作品だと感じます。ガラス内面には無反射コーティングを施しており、視認性にも優れています。
そしてこれからお話しするムーブメントが本当に秀逸で大変傑出しており、あまりセイコーのことをご存知のない方にも確実に興味を持って頂ける最大のポイントだと私は思います。
1999年、我が国が誇る国産セイコー社は、20年以上の歳月を掛けてあるムーブメントを完成させました。
その名は”スプリングドライブ”、世界初の機械式とクォーツの融合時計です。
なぜ構想から開発、完成に至るまでに20年以上も掛かったのか、それは大きな4つの壁を乗り越えなければならなかったからです。
ぜんまいのトルクが高い所と低い所での精度の問題、持続時間の確保、低消費電力を持つICチップ開発、自動巻きの巻き上げ効率の問題、これらの大きな課題を長い年月をかけ、スプリングドライブ開発チーム達は日々苦戦しながら解決していきました。
そのチームのリーダーであり、スプリングドライブの生みの親、赤羽好和氏は1971年、諏訪精工舎(1985年にエプソンと合併、現在はセイコーエプソンとなっています)に入社、クォーツ時計に温度変化による誤差を補正するためもうひとつ水晶振動子を備えたツインクォーツの開発に携わります。
1982年、スプリングドライブの第一次開発が始まります。しかし、赤羽氏の構想であるぜんまいで発電した電力で、ICを48時間持続させることが難しく翌年に開発は中断、10年後の1993年に第二次開発が開始されます。この時機械式腕時計に力を入れていたセイコー電子工業との共同開発を試みましたが、やはり消費電力問題は解決できず、翌年にはまた開発が打ち切られてしまいます。
1997年、赤羽氏の一声によりいよいよ第三次開発が始まります。最大の課題はICの消費電力が大き過ぎて、持続時間が継続しないことでした。いろいろな試行錯誤を経て、回路の設計を変えることにより消費電力の大幅削減に成功、ついにSOI-ICと呼ばれる画期的なICが完成したのです。
翌年のバーゼルで技術発表、1999年には製品をバーゼルフェアで発表し世界中をあっと驚かせました。
スプリングドライブは、機械式時計と同じくぜんまいが解ける力で時計を動かします。
この力を磁石を使ったローターに伝え、ローターが回転することにより電気を発生させます。電気はICを動かし水晶振動子=クォーツを発振させ(これは一秒間に32,768回(ヘルツ)振動します)、一秒間に8回(ヘルツ)の信号に変換して一定の信号を出します。ICは信号とローター回転速度を比較し、磁力でブレーキをかけたり外したりして8ヘルツに合うようローター速度を一定に保ちます。
簡単にお伝えすると、機械式ムーブメントの心臓部分であるテンプやアンクルなどの調速機構をクォーツに置き換えた時計、それがスプリングドライブです。
結果、何がすごいのかというとその”精度”です。機械式はどんなにすごい時計でも一日で誤差(平均±3~5)が生じますが、このスプリングドライブは、機械式なのに一日ではなく月に±15秒なのです!
更に、ぜんまいを採用しているためクォーツに必要な電池が不要であること、ステップモーターというクォーツ特有の部品も不要のため、クォーツほど磁気を帯びにくいという特長を持ちます。
そして特にみなさまにお伝えしたい、お見せしたいのは秒針の動きです。それはカチカチという一
秒ずつの動きではなく、機械式の小刻みに震えながら回るあの動きとも違う、独特のそれはもう美しく流れるような動き(スイープ運針といいます)を見せてくれるんです。
エバンスは舶来時計の取り扱いが主なので、今回初めて国産をご紹介しましたが、セイコーもまた、今まで私がご紹介してきたメゾンと同じく、小さな部品製作から組み立てまでを行う自社一貫生産会社、”マニュファクチュール”なのです。繊細な日本人のマニュファクチュールだからこそ、他メーカーにはない素晴らしい機械が生まれるのですね。
知る人ぞ知る、こだわりの時計セイコーガランテ。
ケース形状に合わせた、まるで太陽のようなカットが施されたリューズには大きなオニキスが嵌め込まれていて、それだけで”粋”を演出してくれます。もちろん外装だけでなく付属の機能にもこだわり、パワーリザーブはロレックスデイトナと同じ72時間、GMT機能も付いています。大ぶりなピンクゴールドを贅沢に使っているので、革ベルトモデルの割に160gと少し重みは感じられますが、200m防水、耐磁ですので実用性にも優れているんですよ。
エバンス初入荷の珍しいモデル、小さな世界に夢のような機械が搭載されている腕時計。
是非、みなさまに一度お手に取ってみていただきたいです。
ご興味のある方は私までご連絡くださいませ。
皆様のご来店、心よりお待ち申し上げております。

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