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買い時は、今!?デイトナ ブラウンアイ Ref.16520

2019-07-02 11:00

ブログをご覧の皆様こんにちは、銀座エバンスの福永です。
本日はデイトナのレアモデル、通称ブラウンアイをご紹介いたします。
高級時計市場において絶大な知名度・人気を誇るロレックスの中でも、デイトナはその稀少性の高さから、最も注目を集める存在であり、新品、中古、アンティークいずれも高値で取引がされています。
誰しもが認めるデイトナですが、ここ数年で特に注目を集めるモデルが通称ブラウンアイです。

Ref.16520
USED販売価格:4,980,000円(税込)

ブラウンアイと呼ばれるデイトナは、その名の通り茶色く変色したインダイヤルを持ち、変色具合で評価が異なってきます。
一般的に茶色が濃ければ濃いほど良いとされますが、一方でダイヤルの劣化が目立つものは全体のバランスを考慮した際に敬遠されるなど、判断が難しい一面もあります。
こちらの固体は、決して”濃い”と言えるブラウンではないですが、通常のカラーとは明らかに異なる色味と雰囲気を持ち合わせています。また、弊社で2019年6月にオーバーホールを行っておりますので、内部のコンディションも整い快適にご使用いただけます。
なお、ブラウンアイが確認されるデイトナはRef.16520ブラックダイヤルに限られ、製造年代は1993年~97年、シリアルナンバーで言うとS,W,T,U番が該当し、S,W番に比較的多く見られます。
ブラウンアイに変化する条件としては、当時使われていた塗料の性質や、紫外線により塗布されたニスが酸化した為など諸説あります。

また、ブラウンアイは別名パトリッツィダイヤルとも呼ばれますが、これはアンティコルムの創業者であり、世界的な時計研究家として知られるオズワルド・パトリッツィ氏が2005年に記したレポートに端を発します。
当時のレポートでは1993年~95年のRef.16520にブラウンチェンジが発生するとされており、厳密に捉えるならばシリアルナンバーはS,W番の固体限定となり、以降の年代やシリアルナンバーは該当しない事になりますが、実際にブラウンチェンジが現れた固体は広義においてパトリッツィダイヤルと呼ばれることがあります。

ダイヤルの経年変化や細かな仕様の違いは、デイトナをはじめロレックスの高い人気を支える要因として、年々その価値を高めてきています。
デイトナを含めたプロフェッショナルモデル、所謂スポーツロレックスは秀でた性能に加え、普遍的なデザインを持ち合わせています。
また、モデルサイクルが長いことに加え、モデルチェンジを行ってもデイトナはデイトナであり続けるスタンス、その徹底こそがロレックスが長年に渡り支持され大きなマーケットを形成するに至っています。

上記のような理由を元に、同一リファレンスであっても製造年代により仕様に差異が生まれ、後年それらが評価基準として確立されてきます。
ことデイトナに関しては人気の高さ故にその傾向が最も強く、Ref.16520においてはブラウンアイの他にも、ベゼルの200タキメーターや書体の違い、ダイヤルテキストの段落ちや逆6、フラッシュフィット構造、夜光塗料の種類など実に様々な仕様がありますが、多くで重視されるべきは特徴的な形状、即ち生産当時から備わっていたものと言えます。
一方でブラウンアイは、時の流れや一定の外的要因が作用し生み出される、言わば偶発的なレア要素となります。
これはパーツ収集による再現や交換が困難であり、本来画一的であるはずの工業製品の中に、一回性を求める古典的な芸術的要素が見出された結果と言えます。
その一点ものと言える希少性に多くの愛好家が心躍らせ、そして相場が形成され発展を遂げて来ました。

レアモデルであればその付属品にも注目が集まるところです。
今回ご紹介の固体においては、国際保証書、外箱、内箱、パスケース、カレンダー、冊子2冊、ベゼルカバー、クロノメータータグが揃っています。
生憎グリーンタグはありませんが、なかなか充実かつコンディションの良い付属品の数々です。

加えて外箱の管理シールはリファレンスと合致し、米国出荷固体であったことから、デイトナの冊子はROLEX WATCH USA,Inc.扱い品かつ、印刷年も1998年と製造年代に近しいものが付属します。
状態の良い個体を求めるのならば、付属品にまで拘わりたいという、コレクター心をくすぐる一式であると言えます。

十年一昔という言葉がありますが、高級時計市場においては価格相場の上昇、購入者の国籍や年齢など、僅か数年で大きな変化を遂げています。
”爆買い”というキーワードで世間に浸透した、中国人観光客による旺盛な買物の様子は記憶に新しいですが、当時は比較的年齢が高い方の購入が多く見られました。
また需要のあるモデルはロレックスであれば、デイトジャストやデイデイトなどの新品を好まれ、他ブランドではIWCやオメガ、ジャガールクルト、パテックフィリップ、ヴァシュロンコンスタンタンなどのシンプルなラウンドケースに人気が見られました。
その後、”爆買い”というキーワードは息を潜めましたが、インバウンド需要は引き続き見られ、最近では中国に加えタイやフィリピン、インドネシアなどの東南アジア諸国の比較的若い年齢の方々が多く、また購入モデルも新品だけではなく、中古やアンティークなど、希少性という点において価値あるモデルへの関心の高まりを強く感じます。

市場が拡大成熟しユーザーの見識が広がることで、価値あるものがフラットで正当な評価を獲得していくなか、今回ご紹介のRef.16520ブラウンアイもまた将来の展望が楽しみな一本ではないでしょうか。
時計購入のタイミングに絶対はありませんが、こと希少性の高いモデルであったり、今後の展望が期待できるモデルであれば、コンディション重視、納得できる価格であれば、それが絶好の購入チャンスとなると思われます。良い個体はとの出会いは意外にも少ないもの、ぜひ時計との出会いを楽しみ、じっくりご検討下さい。

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