レベルソ 独創的な反転ケース
2022-02-01 11:30
「ジャガー・ルクルト」の代表作である「レベルソ」シリーズの中から「レベルソ スクアドラ ホームタイム」 のご案内です。
「レベルソ」シリーズは反転するケースが標準仕様となっていますが、何故このような複雑な構造となっているのか、本日はそのきっかけ等も含めてお話させて頂きます。
ジャガー・ルクルト
「ジャガー・ルクルト」とは、1833年に創設者アントワーヌ・ルクルトによって、スイスのル・サンティエ に工房が設立された老舗時計メーカーです。
自社で時計の設計、製造が出来るマニュファクチュールの1つとして有名ですね。その信頼度は高く、様々なメーカーにムーブメントを提供してきました。
また、懐中時計用の超薄型ムーブメントや、気温差を利用して半永久的に動く置時計などの開発を行って、数多くの傑作を生み出しました。その中の1つが「レベルソ」です。
「レベルソ」は1931年の発表以来、バリエーションが増え続けている大ヒットシリーズとなり、現在ではジャガー・ルクルトの顔として多くの時計ファンを魅了しています。
レベルソの開発
「レベルソ」の誕生には、過去にオリンピックの正式種目であった伝統的なスポーツである『ポロ』という競技が関係してきます。
競技内容は、馬上でスティックを使用し、相手チームへとボールを運んで得点を競い合うゲームです。
時にはその激しさから、身に着けている腕時計の風防が破損してしまうことがある為、「ポロ競技中に風防が割れない腕時計を作成して欲しい」という競技者からの相談が、「レベルソ」開発のきっかけとなったそうです。
「レベルソ」という意味はラテン語で回転するという意味ですが、その名の通り風防を保護する為にケースが反転することが、こちらのシリーズの最大の特徴となっています。
左の画像のように、ケースのみを土台と水平にスライドさせてから反転させます。
この独創的なデザインは、自社一貫生産可能であるジャガー・ルクルト社の強みですね。
レベルソ スクアドラ ホームタイム
それでは、「レベルソ スクアドラ ホームタイム」のご案内です。こちらは、レベルソから派生したシリーズの「デュアルタイム」付きになります。発表は2006年、レベルソ75周年を迎えた年でした。
大きな特徴は、従来 (一般的に縦長) のレベルソのような、ハッキリとした長方形ではなく正方形に近い形状と、存在感のあるサイズ (性能によって異なります) ですね。
縦長のレベルソに見慣れてしまった為、こちらのモデルを見た時のインパクトは強く印象に残っています。
また、「デュアルタイム」機能を搭載しながらも、文字盤はスッキリとして視認性抜群です。カジュアルからビジネスまで幅広いシーンで活躍すること間違いモデルですね。ボリュームは欲しいけど、エレガントな腕時計をお探しの方には大変お勧めです。
デュアルタイムとは
「デュアルタイム」とは、2つの異なるエリアの時刻を同時に表すことができる機能のことです。モデルによってその表示方法は様々ですが、こちらの場合は通常の短針とその下に重なっている中空の針でそれぞれの時刻を表します。
操作方法はシンプルです。リューズを軽く1段引いてから短針を時計回り、または反時計回りに動かして、旅行先の現地時間(ローカルタイム)に合わせます。その際、真下に隠れていた中空の短針は動かずに元の時刻(ホームタイム)を指したままとなっている為、同時に2つの異なるエリアの時刻を確認することが出来ます。
ちなみに、文字盤上の9時位置に配されたAM/PM(午前/午後)表示は、旅行先のローカルタイムに連動し、日付はホームタイムに連動しております。尚、日付を変更する場合は、リューズを軽く1段引いてから短針を時計回り、または反時計回りに2周分動かすことが必要です。ご注意下さい。
その他のスクアドラ
スクアドラシリーズには、ホームタイム以外にも下の画像のようなレディスやクロノグラフGMTなどバリエーションは豊富でした。裏側に都市名が表示されているワールドクロノグラフという複雑なモデルも存在しました。
まとめ
レベルソ誕生のきっかけはポロ競技ですが、その他にもモータースポーツやマリンスポーツなど様々なコンセプトで製造されてきた腕時計は多数ございます。
気になった腕時計と出会ったら、そのモデルの歴史など色々調べてみるのはいかがでしょうか。より一層の興味が深まるかもしれませんね。
また、角形の腕時計は中々選択肢が少ないので、お勧めのモデルが入荷しましたら今後もご案内させて頂きます。皆様の腕時計選びのご参考になれば幸いです。