時計業界の常識「ロレックス」と「ローレックス」正しいのは?ブランドの呼び方が変わる時がある
2020-07-17 11:00
エバンス オンラインショップ担当の大貫です。コロナ禍において、意外にも売れ行きが良い高級時計。特にロレックスをお求めになるお客様はコロナ流行前よりも多くなっている印象です。非常に人気のロレックスですが、お客様によっては「ローレックス」と呼ばれる方がいらっしゃいます。みさなんも一度は聞いたことはあるかもしれません。
基本的に高級機械式時計の場合、スイス製がほとんど。もちろんブランド名は英語表記や、フランス語表記となります。海外の発音での呼び方は難しいため、時計雑誌やブランドの日本語サイトでもカタカナ表記で案内がされている状況ですが、希に日本語表記が変更となることがあります。
ということで、今回はブランド名の「呼び方」について案内したいと思います。一部、私の記憶のによるところもございますので、間違っている場合はご了承くださいませ。
「ローレックス」と「ロレックス」の関係
最近はあまり聞かれませんが、「ロレックス」を「ローレック」と呼ばれる方がいらっしゃいます。時計業界に身を置いていますと、度々耳にする機会もあり、特に年配の方が使用されることが多いのですが、これは昔の呼び方で覚えた呼称をそのまま使ってるので、「ローレックス」も間違いではありません。
時計雑誌などがない時代、時計の販売促進は新聞広告などが主流でしたが、当時は日本の代理店がカタカナ表記で記載しており、そのままブランド名が認知されてきています。
1960年代では既に「ロレックス」となっていますので、 “ローレックス”という呼び方は、1950年前後の時代かと思われます。なので“ローレックス”と呼称するのは、80代以上の方が中心になってくるでしょう。
このように時計ブランドの日本語での呼称は、時に変更される時があります。
ブランド名の呼称変更の背景
これはローマ字読み、当て字に近い読み方でカナカナ表示にしていたものから、現地語に近い呼び方や、グローバルな英語読みにしようという流れがあったために、各ブランドにおいて公式の日本語表示、カタカナ表記へ変更し、時代とともに変わってきました。
時計以外でも、国の呼び方も変えたりしていますので、同じような考え方です。最近の事例では、グルジアからジョージアへと名称変更するようなイメージです。
ローレックス(ロレックス)以外の名称変更
- カルチェ(現:カルティエ)
- ゼニット(現:ゼニス)
- ティソット(現:ティソ)
- モバド(現:モバード)
- ボーム&メルシー(現:ボーム&メルシェ)
上記のブランドは、かなり古い印象がありますね。私も昔の資料で見たことがある程度で、リアルタイムで呼称したことはありません。この辺りも年配者から聞くことが多いブランドです。情報が少なかった当時を考えると、上記の様なブランド名で認知されている方は、とても時計好きなんだなと感じますね。
最近名称変更した有名ブランド
ブランドが日本に上陸したての頃ならいざ知らず、意外にも最近になって呼称を変更したメジャーブランドもありますので、ご紹介したいと思います。
バセロン・コンスタンチン(現:ヴァシュロンコンスタンタン)
バセロン・コンスタンチンが、“ヴァシュロン・コンスタンタン”へ変更したのは2003年頃だったと思いますが、当時は違和感しかありませんでした。“タンタン”てなんだよ、と。今では当たり前のように「コンスタンタン」使っています。意外と慣れてきます。
チュードル(現:チューダー)
TUDORの日本語名称変更に関しては割と最近ですので、まだまだ「チュードル」と呼ばれる方も多い状況ではあります。よくよく考えてみると「TUDOR」は、世界史で習った中世イングランド王国における薔薇戦争で有名なチューダー朝の“チューダー”ですから、逆に今まで何故“チュードル”だったか考えさせられますね。
まとめ
こういった名称変更に関してはブランドのこれまでのイメージもあり、変更することはほとんどありません 。一応のブランドの日本法人や輸入代理店などからのアナウンスはあったりもしますが、気づきにくいところです。雑誌などを見ているといつの間にか変わってることがあります。
また、名称変更ということではありませんが、IWCに関してはこれまで公式サイトや時計雑誌などにおいてカタカナ名称は使われず、アルファベット表記のみでした。 これまではインターナショナル・ウォッチ・カンパニー(International Watch Company)を略して、「インター」と呼ばれてきましたIWC。近年『アイ・ダブリュー・シー』がカタカナの正式名称となっています。
輸入時計が日本に入るようになってきて既に長い年月が経っていますが、上記のように名称変更は少ない印象です。