スモールセコンドとは?魅力を解説。
2020-08-18 11:00
エバンスブログをご覧の皆様こんにちは。今回は何気なく目にすることのある「スモールセコンド」について書きたいと思います。時計選びの際に選ぶポイントはいくつかあると思いますが、皆様は時計を選ぶ際にどのような点に着目をして選ぶでしょうか?
サイズや機能、デザイン性、またはメタルブレスタイプなのか革ベルトタイプなのか。選ぶポイントは様々です。今回のスモールセコンドも時計選びのポイントとして見ることもできます。
スモールセコンドの有用性から、魅力まで解説していきたいと思いますのでご一読頂ければ幸いです。
スモールセコンドとは
まずスモールセコンドについてですが、これは時計の針の位置を表す用語です。センター中央部以外に配置される秒針の事を指します。
文字盤の秒針が分針や時針のある中心軸から離れ、6時位置や9時位置に独立して配置されている秒針のことです。通称「スモセコ」と呼ばれ多くの時計好きに親しまれています。
これはデザイン上、着用者にとって視認性の確保をするうえでとても便利です。またデザイン面でもクラシカルな印象になることから、落ち着いた印象を与えます。
また、あまり知られてはいませんが時計の歴史上では中央に秒針のあるセンターセコンドよりも、スモールセコンドの方が歴史が古いのです。1940年代以前の時計はほとんどがスモールセコンドです。
文字盤のデザイン上、秒針が独立しているスモールセコンドの方がムーブメントの構造が複雑に感じますが、実はセンターセコンドの方が複雑です。
素材や技術の向上によりスモールセコンドが生まれ、各メーカーがセンターセコンドを製造した為現在では主流となっています。その背景にはメーカーの技術力の高さを誇示する目的もあったようです。
センターセコンドとスモールセコンド
スモールセコンドという用語があるのと同じように、秒針が中央にあるものをセンターセコンドと言います。どちらも略称があり、「スモセコ」・「センセコ」と言ったりします。
これは秒針の位置の違いにより名称が変わります。
スモセコは秒針が独立して文字盤上に配置されている物であり、センセコは秒針が中央に位置しているものです。
また、秒針の無いものは二針(にしん)と言い、「時針・分針・秒針」のあるものは三針(さんしん)と言います。
二針は主にドレスウォッチに採用されることが多く、三針は幅広く採用されています。現在では三針の方が認知度は高いのではないでしょうか。
インダイヤルとサブダイヤル
インダイヤルとは、ダイヤル(文字盤)内に配置された小さなダイヤル(文字盤)の事を言います。
このインダイヤルの中に、スモールセコンドの他にもクロノグラフで使う30分積算計や12時間積算計、ムーンフェイズなどもあります。スモールダイヤルやサブダイヤル、カウンターという呼び方があります。
スモールセコンドの魅力
それではスモールセコンドの魅力についてです。やはりクラシカルなデザイン性ということが言えると思います。近代的なセンターセコンドではなく、趣のあるスモールセコンドにすることにより、大人の雰囲気を印象付けてくれることでしょう。
かくいう筆者もスモールセコンドが好きなこともあり、6時位置や9時位置に配置されている秒針を見るとついつい見てしまいます。
動くスモールセコンドを見ることで、時計がしっかりと動作していることもチェックできる為、便利ですね。
また、秒針をスモールセコンドにすることによりケースを薄くすることが出来ます。そのためコンパクトに作る事もできるのです。
スモールセコンドのおすすめ時計
では最後におすすめのスモールセコンド付きの時計をご紹介させていただきます。
①カラトラバ Ref.3439
まず外せないのはクラシカルな王道時計であるパテックフィリップのカラトラバです。こちらはカラトラバ・オートの二世代目である「Ref.3439」です。
1960~1961年にかけて製造され現在ではヴィンテージウォッチに分類されます。おおよそ1年間の製造期間ということで非常に稀少です。
文字盤の「秒針・時針・分針」の配置のバランスが最高です。時計界最高峰のブランドのドレスウォッチは皆の憧れですね。
②レベルソ デュオ
続いてはジャガールクルトからレベルソ デュオ(Ref.Q2718410)です。こちらも紳士時計の中で根強いファンの多いモデルですね。
レベルソというと角形時計の中でも必ずと言っていいほど名前の挙がる名作ですね。まさにクラシカルな印象の時計です。
こちらは表と裏で別々の時間表示ができる両面ダイヤル仕様のデュオです。スモールセコンドに手巻きムーブメントというのもクラシカルな仕様で味わい深いですね。
③パイロットアエロネフ タイプ20
ゼニスからパイロット アエロネフ (03.1930.681/21.C723)です。
こちらは9時位置にスモールセコンドのついたモデルです。6時位置に配置されているものを皆様思い浮かべることが多いと思いますが、こちらの9時側もおしゃれですね。
ゼニスというとムーブメントに定評があり、名機エルプリメロを開発したことでも有名です。時計好きであれば一度は耳にしたことがあり、同時に憧れのムーブメントではないでしょうか。
④サブマーシブル 42MM
軍用時計が始まりのパネライからサブマーシブル42MM (PAM00683)です。サブマーシブルというとパネライのCEOが変わってからメインモデルへと派生し、ブランドのアイコンとして現在注目のモデルです。
スタンダードなパネライの大きさというと44MMなのですが、現在では42MMや38MMといったようにサイズ展開も豊富な為、手首が細い方でも気に入ったモデルが見つかりやすいです。
ダイバーズウォッチならではの爽やかな顔を持ち、スモールセコンドは青い針を使用しています。また、42MMのサイズ感が非常にバランスが良く日本人の腕回りにもよく合います。
⑤ジュール オーデマ
こちらは女性にもぜひおすすめのスモールセコンドモデル「ジュールオーデマ」です。6時位置にスモールセコンドを配置した手巻き式。王道の機械式腕時計となります。また、文字盤にはホワイトシェルを採用し、煌びやかな印象です。
ベゼルにダイヤモンドを散りばめており、上品な趣のある一本です。女性の手元を彩ってくれること間違いなしでしょう。
まとめ
腕時計のデザインを決める上で以外にも重要な役割を果たす秒針の位置。センターセコンドなのか、スモールセコンドなのか、場所が違うだけでも時計の印象を大きく左右しますね。
皆様はスモールセコンドとセンターセコンドのどちらがお好みでしょうか。
時計の歴史では先端の技術がセンターセコンドに譲った形となり、今では古い技術のとなってしまったかもしれませんが、温かみのある文字盤のデザインはスモセコ特有です。
これから腕時計の購入を検討している方、スモールセコンドという選択肢も入れてみてはいかがでしょうか。