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なぜ人気?意外と知らない「ロレックスの常識」

2024-02-26 11:00

エバンス オンラインショップ担当の大貫です。

20年ほど前は「秘密主義」と言われ、公に情報は公開されない時期もあったロレックス。それでも知名度は世界一であり、時計に詳しくない方でも名前は知っていることでしょう。近年では『ロレックスは資産』という認識が広まったことで、より需要が高まり、価格高騰に拍車がかかっていますが、なぜ「長年にわたり世界的に人気なのか」ということは知られていないのではないでしょうか。

時計通では一般的なことかもしれませんが、これからロレックスを購入検討される方にぜひ知っていただきたいところです。投資目的として購入するのではなく、ロレックスのバックグラウンドを知り、実際に使用・着用する喜びを感じていただければ幸いです。

王冠マークの由来

1931年に王冠(クラウン)マークが誕生。一説には「時計界の王様」を目指す意味や「職人の手」とも言われますが、公式の理由は謎のまま。

公式に『クラウン』と呼ぶため、王冠がモチーフ。

創業はスイスではなく、イギリスのロンドン

創業者であるハンス・ウイルスドルフはドイツのバイエルン生まれ、24歳の1905年にロンドンで創業し、1919年にスイスのジュネーブ移設しています。スイスブランドには間違いないのですが、創業は英国になります。

かつては時計文化の中心だった大英帝国

業界初・世界初が意外と多い

ロレックスの三大発明「オイスターケース」、「パーペチュアル」、「デイトジャスト」は有名ですが、それ以外でも“世界初”や “業界初” が多いロレックス。以下は一例となります。

  • 日付を拡大するレンズ「サイクロップレンズ」の発明
  • 腕時計で初めてクロノメーターの認定を獲得
  • 世界で初めて水深100mの防水時計を製作
  • ヘリウムエスケープバルブの開発
  • フルスペルでの曜日表示を搭載
  • バイカラーのセラミック製ベゼルの開発
  • 耐蝕性に優れる904Lスチールを時計メーカーとして初採用
  • 人類初の音速飛行に携行
  • エベレスト初登頂に携行
ロレックスの三大発明を備える「オイスターパーペチュアル デイトジャスト」

針やインデックスはゴールド製

ゴールドモデルやコンビモデルだけでなく、ステンレス系のモデルも針や金属製のインデックスは全てゴールドを使用。審美性に加え、錆・腐食を防ぐ目的となっています。

針・インデックスのメタル部分は全てゴールド(ホワイトゴールド)製

使用するステンレスが他ブランドと違う

ハイクラスのブランドでは一般的に高品質の「316Ⅼスチール」というステンレス鋼が採用されていますが、 ロレックスでは「オイスタースチール」と呼ばれるステンレス素材を使用。自社製造のものではありませんが、316Ⅼよりも高い品質の904Ⅼスチールを採用しています。

904Lスチールは、クロム、モリブデン、銅の成分が多く、腐食や酸、錆への耐性が高い材質で、主に航空宇宙、化学産業の分野で使用されています。硬度や経年耐性はもちろん、堅牢で研磨性が高く、貴金属のような美しい光沢も特徴。ロレックスでは、一定期間保管ののち反りや錆の無いものだけを使用しているそうです。

1985年より全モデルで採用

偽造防止技術は業界トップクラス

世界的に人気のロレックス。マーケートの大きさに比例し、偽造した時計が増えるため、ロレックスでは偽造防止の技術がトップクラス。様々な部分で見ることができます。

偽造防止加工の国際保証書

モデルチェンジが少ない

一般的に5年~10年前後でモデルチェンジ、早いモデルでは2~3年で切り替わりますが、ロレックスの場合は10年~15年前後と他のブランドに比べてモデルチェンジのスパンが大きいことも特徴。長いと20年以上も生産されるモデルもあります。

逆に短い間隔でモデルチェンジとなるロレックスは希少で、後々価格高騰することもあります。

1988年から2011年まで生産されたエクスプローラーⅡ「Ref.16570」

国内定価以上のプレミア価格での流通が一般的

2019年頃まで並行輸入店において、一部のモデルは国内定価以下で購入できましたが、コロナ禍において流通量が減ったことで、ほとんどのモデルが定価以上で取引される異常事態となっています。

国内定価の改定が頻繁に行われたことで価格差は縮まりましたが、2024年2月時点では定価を上回ることが常態化しています。

依然スポーツモデルの人気は高い

ラインナップ全てが世界中で人気

ロレックスの場合、それぞれ人気の度合いはありますが、全てのモデルが人気。モデル数自体が少なく基本デザインが確立しているため、どのモデルもお勧めと言えます。

ロレックスの常識
214270-216570

アンティーク市場が業界最大

オイスターケースを持つロレックスは非常に丈夫な作りで、古いモデルも実用にに耐えうる個体が多く、日常使いができるアンティークウォッチとして人気です。

また海外オークションにおいても、最高レベルの落札価格となるモデルもあり、コレクターも多い。

1940年代のロレックス

日本は世界で3番目のマーケット

現在日本は世界で3番目マーケット。アメリカ、中国に次ぐ巨大マーケット。過去には日本限定モデルが発売されるなど、何かと優遇されている。

エクスプローラーライクな日本限定オイスターパーペチャル「116000」

限定モデルが無い

上記の「日本限定」などは存在するものの、基本的に 『世界限定〇〇本』というモデルはありません。 稀にショップ限定や記念限定といった個体が市場に出回りますが、公式ではなくカスタム品の位置づけとなります。

リアルマッコイズによる“チャック・イェーガー”限定

買取価格が高い

他のブランドに比べ、買取価格が非常に高いのも特徴。もともとロレックスの場合、高級時計としては生産量が多い方なので、中古市場でも流通数は豊富。

基本、市場在庫が多い場合は相場が下がりますが、ロレックスに限っては中古でも欲しいユーザーが多く、高い需要があります。当店においても、他のブランドと比較すると在庫の回転率も高くいため、在庫の確保が重要。そのため買取価格も高めとなります。

買取査定チェックポイント

日本製のパーツも意外と多い

有名なところでは、風防に付くレンズ部分やミルガウス用のグリーンガラス。また一部の夜光塗料で日本製のものが使用されています。

真偽不明ですが、文字盤に使用される真珠母貝(マザーオブパール)に日本産が使用されていたという話もありました。

ミルガウスの“グリーンガラス”

文字盤変更が可能

デイトジャストなど、一部のモデルに限られますが、日本ロレックスでのメンテナンス際、別の文字盤への交換が可能です。メンテナンス費用に加え、文字盤の追加費用が掛かりますが、雰囲気を大きく変えることができます。

ダイアル交換例

時計ごとのニックネームが非常に多い

熱狂的なファンが多いロレックス。ニックネームのバリエーションも豊富です。代表的なものとして一例をあげてみたいと思います。

  • ペプシ
  • コーク
  • ルートビア
  • ファットレディ
  • スターバックス
  • バットマン
  • カーミット
  • ハルク
  • ウィンブルドン
  • サンダーバード
  • バックリー
  • ワイドボーイ
  • ポールニューマン
  • ポーラー
  • キャンディ
デイトジャスト “サンダーバード”

まとめ

一例をまとめてみましたが、人気の理由の一端が見えてくると思います。

時計しては最高級というわけではなく、それでも現在に至るまで常に人気であり続けていることを考えると、更に深い理由もあるのかもしれませんね。

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