パネライ~PAM01334~
2025-04-15 11:00
エバンスブログをご覧の皆様こんにちは。
今年の3月は例年よりも気温の上昇が著しかったように思います。寒暖差のある日が続き、体調面や睡眠の質に影響が及んだ方もいらっしゃるのではないでしょうか。新年度を迎え忙しい日々が続くとは思いますが、季節の変わり目でもございますのでくれぐれもご自愛ください。
それでは今回はパネライからRef.PAM01334をご紹介させて頂きます。デカ厚時計の代名詞であるパネライから、原点であるラジオミールの良さが感じられる一本が入荷しているので、ぜひともご覧ください。

①パネライとは
エバンスブログをご覧の皆様で、パネライの名を知らぬ人は恐らくいない事でしょう。
おしゃれ大国イタリア生まれのブランドであり、ファッション性とスイスの時計製造技術が融合し、創業から時を経た現在でも根強いファンが多い高級腕時計ブランドの一つです。正式名称はオフィチーネ・パネライ。その歴史の始まりは1860年であり、創業者のジョバンニ・パネライがフィレンツェのグラツィエ橋に時計店を構えたことで幕を開けます。この店は時計販売だけでなく、工房やフィレンツェ初の時計製造学校としての役割も担っていました。
1876年からはフィレンツェ市内で移転を繰り返し、1920年代に現在の所在地に移動となります。「OROLOGERIA SVIZZERA(オロロジェリア・スヴィッツェラ)」 の屋号を掲げた店舗はその後1世紀以上に渡り、フィレンツェにおける高級時計の代名詞として知られています。創業から150年以上もの歴史があり、名実ともに立派なブランドである事は疑いの余地もありません。
そんなパネライですが高級腕時計市場に参入し、民生用に時計を発表したのは1993年と以外にも近年の話となります。それまではイタリア海軍へミッションウォッチの納入をするなどしていたことから、パネライ製品の数々は1992年の軍事機密指定解除となるまで一切を非公表とされていました。こうした経緯や、フィレンツェでの大洪水で資料が散逸した事もパネライの歴史が謎のベールに包まれている理由です。軍事用の過酷な使用環境を想定として開発されていたので、その丈夫さや視認性の良さ、防水性などの高い実用性を備えた点も高く評価されています。
現在のパネライコレクションは4モデルとなり、「ルミノール」「ラジオミール」「サブマーシブル」「ルミノールドゥエ」がラインナップされています。
民生用に発表されて以降、ルミノールとラジオミールの二大コレクションでありましたが、ルミノールコレクションの一つであったサブマーシブルが独立し、新たに小径薄型モデルであるルミノールドゥエが加わったことで顧客層拡大に繋がりました。無骨で男らしいマッシブな時計というイメージが強いブランドではありますが、ラインナップの拡充により選択肢が広がったことで手に取りやすくなったのではないでしょうか。
豊富なストラップの種類も魅力です。素材やカラーが様々ありますので付け替えてお楽しみいただけます。時計の雰囲気もガラッと変わりますので、気分転換にもなることでしょう。何本かお持ちになると楽しいのではないでしょうか。
これまで紡いできた伝統を如実に受け継ぎ、デザイン性はそのままに、機能面や耐久性などを改良し続けた結果今のパネライがあります。歴史を重んじた時計作りと、軍用時計の歴史的ロマンが合わさり、多くの皆様から人気を得ているのではないでしょうか。
②ラジオミール
パネライのイメージというと大振りなリューズガードが特徴のルミノールを想像する方も多いと思いますが、それよりも歴史が長いのがラジオミールであり、パネライの元祖ダイバーズウォッチとなります。第二次世界大戦時にイタリア海軍の要請を受け、特殊潜水部隊の着用する時計として開発されたのが始まりとなります。
モデル名はパネライの開発した夜光塗料「ラジオミール」に由来しています。こちらはラジウムをベースとした粉末塗料のことであり、視認性を高める為にイタリア海軍の海戦用照準器や水深系などの計器のダイアルに塗布されていました。
1910年代初頭、第一次世界大戦に向けて世界が大きく傾きかけた頃、ラジオミールを照準器に使用し、完全な暗闇でも武器の使用を可能とする事に成功します。これにより、イタリア海軍への納入業者として不動の地位を築いていきました。1916年に特許取得をし、フランス、アメリカ、イギリスにおいても特許申請がなされたことでパネライの名は世界に轟く事になります。1938年には、この極めて明るく光る夜光塗料を文字盤に使用した腕時計「ラジオミール」がイタリア海軍へ正式に採用される事となります。その後、任務に欠かせないアイテムとして活躍をしていく事になったのです。
そんなラジオミールの特徴は視認性の良い文字盤にクラシカルな意匠です。時計とケースを繋ぐラグがワイヤーループ型となっており、ルミノールよりもレトロな雰囲気を纏っています。クラシカルな雰囲気やレトロな見た目がお好きであればラジオミールをおすすめ致します。
ルミノールよりも種類は少なくなりますが、パネライの歴史やイタリア海軍との関わりなどを考えると魅力的なコレクションと言えます。
③Ref.PAM01334
それではここで実機のご紹介です。

当初ラジオミールオリジネの名称で45mm手巻き時計の新シリーズとして発表された同モデル。現在はラジオミールトレジョルニと変更されています。トレジョルニとはイタリア語で三日の意味を持ち、パワーリザーブが三日間である搭載ムーブメントに敬意を払ったものとなっています。
クラシカルなラジオミールケースにはエイジド加工を施し、よりレトロな仕上げとすることで全体の印象をグッと引き締めます。グレーグラデーションの文字盤と、ブラウンのカーフレザーがケースの仕上げと相性が良く素晴らしいですね。

搭載しているムーブメントは自社製キャリバーP.6000。手巻きムーブメントであり、72時間のパワーリザーブを誇ります。土日に着用しなかった場合でも動いているのは非常に便利な機能と言えますね。
リューズには空と海を表すOPマークが刻印されており、パネライがこれまでに製造に関わってきた潜水用と航空用の分野を差すマークとなっています。

サイズは45mmとなりますが無駄な装飾が無い事やデザインがシンプルですので、スッキリと腕元に馴染む印象です。風防がボックス形状であることもレトロな意匠であり、ヴィンテージ調のデザインとなっています。
クラシカルな一面が際立ち、使い込んでいく程に味わい深くなっていく時計ではないかと感じました。
④まとめ
ブランドのアイコンウォッチにはルミノールがありますが、それよりも歴史のあるラジオミールもパネライを語るには外せません。

パネライをお持ちの方や、これから検討される方にとってもヴィンテージ感のある意匠は魅力的ではないでしょうか。
複雑機能を備えた時計や、デザイン性に富んだ時計、現在では様々なブランドからいくつもの時計が生み出されています。そんな現代だからこそ、シンプルに時計としての役割である時刻確認に重点を置いたラジオミールは原点回帰と言えるでしょう。
お探しの方や、ご興味のある方は是非とも実機をご覧ください。皆様のお問合せを心よりお待ちしております。