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新たな方向性を示した1本~パルミジャーニ フルリエ「トンダPF マイクロローター」(PFC914) 2023年2月13日

2023-02-13 11:00

今回のエバンスブログは、PARMIGIANI FLEURIER(パルミジャーニ フルリエ)の「トンダPF マイクロローター」をご紹介します。修復をベースに持つ小規模な高級時計ブランドが、2021年に発表したシンプルで上質な新コレクションから、薄型ケースの2針モデルです。

 

今回の時計について

今回の時計:パルミジャーニ・フルリエ トンダPF マイクロローター PFC914今回の時計:パルミジャーニ・フルリエ トンダPF マイクロローター PFC914

(今回の時計:パルミジャーニ・フルリエ「トンダPF マイクロローター」PFC914-1020001 40mmサイズ、ステンレス素材(ベゼルはプラチナ)、ブレスレット仕様の1本)

今回の時計は、スイスの高級時計ブランド「パルミジャーニ フルリエ」が、ブランド設立25周年の2021年に発表した新シリーズ「トンダ PF」の1モデル。40mmサイズのラウンドケースに、プラチナ製マイクロローターを採用した、自社製の自動巻きムーブメントを搭載したモデルとなります。

 

パルミジャーニ・フルリエとは?

過去の取扱品から:パルミジャーニ・フルリエ タイプ370過去の取扱品から:パルミジャーニ・フルリエ パーシング005

(当店、過去の取扱品から  「タイプ370」…高級自動車メーカー “ブガッティ” とのコラボレーション(2004年頃)  「パーシング005」…イタリアのラグジュアリーヨットブランド “パーシング” とのコラボレーション(2016年頃品))

「パルミジャーニ・フルリエ(PARMIGIANI FLEURIER)」は、「ミシェル・パルミジャーニ(Michel Parmigiani)」氏が、スイス ヌーシャテル州「フルリエ」の地に設立した時計ブランドです。1996年に誕生、25周年が過ぎた、時計界では比較的新しいブランドとなります。

まずは、その歴史を振り返ってみましょう。

1950年 「ミシェル パルミジャーニ」氏誕生
1976年 自身の時計修理工房を設立。
1978年 「サンド ファミリー財団」の時計等の修復を任される
   
1996年 「パルミジャーニ フルリエ」ブランドが誕生
1996年 最初の腕時計「トリック QP レトログラード」を発表
1999年 ケース製造の名門工房「レ アルティザン ボワティエ」社を買収【※1】
2001年 微小な歯車等を手掛ける「アトカルパ」社を傘下に【※2】
2001年 精密部品の旋盤加工が専門の「エルウィン」社を傘下に【※3】
2001年 ショパール、ボヴェなどと時計の品質検査機関「カルテ フルリエ」を設立
2003年 ムーブメント開発・製造部門が「ヴォーシェ マニュファクチュール フルリエ」【※4】として独立
2004年 高級車ブランド「ブガッティ」とのパートナーシップ開始(約15年間続く)
2005年 ダイアル製造部門が「カドランズ エ アビヤージュ」として独立【※5】
   
2010年 ミシェル パルミジャーニ氏60歳を記念した「トンダ1950」発表
2018年 CEOに「ダビデ トラクスラー」氏が就任
2020年 新シリーズ「トンダ GT」発表
2021年 25周年を迎える / 新CEOに「グイド テレーニ」氏が就任 / 新シリーズ「トンダ PF」発表
 
パルミジャーニ・フルリエ 25周年記念モデル「ラ・ローズ・カレ」パルミジャーニ・フルリエ 25周年記念モデル「ラ・ローズ・カレ」

(25周年特別モデル「ラ・ローズ・カレ」(2021年)。19世紀末の希少な複雑機構ムーブメントを修復、現代的な外装に収め、職人たちによる最上級の装飾を施した一点物の懐中時計 出典:パルミジャーニ・フルリエ公式WEBサイト

 

ここで、ブランドや今回の時計に関わる3つの重要ワードをまとめてみました。設立した「ミシェル・パルミジャーニ」氏、発展に大きな役割を果たした「サンドファミリー財団」、トンダPFを手掛けた現CEO「グイド・テレーニ」氏です。

 

