「ゼニス~偉大なる技術者~(クロノマスターオープン “シャルル・ペルモ”)」2018年7月3日
2018-07-03 17:30
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皆様こんにちは。
銀座エバンスの飯田です。
今年も七月に入りました。
梅雨明け宣言も出され、本格的に暑くなって参りましたので皆様くれぐれもご自愛下さい。
さて、今回ご紹介させていただきます一本は
ゼニスのクロノマスター オープン ”シャルル・ベルモ” 限定です。
USED
Ref:03.2085.4021/51.C700
まず、こちらのモデルをご紹介するにあたり、外せない重要な人物がいます。
それは、ゼニスの歴史の継承に大いに貢献を果たした「シャルル・ベルモ」技師です。
まずはベルモ氏の功績についてお話させて頂きます。
ゼニスといえば非常に有名なムーブメントがあります。
それは、1969年に誕生した、自動巻きクロノグラフの最高傑作「エル・プリメロ」です。
この世界中に名の知れ渡っている「エル・プリメロ」を守り、後の技術者に受け継いだのがシャルル・ベルモ氏です。
同ブランドは卓越した技術力を誇り、傑作ムーブメントを世に送り出しましたが、1970年代の初頭にクォーツショックが起こり、機械式腕時計が瞬く間に衰退していくという出来事にみまわれます。
この影響を受け、ゼニスブランドを収めていた、「ゼニス・ラジオ・コーポレーション」は機械式腕時計の製造を中止する判断を下し、クォーツ時計の製造に着手することを決断します。
この決断で、クォーツ時計の製造に関係の無いものを一掃してしまおうと、あらゆる機械、キャリバー、工具について、廃棄物として競売に出され、一番の高値を出した方に売却されることになりました。
この出来事により、ゼニスの歴史が途絶えてしまうのではないかと思われましたが、そこで立ち上がったのがシャルル・ベルモ氏でありました。
「エル・プリメロ」の開発の原案から携わっていたベルモ氏は情熱の溢れる時計技師でした。
当時、マニュファクチュールの第四工房の責任者であったベルモ氏は優れた機械機構が、必ずクォーツに打ち勝つ日が来るだろうと信じ、会社の指導者達に製造器具を保存するように説得します。
しかし、これが聞き入れられず落胆します。
そこで彼は考え、重要な道具や資料を隠すことに決めたのです。
一つ一つの部品や道具にラベルを貼って目録に記録し、製造工程は細かくファイルに記録するなどし、屋根裏部屋に保管しました。
3年後の1978年になるとゼニスの経営者が変わり、またマニュファクチュールの存在に目を向け、機械式腕時計の復活を信じる企業へと変化していくようになります。
そして、1984年にベルモ氏は新たな経営陣のもとへ、大切に保管をしていた資料や道具を見せ機器式腕時計の製造を復活させるのでした。
この彼の信念を持った行動が、「エル・プリメロ」を後世まで受け継がせていくことになります。
そのような、ゼニスに多大なる功績をもたらしたベルモ氏の好きな色が青であったこともあり、ベルモ氏の偉業を称え世界限定1975本で発表されたのが今回ご紹介のモデルなのです。
ゼニスの人気モデル、クロノマスターシリーズのパワーリザーブ搭載モデルがベースとなっており、深みのある綺麗な青色でまとめています。
11時位置にある小窓からは機械式腕時計の心臓部を見ることが出来ます。
綺麗な機械の動きを見ることが出来るのも最大の特徴ですね。
また、裏側もスケルトンになっており、機械好きな方はついつい眺めて時が過ぎてしまうなんてこともあるのでは無いでしょうか。
純正のブルーアリゲーターベルトは裏側がラバー素材を使用しており、汗ばむ陽気でも気兼ねなく着けることが出来るのも嬉しいです。
全体的に品がよくまとまっており、綺麗な一本です。
ベルモ氏の様に、自分の仕事に大きな信念や誇りを持った行動が出来るのは簡単なことではありません。
それだけの功績を果たしたゼニスの偉大なる英雄「シャルル・ベルモ」氏。
その思いに触れ、腕に着けたとき信念や誇りが宿ることでしょう。