シャネルが誇るコンプリケーション 『ムッシュー ドゥ シャネル スーパーレッジェーラ』
2022-11-01 11:30
本日ご案内する腕時計は、シャネルの「ムッシュー ドゥ シャネル スーパーレッジェーラ」でございます。
シャネル
「シャネル」とは、1910年「ガブリオレ・シャネル」によってパリに設立された、フランスの高級ファッションブランドです。
出発点は帽子のアトリエですが、ガブリオレ・シャネルの類稀なセンスと努力によって現在では世界中で愛されるブランドへと成長しています。
商品のラインナップは、服飾や化粧品、レザーグッズ、香水など様々ですね。もちろん腕時計の取り扱いもございます。あまりブランドにこだわらない男性の皆様でも、ご存じの方が多いのではないでしょうか。日本でも大人気のブランドです。
ムッシュー ドゥ シャネル
「ムッシュー ドゥ シャネル (MONSIEUR DE CHANEL) 」とは、2016年に発表されたシャネル初の自社ムーブメント 「CHANELキャリバー1」を搭載した、複雑時計のシリーズです。
大きな特徴は、「レトログラード分表示」と「ジャンピングアワー」という2つの複雑機能を備えていることですね。開発には5年という期間を費やした、シャネル渾身のコンプリケーションです。
複雑機能その①
≪ レトログラード分表示 ≫
「レトログラード」とは、フランス語で「逆行」を意味します。針が端に到達するとスタート地点へ戻るという、反復運動を行う機能のことですね。
こちらのモデルの場合は、ダイヤル上部を占める0から60までの扇形のエリアとなり、そちらで分を表します。
文字盤スペースには限りがある為、180°以内の扇形での運針が一般的ですが、240°という開放的なデザインにこだわりを感じます。
複雑機能その②
≪ ジャンピングアワー ≫
「ジャンピングアワー」とは、その名の通り、1時間ごとに時間が瞬時に切り替わる機能のことです。
ダイヤル6時側に配された小窓のなかの数字が時間を表します。
分針と連動して動く時針は、備わっておりません。
※左側の画像と合わせると、時計上の時刻は7時46分となります。
ムッシュー ドゥ シャネル スーパーレッジェーラ
本日ご案内している「ムッシュー ドゥ シャネル スーパーレッジェーラ」は、2021年にシリーズの仲間入りを果たしたモデルです。ダイヤル上部のCHANELのロゴの下の赤い「Superleggera」のマークが特徴的です。
Superleggera(スーパーレッジェーラ)とは「超軽量」を意味するイタリア語です。
1950年代に、車体メーカー「カロッツェリア トゥーリング」が手掛けた、高級スポーツカーの軽量車体に掲げられていたスーパーレッジェーラのロゴに魅了された、シャネルのアーティスティックディレクターのジャック・エリュ氏が、憧れのエンブレムをデザインに取り込みました。シリーズの中では、精悍な雰囲気を持ったモデルとなっています。
また、ミドルケースに艶消しのブラックセラミックを使うなど、ブラック系がベースとなったデザインがとてもクールですね。機能だけではなく、美しさも同居しているところは流石の一言です。
ローマン・ゴティエ
最後になりましたが、「CHANELキャリバー1」のご説明です。
ムッシュー ドゥ シャネルの作成は一からデザインしていたそうですが、既存のものを使用せずに開発を進めることは、非常に困難を伴います。そこで、協力を仰いだのが「ローマン・ゴティエ社」ですね。
「ローマン・ゴティエ社」 とは、2005年創業者ローマン・ゴティエによってスイスに設立された高級時計ブランドです。
高精度のパーツ製造が可能で、尚且つ自社ブランドを展開していますが、何よりも加工精度の誤差が±2ミクロン(1000分の2mm)という、スイスでもトップクラスの超精密切削技術が最大の魅力です。
「CHANELキャリバー1」には、ローマン・ゴティエ社から提供された歯車を含む幾つかのパーツが使用されています。同社の協力があってこその完成ですね。シャネルは、2011年からローマン・ゴティエ社へ出資していたので、この時期から本格的な機械式時計開発への舵取りを行っていたのかもしれません。
まとめ
その他、ムッシュー ドゥ シャネルのシリーズには、ライオンをモチーフにしたゴールドモデルや、文字盤に大理石を使用した限定モデルなどが存在します。
本日、ご案内させて頂きましたモデルは限定ではございませんが、流通量が少ないのか、あまり目にする機会がございません。
こだわりの腕時計をお探しの方にはお勧めですので、是非一度お手に取ってご覧いただければと思います。