銀座エバンスの福田でございます。
徐々に涼しくなってまいりましたので、風邪を引かないようお気を付け下さい。
さて本日は、先月ご案内しました「リューズ」に続きまして、現行モデルの「ベゼル」の違いについてまとめてみました。
ベゼルとは
風防の周囲に設置されている円形の部品のこと。風防を留めるという大きな役割を持つ外装部品になります。しかし、文字盤同様に一番目を惹く場所に備わっている為、モデルによっては機能面のみならず、デザイン面での活躍も大きい場合があるようです。それでは、現在使用されている主要なベゼルについてご案内致します。
主要ベゼルパターン
スムース
角の無い、シンプルな鏡面仕上げの定番ベゼル。ステンレス製、各種ゴールド製(ホワイトゴールド製はチェリーニ等)、プラチナ製とバリエーションは豊富です。現行モデルのレディスは表面がドーム状にカーブを描いています。
フルーテッド
縦線のデザインが施されたギザギザが印象的なベゼル。ロレックスの代表作である「デイトジャスト」が発表された、1945年の初代モデルに採用された形状です。その特徴的なデザインは、当時も今も一目でロレックスと分かる重要な役割を担っています。ベゼルの素材は各種ゴールド製となります。
両方向回転式
GMTマスターやヨットマスターに備わっている両方向へ回転するベゼル。GMTマスターは、もともとパイロット達が使う時計として開発されました。同時に2カ国の時刻を知ることが可能なモデルで、更に24時間ベゼルを使用することによって、任意の3カ国目の時刻を知ることも可能です。ベゼルの素材はセラクロム製になります。
クルージングで、休暇を楽しむというコンセプトによって開発されたヨットマスターのベゼルは、セラクロム製以外にエバーローズゴールド製やプラチナ製となり高級感漂う仕様となっています。ベゼルの機能(ヨットマスターⅡは除く)は、長針にベゼルの三角マークを合わせて、時間の経過を確認することが可能です。
逆回転防止
ダイビング用に開発されたモデルに備わっている専用ベゼル。潜水中の経過時間を確認出来る60分用のベゼルは、海底の岩などにぶつかった衝撃でベゼルが戻ってしまうとダイバーの命に関わるため、一方向(半時計まわり)にしか動かない仕様となっています。潜水時、ベゼルの三角マークを長針に合わせて経過時間を確認します。ちなみにベゼルのマークやインデックス、針には夜光塗料が使用されており、暗い海中でもはっきりと確認することが出来ます。ベゼルの素材はセラクロム製です。
セラクロムベゼル・・・ロレックス社が開発して特許を取得した、耐傷性に優れた新型ベゼル。上質なセラミックは長年の褪色も防ぎます。
タキメーター
ロレックスではデイトナに備わっているベゼル。クロノグラフの秒針を作動させることによって、平均速度や生産率を計ることが可能です。クロノグラフ付きのモデルにとっては定番の機能となります。ベゼルの素材はセラクロム製と各種ゴールド製です。
その他
エクスプローラⅡやヨットマスターⅡ、スカイドゥエラーのような特殊タイプの他、ベゼルに貴石を配したラグジュアリータイプも存在します。ダイヤモンドやルビー、サファイヤなどの貴石を使用するタイプは、各シリーズの中でも最高級モデルに備わっており、最近では2018年に発表されたデイトナの「レインボー」が記憶に新しいですね。
レインボー・・・ ベゼルにはレインボーカラーに並べられた36個のバゲットカットサファイアを配置。
まとめ
ベゼルとは、ケースを構成する上で大事な部品の一つというだけではなく、モデル毎の開発コンセプトも担っているようですね。色々調べてみますと興味が尽きないという状況でしたが、一先ずは皆様の時計選びのご参考になればと思いまとめさせて頂きます。尚、ロレックスのモデル番号を見れば、ベゼルの素材や形状が分かります。物理的に可能だからと別の素材や形状に変更してしまうと、メーカーの修理センターでサービスを受けられなくなってしまいますのでご注意下さい。