こんにちは、銀座エバンスの稲田です。
本日お話するのは前回記事「デイデイト徹底比較!①」に続く第二弾です。
今回は6桁のモデルにスポットを当ててご紹介していきます。
Ref.118238とは
2001年に発表された、現行に一番近い形のデイデイトです。
素材は四種類あり、下写真左からRef.118238(イエローゴールド)、Ref.118239(ホワイトゴールド)Ref.118235(ピンクゴールドとエバーローズゴールド)、Ref.118206(プラチナ)ですべて無垢、5桁モデルから変わらず「バゲットダイヤ」のものは型番の一番うしろに”A”の文字が付きます。
バゲットダイヤとは、よく目にする丸形のブリリアンドカットダイヤではなく、縦長・長方形のカットのダイヤモンドです。目に付く面積が広いため、極めてクリアな透明度が求められるので高い技術力と大きなダイヤモンドが必要とされます。そのため高額となりますが、ロレックス社のデイデイトにはすべてこのバゲットダイヤが採用されています。(注:下写真一番右のように、バゲットカットとブリリアントカットのダイヤモンドを組み合わせた文字盤が多く製作されています)
キャリバーはCal.3155で、前作Cal.3055との違いは心臓部であるテンプを両方から支える仕様になり、日付だけでなく曜日も早送りができる機構が搭載されました。実はCal.3155は、5桁のデイデイト(Ref.18238など)からキャリバーは変わっておらず、当時の最高傑作長寿キャリバーなのです。
2005年にはすべてのキャリバーのテンプは”ブルーパラクロムヒゲゼンマイ”(磁気に強く、従来の約10倍の耐衝撃性を持つヒゲゼンマイ)へと変更され、より実用性と精度を高めたモデルへと進化しました。
外観はケースラグ(足)が尖がっている作りから、丸みを帯びた作りへ、仕上げはマット仕上げからピカピカのポリッシュ仕上げとなり、高級感がグッと増しました。また、クラスプ(留め金)もマットからポリッシュ仕上げと変更され、形状も凝ったつくりとなりました。文字盤はバータイプのインデックス幅が広がり、大きく太い夜光塗料入りのインデックスへと変更となり、視認性も大きく増しました。(上写真一番左参照)
ちなみに前回記事でピンクゴールドとエバーローズゴールドのことをお伝えしましたが、上写真で比較してみましたので違いをご覧ください。(左がピンクゴールド、右がエバーローズゴールドです。次のチャプターで詳しくお話しています)
6桁デイデイトは、「ロレックスの最高峰モデル」という気品を損なわず、現代人のニーズに沿った腕時計作りが顕著にあらわれているモデルのひとつと言えるでしょう。
Ref.218238とは
2008年から2015年まで生産されていた「デイデイトⅡ」の異名を持つデイデイトです。前作まで36mmのみのつくりだったデイデイトは、誰も予想だにしなかった、サイズを5mmもアップした41mmケースを採用、大変迫力のあるデイデイトとして生まれ変わったのです。
フォーマルなシーンで活躍する金の腕時計という認識だったデイデイトが、スポーツモデルと同じくらいのサイズに変身したことで、カジュアルなシーンすなわち普段使いでも支障のない腕時計へと進化したことが大きな話題を呼びました。
このモデルから、30代の成功者達にデイデイトが支持されるようになって来たように感じたのをこの記事を書いていて思い出しました。
素材は前述した2005年に発表されたピンクゴールドの進化版、Ref.218235”エバーローズゴールド”の他、Ref.218238(イエローゴールド)、Ref.218239(ホワイトゴールド)、Ref.218206(プラチナ)の四種類で、前作のRef.118238などには見られなかった全部がバゲットダイヤインデックスというモデルも存在します。(上写真の右から二番目参照)
ちなみにエバーローズゴールドとは、75%の金に銅と少量のプラチナを配合したロレックス社特許の素材です。(下写真)6桁初期デイデイトの前述した色合いの違いは、初期モデルにはこのプラチナを配合していなかったために赤く見え、レッドゴールドとも呼ばれているのです。プラチナが入ることでより淡いピンク色となり、酸化(変色)に強くなったため、永遠にこの美しさを保つことが可能となりました。故に”エバーローズゴールド”名付けられたのですね。
キャリバーはCal.3156へと変更になり、前作Cal.3155との違いはケースに合わせたサイズアップと、心臓部であるテンプに設置された耐震装置がキフ・ウルトラフレックスから、パラフレックス・ショックアブソーバーへと変更され、より衝撃に強くなりました。
外観はRef.118238などと比べてサイズアップしたためか、ベゼル幅が広くなり、ブレスレットの幅も広がり金の質量が増えたので重さも増しました。言わばすごく主張が強いリッチなモデル、それがデイデイトⅡなのです。
Ref.228238とは
2015年、異色のデイデイトⅡが生産終了となり、代わりにスリムになって登場した”デイデイト40”、それが2021年現在の最新モデルです。(上写真)
キャリバーはCal.3255へ変更となったのですが、以前から何度もご紹介している私の記事「サブマリーナ徹底比較!②」でお話した秀逸キャリバーCal.3235より更に前に、ロレックス社の現在の技術力のすべてを注ぎ込んだ画期的なキャリバー、それがCal.3255です。(基本的なスペックはCal.3235と同じなので、お時間がございます時に読み返して頂ければ幸いです)
外観は前作Ref.218238などより1mm小さい40mmへと変更されたためか、ベゼルが細くなり、我々のよく知る36mmデイデイトのフォルムに近付きました。
素材はこれまでと変わらず、Ref.228238(イエローゴールド)の他、Ref.228239(ホワイトゴールド)、Ref.228235(エバーローズゴールド)Ref.228206(プラチナ)の四種類です。
また、新しい文字盤も追加され、今までにない洗練されたスタイリッシュなローマ文字盤が登場しました。(上写真)そして今まで気付かなかったのですが、ロレックス社は数字の「4」のローマ文字を「Ⅳ」ではなく「IIII」という記号を採用しており、この文字は古代エジプトやギリシャでのみ使用されているレア数字であることを発見しました。そこで調べてみたところ、Ref.1803の時代から「4」は「IIII」 になっていたのです!次回のデイトジャストの回でも調べてみるのが楽しみとなりました。
おわりに
いかがでしたでしょうか。二回に渡ってお伝えして来たデイデイトの魅力、みなさん感じていただけましたか?
現在エバンスには旧型のデイデイトのご用意しかないのですが、この記事に携わったことで今後入荷したモデルを見るのがとても楽しみになりました。
入荷したらすぐにホームページに載りますので、気になられた方は是非、チェックしてみてくださいね。
みなさまのご来店、心よりお待ち申し上げております。