2019年新作&新サイズ「ROLEX(ロレックス) ヨットマスター 42」ホワイトゴールド オイスターフレックス Ref.226659 2020年10月5日
今回のエバンスブログは、「ROLEX(ロレックス) ヨットマスター 42mm Ref.226659」をご紹介します。2019年の新作として登場したこちらは、ヨットマスターでは最大となる「42mm」サイズ。入荷するとすぐに売れていく印象のある人気モデルです。
追記)2022年新作として42mmサイズの「イエローゴールド素材&ラバーブレス」モデル(Ref.226658)が登場しています。当記事で紹介の42mmホワイトゴールド&ラバーブレス仕様(Ref.226659)は継続され、新ダイアル「ファルコンズアイ」も加わりました。→参考:ロレックス公式サイト
この時計の概要
こちらの「ROLEX(ロレックス) ヨットマスター 42mm」は、2mm大きい新サイズ。ホワイトゴールド素材もヨットマスターでは初となります。70時間パワーリザーブを実現した新世代ムーブメントCal.3235を搭載し、装着感の良い「オイスターフレックス ブレスレット」を採用したラグジュアリーなスポーツ系モデルです。
ヨットマスターの基礎知識
ヨットマスターとは
(■写真1:1994年頃のRef.68628、ボーイズサイズの金無垢モデル。取扱説明書の表紙にこのモデルの世界観が垣間見える。 ■写真2:1~3は、かつて存在したシェル文字盤モデルの例 【1】Ref.16628 【2】Ref.16628 【3】Ref.16623 【4】豪華を極めた最近の1本。Ref.116695SATS オイスターフレックス ブレスレット)
ダイビング向けの人気モデル サブマリーナをベースに、1992年に登場した「ヨットマスター」。ヨットクルージングなどを愉しむ富裕層をターゲットとした、高級感のあるラグジュアリーなスポーツ系モデルです。スペックは100m防水に両方向回転ベゼルと、ダイバーズモデルと比べると控えめになっています。
ちなみに、3大名門ブランドのラグジュアリーなスポーツ系モデルとして、1970年代にオーデマ ピゲ「ロイヤルオーク」やパテック フィリップ「ノーチラス」が登場していました。
(【1】1972年誕生:オーデマ ピゲ「ロイヤルオーク」、【2】1976年誕生:パテック フィリップ「ノーチラス」、【3】1993年誕生:オーデマ ピゲ「ロイヤルオーク オフショア」、【4】1996年誕生:ヴァシュロン コンスタンタン「オーバーシーズ」(※前身となる限定モデルは1977年に登場)、【5】1997年誕生:オーデマ ピゲ「ロイヤルオーク クロノ」、【6】1997年誕生:パテック フィリップ「アクアノート」 )
オーデマ ピゲ「ロイヤルオーク オフショア」、ヴァシュロン コンスタンタン「オーバーシーズ」、パテック フィリップ「アクアノート」は、ヨットマスターより後となる1990年代の登場となり、ハイクラスのスポーティーなモデルがこの時代に増えていくこととなります。
なお、「ヨットマスターII」は、2007年に登場したヨットレース用のモデル。レガッタクロノグラフ(カウントダウンタイマー)を搭載、競技対応の高機能な本格スポーツモデルとなります。
用語集
(■オイスターフレックス ブレスレットの縦方向クッション ■グライドロック エクステンション システム)
独自の造語が多いロレックスの中でも、特に多く感じられるのがヨットマスターに関連したものです。ここではその一部を簡単に紹介します。
ロレゾール | ゴールドとステンレスのコンビ。現行のヨットマスターではエバーローズゴールドとステンレスのコンビ |
ロレジウム | プラチナとステンレスのコンビ。ヨットマスターだけに存在 |
エバーローズゴールド | ロレックス独自の配合で、2005年に誕生した変色しにくいピンクゴールド |
セラクロム | ロレックス独自のセラミック素材。スポーツ系モデルのベゼルに使われる |
ダークロジウム | 貴金属ロジウムを加工した濃いグレーのダイアル |
オイスターフレックス ブレスレット | 2015年に発表、柔軟な金属ブレードを独自のエラストマー(人工ラバー)で覆ったブレスレット。「縦方向クッション」により装着感と通気性も良好。現在はゴールドモデルのみで採用。→ブログ記事へ |
