こんなに良い時計がありました、ハーモニー Ref.5300S
2023-03-14 11:30
ブログをご覧の皆様こんにちは、銀座エバンスの福永です。
今回ご紹介する時計はヴァシュロンコンスタンタンのハーモニー、ワンプッシュクロノグラフ(Ref.5300S/000R-B124)です。
クラシックな時計の魅力が見直される昨今、雲上ブランドの一つに数えられるヴァシュロンコンスタンタンが生み出したハーモニーは、高級時計の在り方を今に伝えるに十分な資質と魅力を備えていました。
惜しくも現在では生産終了となってしまいましたが、ハーモニーとはどのような時計だったのでしょうか。
ハーモニーとは
ハーモニーはヴァシュロンコンスタンタン創業260周年を記念したコレクションとして2015年に限定モデルとして発売され、翌年からはレギュラーモデルとして展開されたコレクションです。
ハーモニーのクラシカルなクッションケースは、1920年代のワンプッシュクロノグラフのデザインをモチーフとし、それと同時にヴァシュロンコンスタンタンとして初となる自社設計クロノグラフを搭載する役目が与えられました。
初の自社設計クロノグラフ
ハーモニーはそのデザインモチーフからも、搭載されるムーブメントはクロノグラフがメインとなり、レマニア2310ベースのツープッシュクロノグラフCal.1142の他は自社設計によるものとなっています。
自社設計のムーブメントについては、ハイエンドモデルとして開発された、ペリフェラルローター搭載のスプリットセコンドクロノグラフであるCal.3500、トゥールビヨンワンプッシュクロノグラフのCal.3200、そして今回ご紹介のワンプッシュクロノグラフのCal.3300が開発されました。
ハイエンドのCal.3500は専用設計の突き抜けた存在として、愛好家からも高く評価されるのは当然の結果と言えましたが、それ以上に量産が見込まれるCal.3300についても美しく古典的な見た目を持ち、低く抑えられた積算計の中間車、レバー各種も薄く仕上げることで、薄さに焦点を定めた設計を実現した傑作と言えるのではないでしょうか。
ムーブメントの仕上げに関しても、受け全体に施されたコートドジュネーブや丁寧な面取りにはじまり、ジュネーブシール取得のムーブメントはその美しさもさることながら、チラネジを備えたテンプを採用するなど、細部にわたり古典的な高級時計然とした雰囲気を味わうことが出来ます。
細部に宿る美しさ
ハーモニーの魅力はクロノグラフ機構にとどまらず、外装面においても強く感じることが出来ます。
クッションケースに優美な曲線を描き出すベゼルの造形、複雑かつ繊細なフォルムはハーモニーならではものと言えます。
文字盤に関しても緻密で凝縮感の高いオパライン仕上に、しっかりと厚みの感じられる艶やかな印字、外周には大きく面積を取ったパルスメーター、そして優美な立体感を持つゴールドの針がRef.5300Sならではの表情を生み出しています。
歴史と伝統を現代の技術で昇華させたハーモニーは、ヴァシュロンコンスタンタン創業260周年を記念するに相応しい象徴的な存在として、現在でも高い人気を誇っています。
ご興味をお持ちの方は、ぜひ一度ご覧頂けましたら幸いです。