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「今、注目を集めるブロンズ時計、その魅力とは?」

2020-12-08 11:00

高級腕時計は男性の身につけるアイテムとして注目されることも多く、特別な存在とも言えるアイテムです。
時計選びには様々なポイントがありますが、そのひとつに素材があげられます。定番とも言えるステンレス、軽量かつ高い強度を持つチタン、華やかなゴールド、美しく耐傷性にも優れたセラミックなどがありますが、今回は時計素材として、近年注目を浴びるブロンズについてご紹介いたします。

高級時計市場を見渡すと、メーカー各社が腕時計の機能やサイズだけでなく、素材にも特徴を持たせようと注力している様子が見えてきます。

これまであまりブロンズ素材に着目してこなかった方や、これから時計選びを始めようという方。また、ブロンズ時計を検討している方にもぜひ御一読頂ければ幸いです。

ブロンズとは

ブロンズとは銅合金ベースに錫(スズ)を混ぜている金属であり、青銅(せいどう)と呼ばれます。
銅と錫、そのほか亜鉛と鉛の四元素を主体とした合金となります。皆様がよく目にするものですと10円玉や銅像がブロンズですね。

ブロンズの見た目と言うのは、合金の素材や割合によっても変化します。

ブロンズの魅力~エイジング~

ブロンズ素材の一番の魅力。それは「エイジング」です。エイジングとは「年をとること」「時を経ること」との意味があります。時を経て経年変化を起こすことにより、時計が味わい深くなっていくことを愉しむのです。

エイジングの例ですと、日常でよく目にする10円玉があります。普段手元にあるものですと変色を起こしているものが多く、キラキラと輝く10円玉はたまに目にするくらいでしょうか。

10円玉は95%の銅と、亜鉛と錫が5%という金属の割合で出来ています。新しいうちはピカピカの10円玉ですが、年月を経るにしたがってくすんだ茶色となります。これは10円玉の銅が、酸素と結びつき酸化を起こす為このような現象が起きるのですね。

つまり、これがブロンズケースを使用した時計の特徴になるのです。では次から見ていきましょう。

最初はブロンズケースはゴールド素材のように綺麗な輝きを放ちます。時を経て使い込むほどにブロンズケースに錆や黒ずみが起き、エイジングしていきます。

金属としての色は赤褐色が特徴であり、経年と共に色合いの変化を起こします。

例:赤褐色→褐色→暗褐色→黒褐色→緑青色

このように段階を経て赤褐色から最終的に緑青色になっていきます。銅像が錆びて青く変色している色ですね。代表的な物ですと自由の女神像が有名です。

合わせる錫の量によっても色味が変化し、錫の量が少ないと10円玉のような赤褐色になり、配合量が多いと黄金色になると言う風に変化を起こします。錫の量が一定以上になると白銀色になります。

使い込むほどに味を増してくるブロンズケース。人生を歩む時間と共にエイジングし、深みが増していきます。

ステンレスやゴールドなどの素材は見た目の美しさや耐久性、防錆性に優れていますが、経年による変化は楽しめません。その為、エイジングをお楽しみいただくにはブロンズがおすすめになるのです。

時を刻み年齢を重ねていくうちにブロンズケースの時計もエイジングし、自分だけの個体となるわけです。

ブロンズケース

今でこそブロンズケースは時計界において確立されたジャンルとして取り上げられてきていますが、少し前までは全然身近ではなかったように思います。

では何故ここまで取り上げられるかに至ったかと言うと、腕時計の楽しみ方としてエイジングという概念が浸透してきたこともあるでしょう。

以前からヴィンテージ愛好家などの間では、腕時計の経年変化を愉しむということがありました。インデックスの焼けや文字盤の変化を愉しんだりと、親しまれてきたのです。これと同じこと(経年変化)がブロンズの時計にも見られる為、近年では各メーカーがブロンズ素材を積極的に取り入れています。

時計を自分だけの色に染め上げていく。そこに価値を見出していくのですね。

ブロンズ素材の腕時計

ここでブロンズ素材を使った時計を紹介致します。

①パネライ Ref.PAM00968

先ずはブロンズケースの火付け役とも言えるブランドのパネライから、サブマーシブルのRef.PAM00968です。

こちらは4代目にあたるブロンズモデルのサブマーシブルです。2019年発表モデルであり、世界限定1000本モデルです。

深いブラウンの文字盤が美しく、全体をブラウンでまとめあげています。このデカ厚のケースがエイジングし、サビが出てくると軍用時計に味わいがプラスされ、渋さが増してきます。

ムーブメントはツインバレル式になっており、パワーリザーブは3日間程あります。裏蓋や尾錠にはチタン素材が使われており、金属アレルギーを持つ人でも安心できるようにされています。

②パネライ Ref.PAM00671

こちらは3代目にあたるサブマーシブル ブロンゾです。初代と2代目が文字盤にグリーンを採用していましたが、3代目はブルーです。

落ち着いたブルーの色味で、ブロンズケースによく合います。上記のRef.PAM00968も同様ですが、ケースサイズが47mmと大きい為、非常に重量感があります。

まさにデカ厚の無骨な腕時計です。温かみのある色を保ちながら自然と変化していくプロセスはオーナー様の所有欲を刺激してくれることでしょう。

③フランクミュラー ヴァンガード Ref.V45SCDTCIR

続いてはフランクミュラーから、ヴァンガードのブロンズ仕様です。日本未発売モデルです。

こちらのモデルの特徴は、ストラップをケースと一体させラグを無くした構造にあり、立体感あるトノー型フォルムの美しさを、一層引き立てています。

また、文字盤に関しては数字が特徴的です。ヴァンガードの為にデザインされた立体的なアラビア数字が印象に残りますね。

④チューダー ブラックベイ Ref.79250BA


チューダーからブラックベイのブロンズモデルRef.79250BAです。こちらはチューダーファンのみならず、多くの時計ファンからも評価の高いモデルですね。

ブロンズケースにスレートグレーのグラデーション文字盤がよく合います。

ダイバーズウォッチスタイルにブロンズケースがよく合うことを証明した一本です。価格帯も控えめな設定で、実用時計としては見事な一本であると言えます。

世界でただ1つの腕時計

ブロンズの特徴としてエイジングを挙げましたが、この特徴こそが時計ファンの心を揺さぶっているのです。自分だけの特徴のある時計を持ちたいと、時計好きは一度は思うはずです。

あえてエイジングをさせることに意味を見出し、ブロンズケースを使い続けることによって得られる奥深さは、他の素材にはない大きな魅力となります。

人はそれぞれ、生活環境や過ごし方が違います。その中で生みだされるエイジングは個々に異なり、特徴を持つことになります。
つまり世界に1つだけの自分好みの時計が生み出せるということなのです。

まとめ

ブロンズケースの面白さはお分かりいただけましたでしょうか。腕時計は男女問わず、日常で使用する大切なアイテムとなります。

使用したり収集するだけでは物足りず、ヴィンテージ愛好家のような方たちも存在するほどです。ただ使用するだけでなく、経年変化の過程を見ていくこともブロンズケースを持つことの意味に繋がるのではないかと思います。

人が時を経て変化するように、ブロンズ時計も同じく経年変化が起き、様々な味わいが生まれていきます。

皆様もブロンズ時計を手にすることで、エイジングの奥深さを体験してみてはいかがでしょうか。


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