今注目の「ポストヴィンテージ」ウォッチ! その魅力と選び方、おすすめ時計をご案内
2022-07-04 11:30
エバンス オンラインショップ担当の大貫です。
突然ですが、みなさんは、どんな基準で時計を選びますか?「新作」「ダイバーズ」「金無垢」「限定」「資産性」などなど、人それぞれに時計を選ぶ基準があると思います。最近の腕時計は、性能が飛躍的に向上したことで非常に高コストで、また物価高も重なったことで、時計の市場相場は大きく上昇し、100万円を超える時計も珍しくありません。
そんな中、中古商品をお求めになるお客様が多く、エバンスにおいても非常に需要が高まっています。中古品であれば、お求めやすい価格帯も多く、過去の名作なども豊富に選ぶことが可能です。
また「ヴィンテージ」「アンティーク」といった時計が気になる方も多いともいます。エイジングされた佇まいは独特な雰囲気で、唯一無二の存在感がありますね。ただ私もヴィンテージウォッチが大好きで、いくつか所有しているものの、やはり失敗もあり、万人におすすめするのが難しいのも正直なところです。
そこで、今回お勧めするのが「ポスト ヴィンテージ (セミ・ヴィンテージ )」というカテゴリで、注目が集まってきています。
アンティークとヴィンテージの違い
腕時計の場合、基本的にクォーツ時計が全盛となる1970年代までの時計を「ヴィンテージ」「アンティーク」と呼ばれており、状態の良いものを探すのが難しく、見た目が良いものでも、ムーブメントのコンディションや修復歴、材質のクオリティ、オリジナル性、相場感などなど、比較・検討する部分が非常に多く、腕時計におけるアンティーク品、ヴィンテージ品は、玄人向けといえるでしょう。
ちなみに「アンティーク」「ヴィンテージ」といった呼称がありますが、腕時計の場合、特に日本では同じような意味で使用されています。
一般的に「アンティーク」は、いわゆる “骨董” にあたり、100年以上経ったものを指します。一方「ヴィンテージ」は、もともとはワインの収穫から瓶詰めまでの製造工程を表す言葉で、ワインの当たり年を指す用語。ヴィンテージ・ワインといったように古い高級ワインを意味する事から、“年代物” を指します。語源はフランス語の “vendange” で、さらに遡ればラテン語の「ぶどうを収穫する」という意味からきているようです。
状態のよく希少なモデルは、超高額となることがあります。同じ時計でもコンディション次第でその価値が大きく変わってくるのも特徴です。
「ポスト(セミ) ヴィンテージ」とは?
今回お勧めする「ポストヴィンテージ」または「セミヴィンテージ」と呼ばれる時計は、最近雑誌などで取り上げられてきています。
「 ポストヴィンテージ 」ウォッチは、1980年~2000までに製造されたものを指します。どちらかといえば現在のモデルに近いタイプになりますので、復刻モデルも多い昨今では、探しにくいのも確かです。
復刻版など、過去のモデルを忠実に再現した商品もありますが、その分価格は高めになりますし、中古ならではのエイジング感は感じられません。
ポストヴィンテージウォッチの魅力
アンティークウォッチの購入に二の足を踏む理由に、「壊れやすい」 「防水性がない」 「修理が高額」 「小さすぎる」といった 普段使いを考えると取扱いを気にするものが多いのが事実。
またアンティークは、それこそ1点ものになるので価格はピンキリですが、「ポスト ヴィンテージ」は、まだまだ同型のモデルが市場に出回っていることもあり、ある程度比較ができます。市場相場が分かりやすく、程度こそあれコンディションもまずまずのものも多く存在します。
適度なエイジングが楽しめる
夜光塗料や文字盤の変色など、年数重ねた時計のみから生み出される味わいが魅力です。
いまの「ポスト ヴィンテージ」「セミ ヴィンテージ」と呼ばれるモデルも、これから年数が経つにつれて「ヴィンテージ」「アンティーク」と呼ばれることになりますので、育てる楽しみもあります。
日常生活でも使いやすい耐久性と防水性
1980年前後からケースの加工精度が格段に上がりましたので、ケースの堅牢性、防水性も現在のモデルとそう変わりません。
「ポストヴィンテージ」では、比較的レトロな雰囲気ながら、耐久性・防水性もある程度確保できており、日常使いができます。まだまだ状態の良い個体も多く、有名メーカーのモデルでも、それほど高額となっていない個体もあります。
現行モデルに無いデザイン
20年、30年とデザインが変わらないモデルがある一方。数年でモデルチェンジするのが時計業界の常。当時は人気が無かったものでも、今では斬新で個性的なモデルとして人気となっているモデルも多数あります。
メンテナンスのしやすさ
古い時計の場合、メンテナンスを受け付けていないブランドもありますが、 1980年~1990年代の時計の場合、まだまだメーカーでのメンテナンスも受けやすい点もポイントです。 もちろんメーカーでなくとも修理は可能ですが、費用や信頼できる修理依頼先を探すことからスタートしなければなりません。
ポストヴィンテージウォッチの探し方
ポストヴィンテージ時計を見つけるポイントはいくつかありますのでご紹介したいと思います。
文字盤に「T」の文字
夜光塗料に“トリチウム”を使用したもの。1998年頃までしか使用されていないので、見分けるポイントとなります。光を蓄えて発行する「蓄光」でなく、素材自体が常に光ります。年数が経つにつれて発光が減衰しますので、機能的ではありませんが、その分、素材自体の色味が楽しめます。
保証書の日付
当時の国際保証書が付いているものであれば、保証書に記載されている日付で判断します。また、一部ブランドでは「アーカイブ」と呼ばれる当時の製造状況が確認できる証明書を発行(有料)しています。
各中古販売店では、あらかじめ取得し時計の付属品として添付している場合があります。「保証書」は“販売年”が分かり、「アーカイブ」ではモデル番号やシリアル番号から、“製造年”を確認することができますが、アーカイブは真贋鑑定書ではないので、ご注意ください。
限定モデルを探す
限定品であれば基本的に発売年が決まていますので、非常に選びやすいポイント。分かりやすいですね。希少性もありお勧めです。
問い合わせる
ホームページ上の商品説明などに記載している場合もありますが、多くの時計を扱う時計なら、その時計のおおよその年代は把握していると思いますので、問い合わせてみましょう。
選ぶ際の注意点
商品を選ぶ際のチェックポイントは、主に「文字盤や針の劣化具合」「ブレスレットの伸び具合」。基本はこの2点ではないでしょうか。文字盤の劣化は“味”、“エイジング”と思えばプラス材料です。
ブレスレットの伸び具合は実用性を考えると注意が必要。耐久性が弱くなっておおり、破損することも考えられます。破損した場合は修理で治らないこともないのですが、ブレスレット全体が劣化している場合は、交換が必要となります。
古いモデルの場合、メーカーでブレスレット単体のストックはないことが多いため、修理・修正不可となるケースが大いに考えられます。
また、リセールバリューを考えると、できれば当時の付属品があった方が良いですが、ぜひ時計とともに年を重ね一生モノとしていただければ幸いです。
アンティークやビンテージもそうですが、ポストヴィンテージ品もオンリーワンウォッチとなりえますし、いつしかアンティークの部類にの仲間入りすることに。個性的なアイテムを身につける喜びを味わってみてください。
1990年代のおすすめポストヴィンテージ
最後にコストパフォーマンスに優れる、90年代の(個人的な)名作をご紹介します。記事作成時点では、まだまだお求めやすい価格帯ですが、今後相場が上がっていくかもしれません。