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ヴァシュロン・コンスタンタン「ハーモニークロノグラフ」

2022-07-05 11:30

こんにちは、銀座エバンスの稲田です。
本日はヴァシュロン・コンスタンタンから「ハーモニークロノグラフ」のご紹介です。

ヴァシュロン・コンスタンタンとは

創業1755年、今年で267周年を迎えた老舗メゾンの世界三大時計ブランドのひとつです。創業者はジャン=マルク・ヴァシュロン、最初の時計は懐中時計でした。孫であるジャック・バルテルミー・ヴァシュロンと、フランソワ・コンスタンタンが出会い、1819年に「ヴァシュロン・コンスタンタン」という会社が誕生しました。

同社は現在スポーツウォッチのオーヴァーシーズを主力とし、パトリモニーとトラディショナルという不動のドレスウォッチや、近年ではフィフティーシックスというクラシカルとモダンの融合モデルの製作に力を入れています。また、定価をはじめから一千万以上に設定をしているメティエ・ダールは、文字盤上に地図や地球、中国の干支や古代文明のマスクなど、熟練の時計師による見事な手彫りを施した彫金の芸術作品を腕時計にしたコレクションです。

特筆すべきはヒストリーク・アメリカンというクラシカルなモデルのことです。(上写真)1910年代後半からずっと、この特別なモデルの”クッション型ケース”はヴァシュロン・コンスタンタンを象徴するデザインのひとつです。1920年代当時、アメリカでは懐中時計を身に着けることがステイタスでした。そして、このヒストリーク・アメリカンは、当時奇抜ながらもリューズが1時位置に取り付けられており、懐中時計風の腕時計として大流行しました。その伝説的なモデルを100年以上経った今もなお、レギュラーモデルとして大切に作り続けています。懐中時計から始まった歴史あるメゾンだからこその選択なのですね。

ヴァシュロン・コンスタンタンは例え二世紀も前のモデルでも確実に修復をしてくれる、数少ないメーカーです。可能な限り、オリジナルの部品を使用し、もしもその部品が使えない状態にある場合、全く同じ部品を一から製作するそうです。このことにより、世代から世代へ大切な時計を受け継ぐことができる、世界三大時計ブランドであることの所以ですね。

ハーモニーとは

1928年にヴァシュロン・コンスタンタンが発表した最初のクロノグラフのケースに採用されていたのが、クッションケースでした。その初期モデルから着想を得て、新しく現代風に製作したのが2015年に発表をしたハーモニーコレクションです。

ゆるやかにカーブをしたケースに、同じくカーブを付けたクッション型のベゼルを乗せて、ベゼルギリギリの大きめな丸形サファイアクリスタルをセットした美しい形をしています。ワンプッシュクロノグラフモデルのリューズは少しふくらみが付いていてクラシカルな印象を与えてくれますし、サイズ感も操作性も抜群でこのケース形状に本当にぴったりなんです。古過ぎず、新し過ぎない完璧で立体的なケースデザインは、着用した人にしか味わえない素晴らしい着け心地です。

2016年にレギュラーモデルの仲間入りをした同コレクションは、ベゼルにダイヤモンドを敷き詰めたレディース(同社初のレディースクロノグラフ)も展開していたのですが、惜しくも生産終了をしてしまい、現在では出会える機会もめっきり少なくなっています。シースルーバックモデルに関して、裏蓋の大きく開いたサファイアクリスタルから覗けるムーブメントはジュネーブシールを取得しており、主に審美的価値を大切にしているため、細部に至るまで見事な仕上げを堪能することができます。前述した同じクッション型ケースのヒストリークアメリカンとはまた一味違った印象と着け心地のレアモデル、それがハーモニーコレクションです。

ハーモニークロノグラフ

今回ご紹介するハーモニークロノグラフは、1755年の創業から260年経った2015年に、記念モデルとして発表されました。通常、クロノグラフはリューズの上下にスタートストップ・リセットボタンが取り付けられており、ゴツゴツした男性的な印象のものが多い中、このモデルはリューズの先端に取り付けられたひとつのプッシュボタンによって、簡単にストップウォッチの操作ができるという画期的な部品を採用している”ワンプッシュクロノグラフ”なんです。

このことにより、クラシカル感がグッと増し、非常に上品な見た目を実現しており、さすが世界三大時計だと唸るポイントのひとつだと思います。リューズのほどよいふくらみも大きさもバランスが抜群ですし、金無垢のケースと更にベゼルに金無垢を重ねているので、意外と重みはありますが、腕に乗せると女性の私 (手首回り15cm) でも着けられるサイズ感で本当に心地よい感覚が味わえます。

文字盤には見慣れない40~200の赤い目盛りの表示があるのですが、これは「パルスメーター」といって簡単に”脈拍”を測ることのできる機能で、ドクターズウォッチと呼ばれるアンティークウォッチにかつて表記されていたものです。クロノグラフ針を作動し、脈が30回打った時に針を確認すると、一分間の脈拍数を計測することができる優れものです。この目盛りがあるだけで一気にクラシカルな印象が強まり、書体が繊細なので針を読み取るのも容易ですし、ピンクゴールドケースの色味とマッチして大変まとまりのある文字盤となっています。画像や一目見ただけではこのモデルの良さは決してわからない、手に取ってじっくり見て腕に乗せてみて初めて好きになってもらえる、と私は思うのです。

おわりに

いかがでしたでしょうか。
オーヴァーシーズばかりが顕著な人気を保っており、最近はフィフティーシックスにも注目が集まっている中、今回ご紹介したハーモニーのようなクラシカルなモデルにも今一度目を向けて愛でる気持ちを共感して頂きたく、この記事を作成致しました。

リセールばかりに考えが行きがちな今日この頃ですが、相場にとらわれず、人が着けていない珍しいモデルにも注目してみてはいかがでしょうか。
この記事を読んで気になられた方は私までご連絡くださいね。
みなさまのご来店、心よりお待ち申し上げております。

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