エバンスブログ

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「ロレックスの内部構造と内装部品について」2019年9月17日

2019-09-17 11:00

こんにちは、銀座エバンスの稲田です。急に秋めいて参りましたね。
季節の変わり目ですので、みなさま体調にお気をつけくださいね。



さて、本日はロレックスの内装部品についてお話したいと思います。

はじめに

”スイス・ビエンヌ”。ロレックス社以外にも、スウォッチグループの本社がある、バーゼルと首都ベルンの間に位置する時計の聖地。 実はこの町はドイツ語とフランス語の二ヶ国語の併用が法律で定められており、ドイツ語では”ビール”と呼ばれています。

このビエンヌの施設で働く2000人以上のロレックス社の技術者たちは、何百とある小さな部品の製作と組み立てに日々励んでいます。後にご紹介しますが、ロレックスの部品は大きいものから極小のものまであり、すべてが正確に噛み合うよう設計されています。厳格なCOSC(スイス公式クロノメーター検定機関)に提出するためのムーブメントの組み立てと調整は、熟練の時計師によってすべて手作業で行われているのです。

今回は、腕時計の基本的な知識を交えながら、ロレックスに採用されている内装部品のお話をさせて頂きたいと思います。

Source: https://www.rolex.com/ja/about-rolex-watches/made-in-switzerland.html

機械式時計とは

機械式時計は、手巻き・自動巻きの二種類に分かれており、どちら共に共通しているのは、”ゼンマイ”を動力としている所です。
自動巻きとは、ローターと呼ばれる主に半月板の重りが、手首のわずかな振動でぐるぐる回ることで、自動的にゼンマイを巻き上げてくれる機構のことで、このローターが装備されていないものを手巻きといいます。

機械式時計は”リューズ”を巻くことでゼンマイを巻き上げることができ、 このゼンマイが少しずつ解けて行く力により、針を動かしています。

例えばゼンマイ仕掛けのおもちゃを思い浮かべてみてください。ねじを巻いて手を離すと、すぐに解けてしまいますよね。そのすぐに解けてしまう構造を制御する装置が、いくつもの歯車や小さな部品で構成され、ようやく機械式時計となるのです。

ゼンマイとは

春先に新芽を出すシダ植物のことで、先が丸まっていて山によく生えている山菜です。栄養成分を多く含んでおり、昔から親しまれている食材のひとつです。
時計に使われてる”ゼンマイ”はこの植物によく似ていることから、部品名として付けられました。

どの部品も重要なことには変わりありませんが、このゼンマイという部品は繊細で、手巻き時計のリューズを巻き止まりより更に強く巻くと切れてしまったり、自動巻きでも時が経つと金属疲労で切れてしまいます。
ゼンマイが切れてしまうと何が起こるかといいますと、完全に針が動かなくなります。それもそうですよね、冒頭でお伝えした通り電池の代わりの動力源ですから、切れると歯車に力を伝達することができないためです。不動の原因はこのゼンマイ切れがほとんどで、とても大切な部品なのです。

Source: https://www.rolex.com/ja/about-rolex-watches/new-calibre-3255.html

歯車について

機械式時計には、二~四番の歯車があります。一番はどこかというと、前述したゼンマイの納められている”香箱車”が一番車です。下の図をみるとよく分かりますが、”二番車”には時分針が付き、”三番車”は二・四番車を繋ぐ役割を、”四番車”には秒針が付きます。最後の歯車は”ガンギ車”と呼ばれていて、時計の心臓部を制御する重要な部品です。

リューズからテンプまでの力を伝達する歯車には、上記以外もあり、下の図でも紹介していますが、香箱車に取り付けられている”角穴車”、これは香箱真と噛み合うように、穴の形状が角ばっているためこの名が付きました。
リューズには巻き真という部品が付いており、リューズを巻くとツヅミ車、キチ車、丸穴車、角穴車、香箱真へと伝わり、ゼンマイを巻き上げてくれるのです。クロノグラフなどの複雑機構になると、この歯車及びその他部品数が格段に増え、精密になるため高額になるというわけです。

Source: https://kotobank.jp/word/%E6%A9%9F%E6%A2%B0%E6%99%82%E8%A8%88-472426

脱進機について

脱進機とは、後にご説明する調速機の動きを一定に保つための重要な部品です。機械式時計に耳をあててみると「チクタク」と音がするのをみなさん一度は聞いたことありますよね。その音は、この脱進機、”アンクル”と”ガンギ”という部品から発せられているのです。(下写真・・・下がアンクル、上がガンギ車)

