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機械式腕時計のスペックに見る石数とは?

2020-07-21 11:00

日常で使う腕時計はファッションの一部はもちろん、ビジネスシーンにおいても必須アイテムとなることから、こだわりを持つ方も多いと思います。そんな腕時計ですが「石」と深い関係がある事をご存じでしょうか。

今回は腕時計を探している際に、商品ページなどに書いている「石数」というワードについて記事にしてみました。

ご一読いただければ幸いです。

機械式腕時計における石

機械式腕時計に使われる石とは?多くの方は『宝石』と答え、『高級感』をイメージする事と思います。腕時計には文字盤上や外装にダイヤモンドやルビー、サファイアといった宝石が使われています。これらは時計の見た目を良くし、高級感やステータス性を上げてくれるポイントになります。

勿論、その見た目の役割というのは高級品にとって重要なものとなりますが実は内部にも使われている事をご存知でしょうか。

時計をお探しの際にメーカーホームページをご覧になる機会があると思います。その際に必ずと言っていい程目にするのが「石」「石数」という言葉。何気なく目にはしますが、そのワードにピンとくる方は少ないのではないでしょうか。

注目度は決して高くないと言えます。しかし、知っていればそんな意味があるのかと時計選びの幅も広がるかもしれません。

石数とは

機械式腕時計をお持ちの方の中にはご存じの方はいるかと思いますが、腕時計のスペックを語る時に「19石」や「21石」など、石について書いているワードが出てきます。

皆様が時計選びをする際に石数という項目を重要視する方は少なく、それゆえに知らないという方も多いと思います。

石数の意味は、ムーブメントの軸受けとして採用される「人工ルビー」や「人工サファイア」の数のことです。機械式腕時計では、回転する歯車の軸を掴んでいる部分の事を軸受けと言います。この軸受けにルビーやサファイアといった宝石が採用されてきました。

これらの宝石はコランダムという鉱物の一種であり、鋼玉とも呼ばれる硬い鉱物です。宝石界では赤色に発色したものをルビーと呼び、青色に発色のものをサファイアと呼びます。

それ以外の色の場合でも名称にサファイアと付くものが一般的だそうです。鉱物界では同じコランダムであり、モース硬度も同じく「9」となります。皆様の良く知るダイヤモンドのモース硬度は「10」であり最大です。

まれにダイヤモンドを使う場合もあるようですが、硬すぎて軸などを摩耗させてしまう為、現在では人工ルビーが一般的に使われています。時計の裏側からムーブメントが見えるシースルーバックの場合には、このピンク色に輝く人工ルビーが目に入ります。

石の役割

ムーブメントに採用されている石の役割はというと、ムーブメントの軸(ホゾ)と受けや地板の間に生じる摩擦や磨耗を減らす為に、人工のルビーやサファイアを使用します。

機械式時計のムーブメントには幾つもの歯車が組み合わさっていることは周知の事実ですね。その歯車を回転させる為には軸が必要となります。回転する歯車に軸を通し「地板」と「受け」で両方向から挟み込む構造になっています。

この歯車が回転する際に、軸は地板と受けに接しながら回転と往復運動を繰り返します。接している部分に摩擦がおき摩耗してしまうと、動作に不具合が生じてしまうのです。

これを防ぐ為に地板と受けの両方に軸と接する部分に軸受けとなる「穴石」を設置しています。

この摩擦や摩耗が生じるため、ムーブメントへのダメージを減らそうと採用されたのが人工ルビーです。

ルビー製の軸受けの誕生

現代でもあらゆる機械製品においてボールベアリングや工業用油は部品のダメージを軽減させる為に必要です。しかし機械式腕時計は細かい歯車をコンパクトに納めなければいけない為、機械式腕時計の部品としては大きいベアリングや油漏れしやすい工業用油を採用するのは非常に困難であったのです。

そこでモース硬度がダイヤモンドに次ぐ堅さであり、摩耗によって損壊しにくい点と生活における熱に強い点とが軸受けに良いということで、人工のルビーが採用されました。

石数は多い方がいいのか?

ここまで見てきて石数の役割や重要性に関してはお分かり頂けたでしょうか。

では、石数は多い方がいいのか?それはノーです。腕時計の中には信じられないくらいの石数(約100石)を採用している時計があります。耐久性はもちろん上がりますが莫大な費用と時間が掛かります。実質的に石数は多くても21石程度あれば十分とされておりますのでこの数字を是非目安にしていただければと思います。

時計の歴史の中で、初期の頃は石数がここまで多くありませんでした。1930年頃の時計では7石が主流であった為、アンティーク時計をチェックする上で使われている石の数が7石であればクオリティの高い時計と評価できます。

昔の時計を見ても分かるように最低限必要な数は7石です。最大でも21石程度。それ以上の石数を用いている場合には時計をより贅沢な物へと付加価値を与えていると言えます。

時計選びをする際にはこの石数にも着目してみては如何でしょうか。シースルーバックの場合には機械を眺めるのも楽しくなります。

各メーカーごとのこだわりも感じることでしょう。

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