ミシェル・パルミジャーニ

1950年生まれの時計の修復師「ミシェル・パルミジャーニ」氏。時計師とともに建築家にも憧れたそうで、ギリシャ円柱のフォルムや「黄金比」による造型などが、後の時計デザインに影響を与えたのだとか。貴重なアンティーク時計の修復等を手掛け “神の手を持つ時計師” と評判になります。

修復の傍ら、一点ものの時計や作品も製作。サンド・ファミリー財団との出会いがあり、1996年に自身のブランドである「パルミジャーニ・フルリエ」を立ち上げることになります。ブランド設立後も、修復部門は存在し、修復した過去の複雑時計などは、ブランドの時計製作におけるインスピレーション源になっているといいます。

 

サンド・ファミリー財団

スイスの大手製薬会社ノバルティスの母体となる会社を築いたサンド家による「サンド・ファミリー財団」。希少なオートマタ(機械仕掛けの人形)や機械式時計のコレクションを保有していました。その修復や管理をパルミジャーニ氏に任せたことから、パルミジャーニ・フルリエ設立をバックアップすることになります。

その後、2000年代前半に時計製造関連の企業を買収または設立(年表 【※1】~【※5】)し、グループ化。他ブランドにも部品供給を行うようになります。さらに、アトカルパ社でヒゲゼンマイの開発や製造も実現。時計製造に関わる会社をグループ内に垂直統合することで、パルミジャーニ・フルリエは、どの時計グループにも属さず、ほとんどの部品を自社グループで調達できる、独立したマニュファクチュール(自社一貫製造する時計メーカー)となりました。

 

グイド・テレーニ

設立25周年の2021年に、新CEOとなったのが「グイド・テレーニ(Guido Terreni)」氏。ブルガリで時計部門を率いて「オクト」などを手掛け、時計ブランドとして成長させた立役者です。2021年の1月に、パルミジャーニ・フルリエのCEOに就任、8か月後の9月にはトンダPFを発表しており、そのスピード感は、自社グループ内で時計製作をほぼ完結できるパルミジャーニ・フルリエの強みや特徴を表しているようです。

 
パルミジャーニ・フルリエ トンダGT オートマティックパルミジャーニ・フルリエ トンダGT クロノグラフ

(2020年発表「トンダGT」シリーズ  前CEO「ダビデ・トラクスラー」氏の指揮のもと、初代オーヴァーシーズなどを手掛けた外部デザイナー「ディノ・モドロ」氏を起用。パルミジャーニ・フルリエ流の「デイリーユース」を意識した、ブランド初のラグジュアリースポーツ系モデルとして開発。今までにない注目を集め、人気モデルとなる 出典:パルミジャーニ・フルリエ公式WEBサイト)

 

歴史的なタイムピースの修復にルーツを持ち、小規模ながら独立した時計ブランドとして愛好家に評価の高かった「パルミジャーニ・フルリエ」。知る人ぞ知るニッチな実力派といった存在でしたが、2020年発表のラグジュアリースポーツウォッチ「トンダGT」が人気作となり、今回の時計「トンダPF」でさらに注目を高めることとなります。

 

トンダPFについて

パルミジャーニ・フルリエ2021年発表モデルから: トンダPF クロノグラフパルミジャーニ・フルリエ2021年発表モデルから: トンダPF アニュアルカレンダー

(「トンダPF」2021年発表モデルから  一体型ハイビートムーブメントを搭載した「クロノグラフ」 出典:パルミジャーニ・フルリエ公式WEBサイト   年次カレンダーとムーンフェイズ表示を備えた「アニュアルカレンダー」 出典:パルミジャーニ・フルリエ公式WEBサイト

2021年に発表された「トンダPF」。「トンダ(tonda)」はイタリア語で「円形」を意味します。3種類の通常モデルと1種類の限定モデルが発表されました。今回ご紹介するのは、シンプルな自動巻き2針「マイクロローター」モデルのステンレス素材。他に「クロノグラフ」、「アニュアルカレンダー」、限定25本でプラチナの「スプリットセコンド クロノグラフ」も登場しました。

では今回の「トンダPF マイクロローター」を見てみましょう。

 

今回の時計を見てみましょう

トンダPFの全体トンダPFのケースやダイアル

(今回の時計:トンダPF マイクロローター ケースとブレスレットは一体感があり、つや仕上げの使い分けで上質感が漂う)