グライドロック エクステンション システム | 留め金の内側にある刻みにより簡単に長さを調節できる仕組み。(ヨットマスターの場合、約2.5mm単位で最大約15mm延長) |
素材の変遷
(1■Ref.16628:イエローゴールド無垢 2■Ref.16623 イエローゴールドコンビ 3■Ref.16622「ロレジウム」シルバーは文字盤もプラチナ 4■Ref.116622 ケースとブレス接続部の形状が変更、「ブルー」ダイアルが定番として登場 5■Ref.116622 「ダークロジウム」ダイアル 6■Ref.116655 エバーローズゴールド&オイスターフレックス ブレスレット 7■Ref.126621 エバーローズゴールドコンビ、新世代ムーブ搭載の現行モデル 8■Ref.226559:42mm&初のホワイトゴールド素材)
ヨットマスターは、1992年にイエローゴールド無垢のみで誕生、1997年と2004年にイエローゴールドコンビ「ロレゾール」、1999年にベゼルにプラチナを採用したコンビモデル「ロレジウム」が誕生。
2012年にプラチナコンビの新色「ブルー」、2016年に「ダークロジウム」が登場、同時期に「ヨットマスター ロレジウム」として親しまれた、シルバーカラーのプラチナ文字盤は終了となっています。2015年に、オイスターフレックス ブレスレットを新採用した、エバーローズゴールド&セラクロムベゼルのモデルで人気が再燃、2019年に今回のホワイトゴールド素材のモデルが登場しています。
現在はイエローゴールド系は存在せず、プラチナコンビ、エバーローズゴールドコンビ、エバーローズゴールド&オイスターフレックス ブレスレット、ホワイトゴールド&オイスターフレックス ブレスレットがラインナップします。
初期のイエローゴールドによる王道感のある豪華さ、ロレジウムの控えめな高級感、最近のモデルのメリハリ感。基本デザインはほとんど変えずに、素材の使い方で時代に対応している様子が伺えます。
大きさについて
(■2010年代のロレックス スポーツモデルのサイズ変遷 ■ヨットマスターのサイズ展開)
ここで、ロレックスのスポーツ系モデルの大きさについて探ります。長い間40mmサイズが中心だったのですが、2010年代に入って徐々に大型化してきています。今年2020年にサブマリーナが約60年ぶりにサイズを変更、1㎜アップの41mmサイズとなりました。デイトナやGMTマスターなど他の40mmサイズの機種が、2020年代にどう変わっていくか気になるところです。
もう一つのポイントとして、スポーツ系でヨットマスターだけが複数サイズの展開となっています。元々、レディース29mm、ボーイズ35mm、メンズ40mmだったのですが、2010年代中頃に37mmと40mmサイズになり、2019年に今回ご紹介する42mmサイズが加わりました。今後、42mmサイズの素材バリエーションが増えていくのか、も注目ポイントです。
比べてみました
オイスターフレックス ブレスレットの40mmサイズ(Ref.126655)と比較してみました。2本とも、ラバーブレスレットとベゼルのマット仕上げがマッチして、歴代のヨットマスターとは異なるモダンな雰囲気。数字や目盛が光沢があり盛り上がっているヨットマスター独自のベゼルも、黒いセラミックと好相性です。
ベゼルの幅は約40.1mmと約42.3mm。厚さは約11.4mmと約11.7mmでした。厚さの差より大きさの差を感じますが、それが存在感に繋がっているようです。比べると、40mmサイズのエバーローズゴールドは華やかで、42mmのホワイトゴールドはクールで引き締まった印象となっています。
少し大きいスタイリッシュな1本
腕周り16.5cmのスタッフに、42mmと40mmの着用感を聞いてみました。「ゴールドならではの重みを感じるのですが、ラバーブレスの着用感がよく、どちらも変わらずいい着用感です。42mmは派手過ぎない質感もいいと思います。」とのこと。
今までより、少し大きいサイズ感で存在感と着用感を両立した、ラグジュアリーなスポーツ系モデルの最新形。煌びやかなホワイトゴールドとマットなブラック素材が醸し出すスタイリッシュさが魅力の1本です。