渋くていい感じ。「ZENITH(ゼニス) ヘリテージ クロノメトロ TIPO CP-2」03.2240.4069/21.C774(2016年1000本復刻限定) 2021年8月16日
2021-08-16 10:30
今回のエバンスブログは「ZENITH(ゼニス) ヘリテージ クロノメトロ TIPO CP-2 Ref.03.2240.4069/21.C774」のユーズドウォッチをご紹介します。2016年の限定1000本モデルで、1960年代ミリタリークロノグラフの復刻版です。
今回の時計の概要
(■今回の1本:ZENITH(ゼニス) ヘリテージ クロノメトロ TIPO CP-2 03.2240.4069/21.C774 ■裏蓋はオリジナルに準じたステンレス製、ベルトの留め金にゼニスのスターマークが入る)
こちらの「ヘリテージ クロノメトロ TIPO CP-2」は、イタリア軍向けウォッチの復刻版。オリジナルは「カイレリ」モデルとも呼ばれ、ゼニスのヴィンテージウォッチの中でも知名度が高く人気のモデルです。こちらの復刻モデルのムーブメントは、オリジナルとは異なる自動巻きで、名機「エル・プリメロ」を新たに搭載しています。
オリジナルCP-2【カイレリモデル】
(■1960年代のオリジナル ”カイレリ”モデル クロノメトロ TIPO CP-2、43mmケースに2つ目クロノ。ムーブメントは手巻き。ダイアル6時上に「A.CAIRELLI ROMA」の文字が入る。 ■裏面のA.M.I.(Aeronautica Militare Italian=イタリア空軍)の刻印が軍に納品された個体であることを示す 出典:HODINKEE Shop (https://shop.hodinkee.com/products/1960s-military-zenith-cairelli?variant=20394728452))
今回の時計のオリジナルとなる、クロノメトロ TIPO CP-2は、イタリア空軍/海軍向けに開発されたクロノグラフウォッチ。TIPOはタイプ、CP-2は腕時計の2番目を意味します。
イタリア軍からオーダーを受けたローマの納入業者「カイレリ」社が、ゼニスに依頼して作った時計で、文字盤の6時位置に「A.CAIRELLI ROMA」の文字が入ります。
カイレリ社の名前が入った軍用時計としては、レオニダス社(現在はタグ・ホイヤー)やユニバーサルジュネーブ社の時計も存在していたようです。
オリジナルのクロノメトロ TIPO CP2は、1960年代から1970年代の約10年間に約2,500本が作られ、その一部は軍に納品されず、一般市場で販売されていたようです。インダイアルは2つで、ムーブメントは手巻きのキャリバー146を搭載しています。裏蓋にはモデル名や軍用である事を示す刻印が入ります。
このオリジナルのクロノメトロ TIPO CP-2モデルは、ゼニスの「カイレリ」モデルとして、ヴィンテージ市場でも人気の高い時計として知られています。
今回の復刻CP-2【2016年限定】
(今回の2016年限定モデル。オリジナルと同じ大きさで、デザインも忠実に踏襲。ムーブメントが自動巻きのエル・プリメロになったこともあり、ダイアル6時位置の文字が「AUTOMATIC」に変わっている)
では、今回の2016年復刻限定のクロノメトロ TIPO CP-2を見ていきましょう。
サイズはオリジナルと同じ43mm径、リューズガードのないクラシカルなデザインです。文字の形など若干オリジナルと異なる部分がありますが、大きくは変わりません。
インダイアルは、3時位置がクロノ30分計、9時位置がスモールセコンドの2つ目配置。日付表示も排し、軍用モデルに由来する視認性の高さとシンプルな美しさを両立しています。
厚さは約13mm、重さは約102gで、大きすぎず重すぎないサイズ感となっています。ベゼルはパイロットウォッチでよく見られる両回転式で、ベゼルプレートはアルミ製となっています。
(■裏面には限定番号(XXXX/1000)も入る ■ベルトは両開きのバックル式)
裏蓋はステンレス製でオリジナルを踏襲、モデル名・型番・シリアル番号と限定ナンバーが入っています。ベルトは両開き式のバックルタイプで日常の使いやすさにも配慮しています。
ムーブメントは、オリジナルで使われた手巻きはでなく、自動巻きクロノグラフの名機「エル・プリメロ※」を搭載します。(※エル・プリメロの概略はこちらの過去ブログからどうぞ。)
ゼニスといえば、文字盤の一部をオープン化したり、シースルーの裏蓋でムーブメントを積極的に見せる印象がありますが、このモデルではそれをやっていません。オリジナルを重んじるという、ゼニスらしくない潔さが、この復刻限定モデルの魅力を増しているような気がします。
復刻CP-2 第2弾【2018年モデル】
(ゼニス2019カタログから ■左:ステンレス素材(11.2240.405/21.C773) 右:ブロンズ素材(29.2240.405/18.C801) ■ステンレスモデルを拡大で。文字盤がグラデーションで、ケースにエイジング加工が施され、より精悍な印象に。ダイアル6時位置は「FLYBACK」に変更されている)
この復刻版クロノメトロ TIPO CP-2は、2018年に通常モデル※が登場しています(現在は生産終了)。2016年限定モデルと同じデザインに、エイジング仕上げが施され、ヴィンテージ感のある人気モデルでした。(※ ステンレス、ブロンズの各素材が存在)
さらに、こちらはエル・プリメロムーブメントを見ることができる「シースルーバック」仕様で、ワンプッシュでクロノグラフをリスタートできる「フライバック」機能を搭載した1本でした。
ゼニスの復刻版クロノメトロ TIPO CP-2というと、ダイアル6時位置に「FLYBACK」の文字が入った、こちらの2018年版モデルを思い出される方も多いと思います。
渋くていい感じの復刻限定です。
(■手首回り16.5cmのスタッフが腕に乗せてみました。 ■夜光も明るく、暗所での視認性も十分)
ムーブメントが見えない、グラデーション文字盤でない、2016年復刻限定版のクロノメトロ TIPO CP-2。ゼニスらしからぬ仕立てで、人気じゃないほう、かもしれませんが、オリジナルモデルの魅力を忠実に引き継いだ、渋くていい感じの1本と言えそうです。
なにより、裏蓋に「XXXX/1000」の限定番号が刻まれているのは、なにげに特別感があっていいですね。
→ZENITH(ゼニス)「ヘリテージ クロノメトロ TIPO CP-2 (USED)」
Ref.03.2240.4069/21.C774 (SOLD OUT)
(2016年限定1000本、自動巻き(エル・プリメロ4069)、パワーリザーブ約50時間、100m防水)