アンクルの先に人工ルビーが付いているのですが、この爪がガンギの歯車に引っ掛かる、この時音がします。
実はロレックスのアンクルの爪は、一時間毎に28800回という反復運動(繰り返し繰り返し行ったり来たりする運動のこと)を繰り返しており、一年間でなんと合計2億5000万回ものチクタク音を出しています。そしてこの音は安定しており、とても正確な動きをしているのですが、この仕組みこそ高精度を出すためのロレックス・ムーブメントの要なのです。

Source: https://www.rolex.com/ja/about-rolex-watches/movements.html

テンプについて①

テンプとは、時計の心臓部にあたります。髪の毛よりも細い”ヒゲゼンマイ”と、”テンワ”によって構成される部品は、見た目も美しく、ロレックス社は5年にも及ぶ研究を経て、2005年に青いヒゲゼンマイ”ブルーパラクロム・ヘアスプリング”を開発しました。(下写真)

このブルーパラクロム・ヘアスプリングには、”ニオブ”と”ジルコニウム”という素材を採用。ニオブとは耐食性・耐熱性に優れたバナジウム族元素で、 近年時計ケースにも採用されはじめている”タンタル”と共存する物質です。
また、ジルコニウムとは酸・アルカリに強く、チタン族に属する物質で、ロレックスではこのふたつを2400度の熱で融解、酸素を加えて30cmの合金のバーを生成し、そのバーを人間の髪の毛程の細さにして3kmのワイヤーを作ります。そしてそのワイヤーを50μ(ミクロン=1000分の1mm)の厚みのリボンのように平たくなるように加工をするそうです。

こうして生まれたブルーパラクロム・ヘアスプリングは常磁性のため、時計の天敵である”磁気”を帯びにくいというわけなんです。また、美しいブルーの色は着色ではなく、高温を与えることによって生じる酸化被膜であり、従来のものより約10倍の耐衝撃性を備えることができるのです。

テンプについて②

ブルーパラクロム・ヘアスプリングの周りを囲う金の輪っかが”テンワ”と呼ばれる部品で、これに取り付けられることにより、まるで人間の心臓のように規則正しく振動します。この心臓部はとても繊細なので、すごい衝撃を受けてしまうと、ヒゲが絡まって精度が狂ってしまいます。機械式時計が繊細と言われているのはそのためです。
この等時性を持つテンプを調速機といい、上でご紹介した脱進機で受け止めます。

また、テンワの内側に小さな星型の部品が4つ見えますよね。(下写真)
これは”マイクロステラナット”という部品で、スクリュー式になっている重りでそれぞれの比重を変えることで精度の微調整を行うことができます。この仕組みをフリースプラングと呼び、一般的な緩急針がないテンプの総称です。
緩急針とは、ヒゲゼンマイの長さを調整する部品で、フリースプラングより調整が容易で範囲が広いのが利点です。
しかし衝撃に弱く、高精度の維持が難しいため、近年ではロレックス以外のメゾンも緩急針を廃し、フリースプラング・テンプを採用しているところが増えています。

ちなみに代表的な緩急針はエタクロン、トリオビスなど、そして我々もよく知っているスワンネック。スワンネックはドイツ製の高級機に多く見られ、その代表はもちろん、ランゲ&ゾーネですよね。今まで何度か私のブログでご紹介して来ましたが、古典的手法を大切に、伝統に忠実なランゲ社だからこそのこだわりですね。

もちろん、ムーブメントが美しいのはランゲだけではありません。
頑強な裏蓋で普段は目にすることはできませんが、ロレックスのムーブメントにも伝統的な装飾が施されています。
見えない所の板と歯車はサーキュラーグレイン仕上げ、ネジは鏡面仕上げ、すべての角を面取り(特に小さな部品には高度な技術が要される作業のこと)しています。
サテンやポリッシュ、ペルラージュといった伝統的な技法を施す専門の職人が手作業で行っているのです。
その上更に完璧な高精度を持つムーブメントを作り出しているメゾン、それがロレックスなのです。

おわりに

いかがでしたでしょうか。今回は基本の主要な内装部品のみをご紹介させていただきました。
このブログを書いて改めて感じたことは、どの部品がひとつ欠けても、機械式時計は動くことはないですし、それ故技術者たちは細心の注意を持って組み立てに臨み、我々は大切に扱わなければならないのです。
ロレックスを愛用する私も含め、みなさんにもこのブログを読んでそう感じていただければ幸いです。

次回、ロレックスの外装部品についてのお話、みなさま楽しみにしていて下さいね。


 

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