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知ると楽しい!『時計パーツのニックネーム(愛称・通称)』リューズ編

2024-09-16 11:00

こんにちは。いつもエバンスブログをご覧いただき、ありがとうございます。

腕時計には、その見た目の特徴を捉え 『 ニックネーム(愛称)』が付いているものがあります。例えば、ロレックスの GMTマスター。赤と青のベゼルから「ペプシ」、ベゼルの青と黒は「バットマン」、赤と黒は 「コーク」など。メーカー公式のネーミングではありませんが、愛好家の間では定着し、世間でもかなり広まっていますので、耳にしたことがある方も多いのではないでしょうか。

実はこういったニックネーム ( 愛称 ) は、時計のみならず、時計のパーツ(部品)でも付いているものがあります。そこで、今回は『時計パーツのニックネーム(愛称・通称)』をいくつかご紹介いたします。

リューズとは

リューズとは、一般的に腕時計3時の位置にある突起のつまめるパーツです。時刻合わせやゼンマイの巻上、カレンダー変更などの操作をする部品です。左利き用のレフトハンド時計は真逆の9時位置、そのほか変則位置にあるデザインの時計もありますが、大多数の腕時計は3時位置の横に配されています。

リューズはカタカナで「リューズ」または「リュウズ」と表記されることが通常で外来語のような響きですが、実は日本語です。漢字では「竜頭(りゅうず)」と書きます。海外ではリューズは「Crown(クラウン)=王冠」と呼ばれています。

「竜頭 」の由来はお寺の釣り鐘です。 まだ時計がなかったころの 昔々、人々はお寺の鐘の音で時刻を把握していました。 その釣り鐘を吊り下げるための綱を通す輪っか部分を「 鈕(ちゅう)」と言います。 この「 鈕(ちゅう)」 には竜の頭のような装飾が施されていることから「竜頭」と呼ばれていました。

昔の時計の役割「釣り鐘」の突起部分の呼び名が引き継がれるように、 現在の腕時計の突起部分が「竜頭」と呼ばれるようになったようです。

海外での呼び名「Crown(クラウン)=王冠」 もしかり、懐中時計の紐を通す輪っか部分に由来します。この輪っか部分は懐中時計の上部にあり、当時、懐中時計はとても貴重なものであったため、「貴重なもの」「一番上にあるもの」⇒「王冠= Crown(クラウン) 」と連想され呼ばれるようになったようです。


さて、このリューズですが、時計により様々な形やデザインがあります。とくに特徴的なものには、時計愛好家の間で 『 愛称のような通称 』で呼ばれることが多いです。


玉ねぎリューズ(オニオンリューズ)

『 玉ねぎリューズ 』とは、その名の通り玉ねぎのような形のリューズです。ひと言で『玉ねぎリューズ』と言っても、その形や大きさは様々あり、明確なルール付けはありません。玉ねぎのように見えるものは、気軽に『 玉ねぎリューズ 』と呼ばれます。

【 クロノスイス カイロス ルナ 】 丸みのある玉ねぎ

俗に「 玉ねぎ」と呼ばれるリューズは、パイロットウォッチに多く用いられています。 その昔、航空機パイロットは、暖房設備の無いコックピットで防寒のための厚手のグローブを着用していました。そのためパイロットウォッチには、グローブを着用していても操作がしやすいよう大きくて、凹凸のはっきりとしたリューズが採用されるようになりました。

ダイヤモンドリューズ

鋭角な玉ねぎにも見えるので、玉ねぎリューズと呼ばれることもあります。
また、以前は「ルイ15世」とも呼ばれてました。

【 IWC ビック パイロットウォッチ 】

ターバンリューズ

確かにターバンに見えますね!
ターバン巻きの頭が玉ねぎに似てます。やはり玉ねぎリューズと呼ばれることもあります。

【ゼニス  パイロット アエロネフ タイプ20 】

ストローハット リューズ

見た目のとおり、麦わら帽子スタイル。アンティークモデルでよく見られます。「ストローハット」は主に海外で呼ばれており、日本では「でべそ」と呼ばれています。

【ロレックス バブルバック】

デカリューズ ROLEX

人気スパイ映画『007』で主人公のジェームス・ボンドが着用したことで『ボンドモデル』と呼ばれるロレックス サブマリーナの初期モデルです。リューズガードなしのケースに目を引く大きなリューズ。『通称 デカリューズ』です。『Big crown(ビッククラウン)』とも呼ばれます。

【 ROLEX サブマリーナ 】

魚リューズ IWC

一筆書きの魚マークが素朴で愛らしく「魚リューズ」と呼ばれ 愛好家に人気があります。

【IWC GSTアクアタイマー】魚マーク

IWCでは、魚マークのリューズは防水時計の証として使用されていましたが、すでに生産中止になっており現行品には使用されていません。現在は「 IWCロゴマーク 」へと変わっています。

「 魚リューズ 」の時計を修理やオーバーホールでIWCに依頼した際、防水性能や操作機能の確保のためリューズ交換が必要と判断されると、同デザインの魚マークでの交換ではなく、「 IWCロゴマークリューズ 」へ交換となります。

魚リューズに愛着のあるユーザーにとっては、とても残念な思いで辛いところですよね。

【IWC アクアタイマー クロノグラフ】 IWCロゴマーク

気になってIWCに問い合わせてみたところ、必ずしもIWCロゴマークに変わってしまうということではないとのこと。魚リューズで交換が出来ることもあるそうです。また場合によっては、魚リューズかIWCロゴマーク、どちらか選択可能なこともあるそうですよ。

魚リューズでの交換の可能性も0ゼロではない!これは魚リューズ愛好家にとっては嬉しい限りです。しかしながら、あくまで状況によるとのことですので、過度な期待なさらぬよう、どうぞご注意くださいませ。

また、元々IWCロゴマークリューズの時計から魚リューズへは交換はできません。ここは以前同様で変わりはないようです。

なお、メーカーの対応内容につきましては、予告なく変更となりますので、気なる場合は問い合わせをされてみるのも良いかと思います。

最後に

いかがでしたでしょうか。見たままの印象でのネーミング、単純ですよね。そこがまた時計に親近感も沸き、比べて見るのも楽しくなります。

また、見た目で感じる印象は人により様々なので、一つの形にいろいろな通称があることもしばしばです。それでも、どれも言われてみれば….見えますね!

余談ではございますが、わたくし個人的には『魚リューズ』の大ファンです。スマートな印象のIWC時計にひょっこりいるお魚がスイミーみたいで可愛くて、見るたび顔がほころびます。

皆様も何かお気に入りはありますか? いろいろと見比べて、見つけてみてはいかでしょうか。

【 過去ブログ紹介 】
・時計好きは知っている!ニックネームを持つ腕時計(ロレックス編 Part1)






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