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測る,計る,知る。腕時計のベゼルや目盛の機能とは?2020年5月18日

2020-05-18 10:30

今回のエバンスブログは、腕時計のベゼルや目盛について。ロレックスなど、腕時計の主要パーツであるベゼル、特に、タキメーターや逆回転防止ベゼルなど、目盛や数字が入ったものにスポットを当てご紹介します。

 

ベゼル(bezel)とは?

ロレックス エクスプローラーI 114270左上の部品がベゼル

(ロレックス エクスプローラーI Ref.114270のベゼル。1枚目の写真では矢印の部分、2枚目の写真では左上のパーツ)

「枠」や「額縁」といった意味をもつ「ベゼル」。風防を保護するパーツです。最近のスマートフォンやモニターでは、画面の割合を大きく、縁を小さくする「ベゼルレス」で、存在感をなくす方向のようですが、腕時計においては、装飾が施されたり、目盛や数字など便利な機能を持っていて、時計を特徴付ける重要なパーツの一つです。

 

動作で分類

腕時計のベゼルには、固定されているもの、回転するものなどがあります。ロレックスでは切替スイッチ的な動きをするものもあります。

1、固定ベゼル

ロレックス デイトナオメガ コンステレーションロレックス デイトジャストウブロ クラシックフュージョン

(ロレックス デイトナ Ref.116503、オメガ コンステレーション、ロレックス デイトジャスト、ウブロ クラシックフュージョン)

回転しないベゼル。クロノグラフ系モデルのタキメーターベゼルやドレス系のモデルなどで見られます。独自のフォルムを持ったモデルや宝石等が埋め込まれているモデルもあります。
(ROLEX デイトナ、OMEGA スピードマスター、ROLEX デイトジャストなど)

2、回転ベゼル

ロレックス ヨットマスターロレックス GMTマスターロレックス サンダーバードブレゲ タイプXXI

ロレックス ヨットマスターロレックス GMTマスターII Ref.16710 1993年頃品、現行モデルには存在しない回転ベゼルのロレックス デイトジャストブレゲ タイプXXI

左右両方向に回転するベゼル。GMTモデルや航空計算尺の時計、マリン系の一部モデルなどで見られます。
(ROLEX GMTマスター、ROLEX ヨットマスター、BREITLING ナビタイマーなど)

3、逆回転防止ベゼル

ロレックス シードゥエラー4000パネライ サブマーシブル42シャネル J12クロノグラフタグホイヤー アクアレーサー

(ロレックス 先代 シードゥエラー4000 Ref.116600パネライ サブマーシブルシャネル J12タグホイヤー アクアレーサー

反時計周りにのみ回転するベゼル。ダイバーズウォッチに多く見られます。
(ROLEX サブマリーナ、OMEGA シーマスターなど)

4、リングコマンドベゼル

ヨットマスターII ベゼルの役割スカイドゥエラー ベゼルの役割

ロレックス ヨットマスターIIロレックス スカイドゥエラーにおけるコマンドベゼルの役割、)

操作機能を持ったベゼル。モード切替などスイッチ的な使い方をします。スカイドゥエラーにおいては3つの役割を持ちます。
(ROLEX ヨットマスターII、ROLEX スカイドゥエラー)

 

装飾で分類

固定ベゼルに多いのが、独特な装飾が施されたもの。宝石が埋め込まれていたり、形状に趣向を凝らし、独自の輝きや存在感を加えています。クルー・ド・パリ装飾など、一部には熟練職人の手作業による細密な加工が施され、時計の存在感を高めています。

ロレックス エクスプローラーIロレックス デイトジャスト41ロレックス GMTマスターロレックス デイトナ

(ベゼルもシンプルなロレックス エクスプローラーI、ロレックスに特徴的な「フルーテッドベゼル」のロレックス デイトジャスト41、ダイヤモンド・サファイア・ルビーが埋め込まれた宝飾系ベゼルのロレックス GMTマスター、イエローサファイアをベゼルに敷き詰めたロレックス デイトナ “レパード”)

