エバンス オンラインショップ担当の大貫です。経済の先行き不安から金価格が高騰している昨今、連日最高値を伝えるニュースが賑わっていますが、ゴールドに劣らず、実はロレックスも価格が高騰している商材となっています。
特にロレックスの人気ナンバー1である「デイトナ」の価格は、コロナ流行前よりも大きく上昇しており。“ロレックスバブル”とも言われる状況となっています。
理由としては、コロナ禍において海外からの輸入が難しく、国内ブティックや正規店は元より、並行輸入店でも入荷が困難な状況が続き、需要に比べ供給が追い付いていないため、価格がどんどん上がっています。
現在のデイトナ・ステンレスの市場相場
デイトナの中でも特に人気のモデルは『ステンレス製の白文字盤(型番:116500LN)』。国内定価は税込みで【1,387,100円】。これでも時計としては超高級品と言えますが、2020年7月31日現在、新品での市場相場は、なんと300万円を超える価格になっています。また中古品においても280~300万円での取引となっていますので、ロレックスの中でも破格の人気を誇ります。
デイトナの歴史
1959年「デイトナ・インターナショナル・スピードウェイ」がフロリダにオープンし、オフィシャルタイムピースをロレックスが長年務めたことで関係が深まり、1963年、当時のクロノグラフモデル「コスモグラフ」に、”デイトナ”の名を冠したレース用モデル「コスモグラフ デイトナ」が誕生しました。
モータースポーツ用として開発されたデイトナは、不要な日付機能はなく、時間経過を見るためのストップウォッチ機能や積算計付きの文字盤、速度計測用のタキメーターベゼルが特徴。当時は『小型&薄型』が主流だったため、厚くて大きいデイトナは、あまり人気がなかったようです。
1988年までは手巻きムーブメントを採用し、1988年~2000年の間はゼニス社製自動巻ムーブメント「エル・プリメロ」をベースに製造されてきました。2000年にロレックス初の自社設計クロノグラフムーブメントとなり、20年以上ムーブメントは変更されていません。
デイトナが人気の理由
デイトナの人気が出てきたのは1990代後半。1988年に自動巻へモデルチェンジをする際、生産終了の手巻きモデルがイタリアで人気になり、その後に日本での機械式ブームを経て、現在まで価格が高騰し続けています。当時は日本への割り当てが少なく、正規店に並ぶことがほとんどなかったことも人気の一因となり、並行輸入市場でプレミア価格になっていきました。
その後も波はあるものの、定価を下回ることはほとんどなく、実勢売価は上昇の一途。生産終了となった旧モデルに関しても軒並み高騰し、手巻きモデルのヴィンテージ品に至っては、1000万円を超える価格の個体まで存在します。
金無垢やコンビも人気
デイトナには、ゴールド素材のモデルやステンレス&ゴールドを組み合わせたコンビモデルなどバリーションがあり、いずれも人気で国内定価を超える相場になります。ただ圧倒的にステンレスモデルが人気です。
現行デイトは『ホワイト』が人気
過去のデイトナではブラック文字盤が人気でしたが。現行モデル(Ref.116500LN)では白文字盤の価格が高騰しています。ベゼルがブラックセラミックとなっている為、そのコントラスによりホワイト文字盤が人気になっているようです。白文字盤と黒文字盤では、およそ20万円の価格差があります。
昔のロレックスを知る方では、「文字盤交換」を考える所ですが、なぜかステンレス・デイトナでは文字盤交換は不可。現時点では文字盤交換はできないモデルになります。
“デイトナマラソン”とは
国内代理店ではショップにもよりますが、1カ月で1~3本が入荷するといった情報もあり、入荷のタイミングによっては購入することが出来ます。定価で買いたい方がデイトナを探して代理店を何日もかけて何件もハシゴする、いわゆる「デイトナ・マラソン」は有名です。
デイトナの買取価格は日々上昇
非常に高値となっている「デイトナ」。買取価格も日に日に上昇しており、2020年7月31日の弊社買取価格は中古品として、最大で【2,700,000円】。もし“未使用”(3カ月以内の保証書の場合)なら【2,780,000円】と、国内定価 (1,387,100円)を大きく超えます。
投資や投機目的としてのデイトナ
上記の様にデイトナ(116500LN)の場合、「販売価格」と「買取価格」差はほとんどありません。実勢価格が上がるにつれて買取価格も変動しますので、少しの値上がりで購入した時よりも高値で売却が可能となる場合があります。
このように『投機』として、または目減りが少ない『資産』として購入される方もおり、株式投資のような側面もあるデイトナ。株やゴールドインゴットと違い実用的な資産として注目されてきています。