かつて存在したカルティエの魅力的な【メンズ専用コレクション】4選
2024-09-23 11:00
エバンスの大貫です。今回は、かつて展開していたカルティエの「メンズ専用コレクション」をご案内したいと思います。
宝飾ブランドとして有名なカルティエ。女性用のコレクションが多い印象がありますが、もちろんさまざまなサイズ展開があり、男性用サイズのモデルも多数存在します。しかしながら、今回紹介する“メンズ専用”としてリリースされたモデルは、カルティエの長い歴史をみてもごく僅か。
生産が終わってから、ありがたみを感じるコレクションは多くありますが、カルティエの「メンズ専用コレクション」も非常に魅力的で、中古市場での人気も高まってきているところです。
カルティエの「メンズ専用」コレクションの特徴
宝飾ブランドとして認知されているカルティエ。女性用の時計・コレクションは数多くありますが、もちろん男性用の時計も豊富に展開しています。
カルティエの場合、基本的にサイズ展開のあるモデルでは、小さい順に【ミニ】【SM】【MM】【LM】【XL】と表記され、例えばタンクフランセーズの女性向けは『タンクフランセーズ SM』という表記とります。男性用に当たるサイズでは、 末尾に【LM】【XL】となりますが、メンズ専用コレクションでは、特にこの符号は付きません。
カルティエにおいてのメンズ専用コレクションでは、男性的なボリュームがあるケースデザインであり、こだわりのある機械式ムーブメントを搭載している点が共通しています。
また、カルティエでは定番となるシルバーダイアルだけでなく、ブラックやブルーといった男性向けのカラーも展開されている点も特徴です。
以下は過去に存在していたメンズ専用コレクションです。基本は4モデル、それ以外にもいくつかありますので、併せてご紹介したいと思います。
① カリブル ドゥ カルティエ
『男性向け』として、明確にアナウンスされたカルティエ初のコレクションとして、2010年に発表された「カリブル ドゥ カルティエ」。“カリブル”とは フランス語で“キャリバー”を意味しており、自社製ムーブメントを意識したネーミングとなっています。
多数のパーツで構成された直径42mmのボリュームのあるケースデザイン、12時時の大きなローマ数字や立体的な文字盤の仕上げなど、明らかに男性を意識したフォルムとなっています。
後年にはサイズダウンした直径38mmのモデルや、回転ベゼルを備えたダイバー仕様「カリブル ドゥ カルティエ ダイバー」といった派生モデルも登場し、コレクションの幅も広がりを見せましたが、2019年に生産終了となりました。
② タンクMC
2013年に発表に発表された「タンクMC」。
モデル名の”MC” は「マニファクチュール・カルティエ」を意味しており、“カリブル”同様に、自社製の自動巻きムーブメントを使用したタンクということになります。
曲線を帯びた大型のスクエアケースに自社製の自動巻きムーブメントであるキャリバー1904-PS-MCを搭載。これまでの伝統的な“タンク”のデザインコードを守りつつ、モダンな仕様となっています。2021年頃に生産終了。
③ ロンド クロワジエール ドゥ カルティエ
フランス語で “クルージング” を意味するクロワジエールは、 2015年発表のラウンドモデル。 リゾート地で楽しむクルージングの情景からインスピレーションを得て誕生したメンズモデルです。2020年頃に生産終了。
100m防水、ケース直径42mmのステンレスケースに、ADLC加工を施したベゼルをセット。ムーブメントには、自社製の自動巻きキャリバー1847MCを搭載しています。
④ ドライブ ドゥ カルティエ
2016年に発表されたドライブ ドゥ カルティエ。モデルにより2020年頃から徐々に生産終了となっていますが、2024年9月時点でもトゥールビヨンといった1部のモデルが展開されています。
“ドライブ”のネーミングは、運転用ではなく、「車のデザインを再解釈した流れるようなライン」から。
ケースの横幅が41mm、縦が40mmとやや横長のクッションシェイプケースを採用しており、ボリュームはあるものの、薄型のケースや腕に収まりやすいラグの角度、フラットな裏蓋など、装着性にも優れ、スポーティさとエレガントさを備えたモデルです。
他にもあるメンズ専用カルティエ・ウォッチ
『メンズ専用』とは明確に案内されていませんが、結果的にメンズのみ展開で生産終了となったモデルもありますので、一部紹介したいと思います。
タンク ア ビス
ベゼルの4つのビスと、やや厚みのある角形ケースが特徴の「タンク ア ビス」。1998年から2008年に展開してたカルティエの最高級ライン「コレクション プリヴェ カルティエ パリ」の1つです。
パシャ №950
ステンレスケースにプラチナ製の回転ベゼルを備えた直径38mmのパシャ№950シリーズは、2001年~2004年頃に生産されたメンズコレクション。
ダークグレー文字盤にレザーストラップの組み合わせが共通の仕様で、【クロノグラフ】、【グリッド】、【パワーリザーブGMT】と3モデルでの展開がありました。
ロトンド ドゥ カルティエ
2005年頃から展開されていたロトンド。複雑機構やハイクラスの機械式ムーブメントを搭載したラウンド型モデルです。
まとめ
もともとカルティエ初の腕時計は、1914年に飛行家であるアルベルト・サントス=デュモンのために制作されたメンズ用でした。
2024年9月現在、メンズ専用と謳ったコレクションは存在しませんが、そのかわり、男女関係なく使用できるようなコレクションが増えています。ジェンダーレスの流れから、カルティエに限っては、近年SMサイズ(レディースサイズ)を求める男性も増えてきていますので、敢えてメンズ用・レディース用という括りは時代遅れになってきているかもしれませんね。