ロレックス チェリーニパテックフィリップ カラトラバヴァシュロンコンスタンタン オーバーシーズ クロノオ―デマピゲ ロイヤルオーク

(コインエッジとスムースの2種類のベゼルが重なったようなフォルムのロレックス チェリーニ、繊細な「クルー・ド・パリ」彫刻が施されたパテックフィリップ カラトラバ、「マルタ十字」を模したベゼル形状のヴァシュロンコンスタンタン オーバーシーズ クロノ、船の窓から着想されたベゼルのオ―デマピゲ ロイヤルオーク)

 

数字や目盛で分類

目盛や数字が入ることで、特定の測定に役立つ場合があります。タキメーターのように固定ベゼルで測定するものや、ダイバーズウォッチのように回転ベゼルで測定するものがあります。

1、速さを測る~タキメーター (tachymeter)

ロレックス デイトナオメガ スピードマスターオ―デマピゲ オフショアクロノタグホイヤー カレラ

ロレックス デイトナは60~400刻み、オメガ スピードマスターは60~500刻み、オ―デマピゲ オフショアクロノの一部モデルは600までの目盛、タグホイヤー カレラは60~400刻み)

(ロレックス エクスプローラーI、ロレックス デイトジャスト41、ロレックス GMTマスター、ロレックス デイトナ)

ストップウォッチ(時間計測)機能を搭載した、クロノグラフモデルに一般的な固定ベゼル(目盛)がタキメーター。時速などを測ることができる1種の計算尺で、生産率の計算等にも使えます。「tachy」は「速い」を表します。1,000mを何秒で走ったかによって平均時速を算出。ロレックス デイトナの場合 時速60km~400km、オメガ スピードマスターの場合 時速60km~500kmが測定できます。また、2重の目盛を備えて時速60㎞以下も測れるモデルもあるようです。
ちなみにタコメーター(tachometer)は自動車の回転計。タキメーターとは無関係です。

2、心拍数を測る~パルスメーター (pulse meter)

オメガ スピードマスターベル&ロス V2-94

(パルスメーター目盛りが刻まれたオメガ スピードマスターCK2998とベル&ロス V2-94

クロノグラフモデルの固定ベゼル(目盛)の一種。脈拍数を測ることができる1種の計算尺です。脈拍15回または30回にかかった時間を測定することで、1分あたりの脈拍が分かるというもの。

他に、クロノグラフ系の目盛としては、テレメーター(telemeter 光と音の速度差で距離を割り出す)、デシマルメーター(decimalmeter 1分を100分割)も存在します。(下写真)

ロレックス オイスタークロノブライトリング モンブリラン

(タキメーターの内側に水色目盛「テレメーター」を備えた1950年代のロレックス オイスタークロノRef.6234、文字盤中央に赤い目盛「デシマルメーター」を備えたブライトリング モンブリラン)

3、時間を計る~カウントアップタイマー (count up timer)

ロレックス サブマリーナオメガ シーマスター ダイバー300iwc アクアタイマーロンジン レジェンドダイバー

ロレックス サブマリーナオメガ シーマスター ダイバー300、独自の逆回転防止アウター/インナーベゼルを備えたIWC アクアタイマーの現行型、インナーベゼル(両方向回転)のロンジン レジェンドダイバー)

ダイビングウォッチに付く5分おきの目盛。時計回りに5~55を表す数字や目盛が入ります。▼印を現在の時間に合わせ、現在からの経過時間を計ります。反時計回りだけに動く逆回転防止ベゼル※を備え、0~15分だけに分目盛を備えたものが多いのは、ダイビング時の事故を防ぐ意味と、酸素ボンベの容量の関係で、特に15分までが重要ということのようです。

