エバンスブログ

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ジャガールクルト「レベルソ」

2023-10-10 11:30

こんにちは、銀座エバンスの稲田です。
本日はジャガールクルトから「レベルソ」のご紹介です。

アントワーヌ・ルクルト

1833年、アントワーヌ・ルクルトという時計師が、スイスのジュラ山脈付近に最初の工房を開いたのがはじまりです。

時計師でもあり、発明家でもあるルクルト氏は「時を測る」という課題を自らに課し、時計の”精度”をとことん追求しました。この課題のために必要不可欠な道具である、”ミリオノメーター”という道具を発明、これはミクロン単位を測定できる史上初の計測器で、この道具のおかげで非常に小さな部品を製作することができるようになったのです。

そしてこの時代、時計製作はすべて手作業で行われていたのですが、どうしても理想の精度を出すことができず、なんとか精密部品を作成できる機械を作れないものかと考え、同氏は遂に、”カナ切削機”(時計は大小の歯車で構成されており、小さいものをカナと呼ぶ。カナは回転する輪列を支える非常に大切な部品であり、少しでも欠陥があると機構全体に影響を与えてしまう恐れがある)を発明しました。この発明によって複雑時計の精度は飛躍的に向上し、更に同じ部品が何個も作れるので、今まで手作業で行っていた時間と費用の節約にも繋がり、同社だけでなく、時計業界全体を変えることになったのです。この偉業は、ロンドン発の世界万博で金メダルを受賞しました。

「鍵なし手巻き時計」(それまでは専用の「鍵」を使用してゼンマイの巻上を行っていた)を開発したのも、アントワーヌ・ルクルトで、ブレゲ氏と同じくルクルト氏の功績がなければ腕時計の歴史はここまで進んでいなかったことでしょう。

エドモント・ジャガー

著名なフランス人時計職人であるエドモントジャガーは、パリを拠点とし、フランス海軍にクロノメーターを供給していました。1903年、自身が開発した超薄型時計のムーブメントを依頼したのが、ルクルト社(LeCoultre & Cie)でした。

そして1937年、「ジャガー・ルクルト」の名が誕生。フランスのデザインとスイスの技巧を見事に融合し、今もなお美しい作品が次々と生み出されています。アントワーヌ・ルクルトの孫、ジャック=ダヴィド・ルクルトとエドモント・ジャガー、まさに二人の出会いが時計製造の歴史に革命をもたらしたのです。

最初の世界最小の手巻きキャリバー101は、98個の部品から構成され重さはなんと約1gだそうです。その後の代表作は今回ご紹介するレベルソ、1950年にはメモボックス(ジジジジジというアラームウォッチ)、1968年にはポラリス(最初のポラリスはメモボックスを備えたダイバーズウォッチ)です。

今の主力は、”レベルソ”、”ランデヴー”、”ポラリス”、”マスターウルトラスリム”の4型です。特にランデヴー(下写真)は女性のためのコレクションで、クォーツと自動巻きがあり、ほとんどのモデルがベゼルに大粒(または小粒)のダイヤモンドがぐるり一周あしらわれています。文字盤は繊細なギョーシェまたはマザー・オブ・パールが採用されており、なんとトゥールビヨン搭載モデルもあります。

今回ご紹介するレベルソにも言えることですが、男女問わず愛されるデザインが多く、現社会の時流に沿ったモデルがたくさんあります。
200年近くの歴史を誇るジャガールクルトは、すべてが自社生産、手作業での設計、組立、全製造工程を一貫して行う数少ないマニュファクチュールなだけでなく、時代の流れに合わせた大きさやデザインを取り込むことが、スイス時計業界の先駆的な存在と評される所以なのですね。

レベルソとは

1931年、インド駐屯の英国人将校より同社に依頼された「激しい”ポロ”の試合にも耐えられる腕時計の開発」という難しい課題に挑んで設計されたモデルがレベルソのはじまりす。

「ポロ」とは、イギリスから広まった(発祥はインド)騎馬競技のことで、紀元前から続く歴史あるスポーツのことです。1チーム4人で構成され、チャッカと呼ばれる7分間、計4~6チャッカの試合が行われます。通常、1チャッカにつき一人一頭の馬(つまり二試合目には別の馬でないと出場できない)ため、一人4~10頭程の馬が必要となります。その数の馬のお世話と調教、設備がないと成り立たない、すなわち相当な資金を要するということは、富裕層であるということ、王様のスポーツと呼ばれている由縁なんですね。

レベルソの反転式ケースは、文字盤を裏返すと瞬時に裏蓋になるため、ポロ競技のスティックによる激しい衝撃に耐えることができました。このオーダーのおかげで、魅力溢れる個性的なモデルが誕生し、現在ではジャガールクルトと言えばレベルソというほど、名が知られるようになりました。アール・デコ(1920年代にヨーロッパで流行した、直線や幾何学模様、シンメトリーなパターンで構成された模様や建造物のこと)にインスピレーションを受けたゴドロン様式の模様、ケース上下の三本線は、レベルソの美しい特徴として現在でも受け継がれています。(ダイヤモンドセッティングモデルを除く)

サイズ展開は、最大で縦49.4mm×横29.9mm、最小で縦34.2×横21mmと、大き過ぎず小さ過ぎず、まさにジェンダーレスなモデル、それがレベルソなのです。

いろいろなレベルソ

現行は「レベルソ・トリビュート」、「レベルソ・クラシック」、「レベルソ・ワン」の三種類です。トリビュートは1931年に誕生した初代レベルソへのオマージュモデル、ワンはダイヤモンドセッティングモデルが多く、裏表文字盤になっているものを「デュエット」(メンズサイズは「デュオ」)、裏蓋が閉じてあるものが大きさ問わず「モノフェイス」と名付けれています。この何もないツルツルのフラットな裏蓋は、本来ポロ競技からの傷や衝撃を守るためのものだったのですが、エングレービング(彫金)を施して楽しむ人が増えています。エングレービングは、イニシャル・日付・メッセージだけでなく、パーソナライゼーションと言って写真などから自分だけの世界に一本のレベルソをオーダーすることも可能です。

一目で分かる見分け方は、文字盤のインデックスです。トリビュートがバーインデックス、ワンが可愛らしい手書きの様な筆記体アラビア数字、クラシックがゴシック体アラビア数字です。

現在エバンスには3本在庫があり、美しいメテオライト文字盤の他、珍しいアンティーク調のレディースモデル「レベルソフローラル」があります。(上下写真)裏蓋は大きなお花が3つエングレービングされており、ダイヤモンドが敷き詰められていて非常に華やかな印象でアクセサリーとしてお使いいただけます。文字盤は控えめな数字とマザーオブパールが組み合わされており、上下のダイヤモンドセッティングと少しだけ見える裏蓋のお花がなんとも可愛く、華やかさの中に奥ゆかしさも感じられる作品です。すべての女性にオススメしたい一本です。

おわりに

いかがでしたでしょうか。今回はレベルソというモデルのことだけでなく、今まで私が記事で触れていなかったジャガールクルトの歴史についてお伝えしました。

レベルソは1931年発表当時からスタイルが変わらない、流行に流されないジャガールクルトを象徴するモデルです。一生愛用できる人生のパートナーとして一本取り入れてみたいですね。

この記事を読んで気になられた方は、是非、私までお声掛け下さい。
みなさまのご来店、心よりお待ち申し上げております。

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