一括りに、「ロレックスの腕時計」と申しましても、数多くのモデルが存在しております。それぞれの開発コンセプトに基づいて、各シリーズが製造されていくわけですが、仕様が異なれば形状も変化します。
特に外装部品などは、その変化が顕著に現れます。例えば、ベゼル、風防、ミドルケース、リューズ、ブレスレット、留め具などですが、実はその豊富なバリエーションに驚かされます。
本日は、その中でもブレスレットに焦点を絞ってみました。様々なモデルに対応するために、ロレックスのブレスレット形状も、いくつか存在します。それぞれ名称毎に、順番に解説させていただきます。
ロレックス ブレスレットの種類
ブレスレットとは、腕時計を腕に固定する為の大事な部品となります。耐久性や着け心地に優れているだけではなく、装飾品として絢爛豪華なブレスレットも用意されています。
ジュビリーブレスレット
1945年に発表された、オイスターパーペチュアルデイトジャストようにデザインされた、ドレッシーなスタイルのブレスレット。ロレックスのブレスレットというと、こちらのブレスレットを思い浮かべる方も多いかもしれません。
正面から見ると5つの小さなブロックが連なっていることから、5列(5連)ブレスレットとも言われています。駒の1つ1つが小さい為、腕に馴染み易く老若男女問わず人気の高いデザインです。
ブレスレットの素材は、SS(ステンレススチール)、SSとYG(イエローゴールド)のコンビネーション、SSとRG(エバーローズゴールド)のコンビネーション、YG、RGとなります。
対応するクラスプは、モデルによって若干異なりますので、簡単に触れていきます。
先ず、金無垢素材のブレスレットは、スマートなコンシールドタイプ(留め金が外側に目立たない設計)のクラウンクラスプです。
SSやコンビネーションモデルの、スモール及びミディアムサイズは、コンシールドタイプ(留め金が外側に目立たない設計)のクラウンクラスプになります。
SSやコンビネーションモデルのラージサイズは、オイスターロッククラスプ(約5mm延長出来るイージーリンク付き)となります。
尚、GMTマスターⅡに関しては、セイフティキャッチ付(ダブルロック)のオイスターロッククラスプ(約5mm延長可能なイージーリンク付き)となっています。
オイスターブレスレット
1930年代後半から現在まで、様々なモデルに使用されてきた堅牢なブレスレット。アンティークモデルから、最新式モデルまで対応しているブレスレットの代表的形状になります。
正面から見ると3つの大きなブロックが連なっていることから、3列(3連)ブレスレットとも言われています。ジュビリーブレスレットと比較して、駒の1つ1つが大きい為、外見はスポーティな印象を与え、大人気のデイトナやサブマリーナーなどにはこちらのブレスレットが採用されています。
また、オイスターブレスレットには、プラチナを含めて全ての素材が揃い、対応するモデルが豊富になりますので、クラスプのバリエーションはシリーズ毎にまとめてみました。
オイスターパーペチュアル・・・オイスタークラスプ。
エアキング・・・オイスターロッククラスプ(約5mm延長可能なイージーリンク付き)
デイトジャスト・・・オイスターロッククラスプ(約5mm延長出来るイージーリンク付き)、金無垢に関しては、コンシールドタイプ(留め金が外側に目立たない設計)のクラウンクラスプ。
スカイドゥエラー・・・オイスターロッククラスプ(約5mm延長出来るイージーリンク付き)。
デイトナ、エクスプローラーⅡ、GMTマスターⅡ、ヨットマスター、ヨットマスターⅡ・・・セイフティキャッチ付(ダブルロック)のオイスターロッククラスプ(約5mm延長可能なイージーリンク付き)。
サブマリーナー・・・セイフティキャッチ付(ダブルロック)のオイスターロッククラスプ、工具を使わずにブレスレットの長さを微調整できる「ロレックスグライドロック エクステンション システム」付き。
シードゥエラー・・・セイフティキャッチ付(ダブルロック)のオイスターロッククラスプ、工具を使わずにブレスレットの長さを微調整できる「ロレックスグライドロック エクステンション システム」付き。フリップロック エクステンションリンク付き。
ディープシー・・・セイフティキャッチ付(ダブルロック)のオイスターロッククラスプ、工具を使わずにブレスレットの長さを微調整できる「ロレックスグライドロック エクステンション システム」付き。フリップロック エクステンションリンク付き。クラスプの、外側中央を開放してから微調整が可能となります。
プレジデントブレスレット
プレジデントブレスレットは、1956年に発表されたロレックス最高級シリーズであるデイデイト用に、製造されました。
「プレジデント」とは、アメリカ合衆国の大統領を意味します。当時の大統領アイゼンハワー氏へ贈られたとのことが、プレジデントブレスレットと呼ばれるきっかけになったと言われています。
デイデイトを手にすることが一種のステイタスとなっており、発売から半世紀過ぎた現在の日本でも、デイデイトは「成功者の証」として絶大な人気を誇ります。
半月形の3連リンクが大きな特徴です。ブレスレットの素材は950プラチナか18金のエバーローズゴールド、イエローゴールド、ホワイトゴールドの18金素材のみとなっており、最高級シリーズに相応しい仕様となっています。
対応するクラスプは、パーツが外側に目立たない設計となっている、コンシールドタイプのクラウンクラスプです。
※デイデイト専用ですが、現在は一部レディスのデイトジャストにも使用されています。
パールマスターブレスレット
「パ-ルマスターブレスレット」は、1992年に発表されたパールマスターモデル専用ブレスレットとして製造されました。
パールマスターとはその名前の通り、絢爛豪華な宝石が文字盤やブレスレットに散りばめられているモデルです。モデルによっては1000万円を超えるものも存在し、デイト付きの最高峰シリーズの1つに位置します。
5連リンクで形成されるブレスレットの素材は、エバーローズゴールド、イエローゴールド、ホワイトゴールドの18金素材のみとなっています。
対応するクラスプは、パーツが外側に目立たないスマートな設計の、コンシールドタイプ(クラウンクラスプ)です。
オイスターフレックス・ブレスレット
2015年発表のヨットマスター(116655)に取り付けられた、ロレックス初のラバーブレスレット。
ロレックスが開発の行い、特許を取得した「オイスターフレックス・ブレスレット」は、柔軟性のあるチタン・ニッケル合金製ブレードをエラストマー(人工ラバー)で覆い、メタルブレスレットに匹敵する耐久性を誇ります。
また、ブレスレット内側に備わったクッションシステムは、腕への装着感を高め、耐水性を含めた実用的なブレスレットを実現します。
2020年4月現在、ヨットマスター(RG、WG)とデイトナ(RG、YG、WG)専用ですが、シリーズ毎でクラスプの形状が異なります。
デイトナ・・・セイフティキャッチ付(ダブルロック)のオイスターロッククラスプ(約5mm延長可能なイージーリンク付き)。
ヨットマスター・・・セイフティキャッチ付(ダブルロック)のオイスターロッククラスプ、工具を使わずにブレスレットの長さを約2.5mm単位で最大約15mm延長することができる「ロレックスグライドロック エクステンション システム」付き。
まとめ
各モデルが、最適なブレスレットを対応させることで、その性能を最大限に発揮していることが分かりますが、いずれのブレスレットにも共通して重要なことは、如何に快適で実用性に富んでいるかということですね。
今後も、様々なブレスレットの開発や改良が、施されていくはずですが、機会があればまた記事にさせて頂きたいと思います。