ちなみに、sinn(ジン)などパイロット系のモデルで、逆の反時計回りに数字が配された「カウントダウンタイマー」も存在します。こちらは両方向回転ベゼルであることが多く、残り時間を把握する用途で使われます。残り10分を測りたい場合は、10を現在の分針に合わせます。

ジン 103.B.SA.AUTO

(ベゼルの数字が反時計回りに増えていく「カウントダウンベゼル」を備えたsinn(ジン) 103.B.SA.AUTO)

※ISOやJISなどの工業規格で、逆回転ベゼルはダイバーズウォッチの要件の一つとして上げられていますが、インナーベゼルのモデルなど、両方向回転ベゼルの海向けモデルも存在します。

4、世界の時間を知る~GMT

ロレックス GMTマスタータグホイヤー アクアレーサーカルティエ パシャCルイヴィトン タンブール

ロレックス GMTマスター、回転ベゼルのタグホイヤー アクアレーサー GMT、固定ベゼルのカルティエ パシャC メリディアン、文字盤の外周に24時間目盛が入ったルイヴィトン タンブールGMT

24時間で1周する「24時間(GMT※)」針と「24時間ベゼル(目盛)」で、複数地点の時間を知れるのがGMT機能を備えたモデル。
ロレックス GMTマスター(I)は、「時針と連動した24時間針」と「24時間表示の回転ベゼル」の組み合わせで2カ所の時間を知ることができました。GMTマスターIIで、24時間針が時針と独立して設定できるようになり、3カ所の時間を知ることができるようになりました。

ちなみに、ロレックス エクスプローラーIIは、24時間表示の固定ベゼルと24時間針を備えますが、初期モデル(1655)は、24時間針と時針を独立して設定できず、1か所の時間だけを表示する仕様でした。これは、洞窟などの「暗所で現在時間を24時間表示で知ること」が元々の目的だったためだとか。現在は時針と24時間針をずらすことができ、2カ所の時間を知ることが可能です。

また、文字盤に時差に合わせた地名の表示と、24時間で1周する1~24の数字が入ったディスクによって、世界各地の時間を知ることができる「ワールドタイム」機能を備えた時計も存在します。(下写真)

パテックフィリップワールドタイムルイヴィトン エスカル

(ワールドタイム機能を備えたモデルの例:パテックフィリップ ワールドタイム 5110P、ルイヴィトン エスカル

※一般的に「GMT」は世界基準の一つである「グリニッジ標準時(Greenwich Mean Time)」のことを示します。

5、飛行計器として~回転計算尺 (slide rule)

ブライトリング ナビタイマーブライトリング ナビタイマー

ブライトリング ナビタイマーと付属の紙製回転計算尺。外周のリングが両方向に回転。このモデルでは内周のさらに内側にタキメーター目盛が入っています。)

ブライトリングのナビタイマーなどで見られるのが航空用計算尺。回転する外周と内周の数字の組み合わせで、掛け算、割り算から、飛行機の速度、距離、到達時間など航行に必要な各種計算を可能にしたものです。機内にハイテク計器がなかった時代に、腕に着ける計器として活躍していました。ナビタイマーでは、タイプ52と呼ばれる、1952年頃に開発された航空計算尺が使用されています。

 

ベゼルや目盛が醸し出す精密さが魅力です

世界各地の時間表示や、潜水や飛行向けの計測機能も、現在はコンピューター等のデジタル機器で便利に素早く測れる時代。タキメーターも航空計算尺も、実生活ではあまり必要でない機能かもしれませんが、目盛や数字が醸し出す精密さのロマンといったものが、アナログ&機械式の時計の魅力を高めているような気がします。

なお、エバンス ホームページでは、「詳細検索」内の「さらに見る」項目から「ベゼルの種類」を選んで検索することも可能です。(下図)

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(ロレックスのベゼルについては、過去ブログ「現行ロレックスの主要ベゼル」でもご覧いただけます。)

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