こちらが、今回の時計で2021年発表の「トンダPF マイクロローター」。ステンレス素材でブレスレット仕様 (のちにRG素材に革ベルト仕様も登場) の1本となります。丸型のケースで、ブレスレットは2020年発表の「トンダGT」と同様に、ケースと滑らかにつながるような一体感あるフォルムとなっています。ベゼルはプラチナ製。手作業のローレット加工による細かなコインエッジパターンが刻まれています。

 
トンダPFのダイアルトンダPFのダイアル

(針、インデックス、ダイアルなど各要素がシンプルなため、細部の装飾が引き立っている ダイアルのバーリーコーン模様は細やかで上品な印象)

トンダGTと大きく異なるのがダイアルの印象。ギョウシェ模様が「バーリーコーン(麦の穂)」模様に変わりました。この模様はローターによく使われた古典的な装飾。目が細かく、角度によっては無地にも見えるくらいの抑えた印象です。ダイアルの外周部にはわずかな段差があり分目盛りが入ります。

ダイアル色は、温かみのあるウォームグレー。インデックスは短く、ブランド名は楕円形の「PF」マークになりました。針は肉抜きされた「デルタハンド針」で、秒針は省かれ、日付の背景もダイアルと合わせた色で、すっきりまとまっています。ダイアル上の要素が少なく、控えめに配置されることで、丁寧な仕上げやさりげないブランドらしさが際立ちます。

 
トンダPFのリューズ側サイドトンダPFの9時側サイド

(スポーティーで薄型なフォルム。搭載する自動巻きムーブメントは約3mmの薄さ  しずく型のケースラグとブレスレットが自然につながって見える造型)

リューズは、ねじ込み式で100m防水となっています。ケースの厚さは約7.8mmで、非常に薄く仕上がっています。ケースから張りだしたラグは、サイドから見るとパルミジャーニ・フルリエの時計によく見られる「しずく型」になっています。

 
トンダPFのムーブメントトンダPFの後ろ姿

(美しく仕上げられたムーブメント。右上部分プラチナ製のマイクロローターにはダイアルと同様の「バーリーコーン」彫刻が施されている バックルの留め具には楕円形のPFマーク)

裏蓋はシースルーバック仕様。マイクロローターはプラチナ製でムーブメントに埋め込まれ、薄型化に貢献しています。比重の重いプラチナを用いることで、効率的に不利なマイクロローターの欠点を補っています。

ケース一体型としてデザインされたブレスレットは、一つ一つのコマの幅が短く、着用感も良さそうです。また、ヘアライン仕上げとポリッシュ仕上げを巧みに使い分けていて高級感を醸し出しています。

 

トンダGTと同様のケースやブレスレットに、ダイアルのデザイン等ですっきりとモダンに仕立てたトンダPF。文字盤のギョウシェなどに、ブランド特有の要素がさりげなく残されており、グイド・テレーニ氏が目指したという「リッチ・ミニマリズム」が体現されています。

 

新たな方向性を示した1本

パルミジャーニ・フルリエ2022年新作から:トンダPF GMT ラトラパンテパルミジャーニ・フルリエ2022年新作から:トンダPF オートマティック

(2022年新作「トンダPF ラトラパンテ」…8時ボタンでシルバーの時針が1時間動き、リューズのボタンで元に戻るという、外観も操作もシンプルなGMTモデル 出典:パルミジャーニ・フルリエ公式WEBサイト   「トンダPF オートマティック」…小ぶり36mmサイズの2針モデル。2022年ジュネーブ時計グランプリ(GPHG) のレディース部門で受賞) 出典:パルミジャーニ・フルリエ公式WEBサイト

 
トンダPFは、2022年に「GMT ラトラパンテ」、36mmサイズの「オートマチック」、「スケルトン」などの新作が加わり、これらも話題となりました。パルミジャーニ・フルリエは、スポーティーな「トンダGT」とモダンな「トンダPF」を、主軸モデルとして展開していく模様です。

スポーティーと高級感のバランスを、極めて控えめに表現した「トンダPF」。ブランドやモデルを主張しすぎず、薄いけれどドレスウォッチほど繊細過ぎない、ブランドの新たな方向性を示した1本ではないかと思います。

 

パルミジャーニ フルリエ  トンダPF マイクロローター
PARMIGIANI FLEURIER(パルミジャーニ フルリエ) トンダPF マイクロローター
 (PFC914-1020001、SS/PTベゼル、40mm径、自社製PF703自動巻きムーブメント、未使用品)

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