こんにちは、銀座エバンスの稲田です。
今回は前回記事「デイトジャスト徹底比較!①」の第二弾、6桁の36mmにスポットを当ててお話させていただきます。
Ref.116233とは
2003年にRef.116238(イエローゴールド無垢のデイトジャスト)が登場し、その翌年に発表されたステンレスとイエローゴールドのコンビモデルです。
前作との違いは、ボリュームアップして丸みを帯びたケースとラグ、中空だったブレスレットが、金の塊を繋げて作られた頑強なつくりへと変更となり、クラスプ(留め金)も分厚く耐久性を強化した仕様となりました。(下写真)
2021年現在、キャリバーや文字盤を進化させながら現行のデイトジャストまでこれらの仕様は受け継がれています。言うなればこの6桁モデルがデイトジャストの完成系だったということなんですね。
Ref.116233のキャリバーはCal.3135で、前作Cal.3035との違いは心臓部のテンプを両手で支えるツインブリッジへ、進み遅れを調整する部品がマイクロステラスクリューから、マイクロステラナットへと変更され、耐久性とメンテナンスの効率を上げる仕様となりました。また、2007年頃からテンプのヒゲゼンマイが改良されて、美しい青色のブルーパラクロムヒゲゼンマイに進化し、耐磁性も併せ持ったキャリバーへと進化を遂げました。
これまでに何度も私の記事で取り上げている、傑作キャリバー”Cal.3235”が誕生するまでの二十数年(5桁のデイトジャストからずっと同じキャリバーなのです…!)、ロレックスの主要モデル(デイトジャストだけでなく、サブマリーナデイトにも搭載されています)を支え続けてくれた長寿の名機、それがCal.3135なのです。
Ref.116233の他、Ref.116234(ステンレスとホワイトゴールドコンビ)、Ref.116231(ステンレスとピンクゴールドのコンビ)、Ref.116200(オールステンレスモデル)があり、ダイヤインデックスのものや、マザーオブパールを採用したシェル文字盤、ロレックスの文字がたくさん彫られているコンピューター文字盤など、ロレックスのモデルの中で一番種類豊富なモデルがこの6桁のデイトジャストです。
一番上の写真を見ていただくと分かりますが、変わり種文字盤が突如登場して我々も驚かされましたが、この頃から女性もこのくらいの大きさのサイズを着けることが浸透して来たように思います。
ちなみに、レディースの5桁のモデルはRef.79173、6桁になりRef.179173とリファレンスが変更されました。前述した仕様の変更は同じで、メンズ・レディース共に、新型の”型番”は頭に「1」が付く簡単な変更だったので、型番を全部覚えている我々にとってほっと胸をなでおろした出来事だったのを思い出しました。
現在は生産終了していますが、未だ根強く人気のあるモデル、それがRef.11623系なのです。
Ref.126234とは
2019年に登場したRef.11623系の後継機で、キャリバーはCal.3235が搭載された現在の最新モデルです。前作との違いは、全体的に丸みを帯びたフォルムが、オリジナルに近いラグがシュッとしたデザインへと変更され、角がなかったケースがエッジの効いたシャープな作りとなりました。(上写真)
クラスプ(留め金)は、コンシールドタイプのクラウンクラスプ(金属の見えないロレックスの王冠マークの留め金)から四角い留め金”オイスタークラスプ”へと変更されました。(下写真)クラウンクラスプは金無垢が先駆けで、コンビやステンレスモデルに採用されていると高級感を伴いますが、王冠が取れてしまったりするハプニングが相次いだため、使いやすく頑強なオイスタークラスプへとチェンジされたのだと推察します。ちなみに、レディース(Ref.279174など)・ボーイズ(Ref.278274など)は新型になってもジュビリー(5列)ブレスは従来のコンシールドタイプのクラウンクラスプが採用されています。ドレス感の強いのものを好む女性のための腕時計だからこその、選択なのでしょうね。
Ref.126234(ステンレスとホワイトゴールドコンビ)の他、Ref.126233(ステンレスとイエローゴールドコンビ)、Ref.126231(ステンレスとピンクゴールドコンビ)、Ref.126200(オールステンレス)があり、下写真が今年2021年の新文字盤です。
そして残念ながら、まだ一度も入荷したことがないので載せれなかったのですが、”パームモチーフ”というヤシの木の葉っぱが大胆に描かれた、洗練されている上に可愛らしい文字盤が登場しました。色はオリーブグリーンとゴールド、シルバーの三色で、やはり緑が一番可愛くて個人的に熱望しているモデルです。みなさん、お時間がございます時に一度ロレックスのホームページをご覧になってみてくださいね。
いずれもスポーツモデル同様、デイトジャストまでもがロレックスの正規店での購入が困難という事態が起こっており、それぞれ幅があるものの、すべてがプレミア価格となってしまっています。例えば5年・10年前からは想像もしていなかった異常な事態になっており、それは昨今のコロナ渦による未曽有の状況であるが故の仕方のないことなのです…全モデルの生産が止まってしまっていることによる、極端な生産本数の激減と、突然需要が高まったことによる市場への影響です。まさか時計業界にまで及んでいるとは、みなさんも驚かれたことでしょう。一日でも早く終息をしてくれることを祈るしかないですよね。。
文字盤いろいろ
こちらはRef.11623系文字盤の一部のご紹介です。冒頭でお話した歯車にも見えるお花モチーフの文字盤、”ROLEX”の文字がまるで波の流れるように並んでいるウェーブ文字盤などが登場し、私達を楽しませてくれました。
そして特筆すべきは一番左のツートンカラー文字盤で、これは1940年代のバブルバックを彷彿させる昔からあるデザインで、ロレックス愛好家にとってにはたまらないのではないでしょうか。
ちなみに、レディース(Ref.17917系)にも珍しい文字盤が存在し、例えばシェル文字盤にゴールドの吹き付け加工を施した”ゴールドダスト”文字盤、メテオライトのような模様の”ゴールドクリスタル”文字盤(これは金を鋳造する途中の結晶をそのまま文字盤にしていて、ひとつとして同じ模様の文字盤がないのが特徴です)などが存在します。メンズ・レディース共に、新型が発表された時点でこれらは生産終了文字盤となっており、現在市場でもあまり見かけないレアモデルなんですよ。
こちらはRef.12623系文字盤の一部のご紹介です。左から二番目の文字盤色が2019年の新色、”オーベルジーヌ”というフランス語で野菜の茄子(ナス)を意味するナス色=紫色が新登場しました。
6時・9時位置のローマ数字が他の数字より少し大きくなっており、そこに小さなダイヤが敷き詰められています。このデザインは2018年に仲間入りしたのですが、普通のローマ数字文字盤に比べて一段と華やかで、現在も引き続き生産されている人気の文字盤です。
また、前述した葉っぱ文字盤、ゴールデンパームはRef.126233のみ、シルバーパームはRef.126231にのみに存在します。ちなみに、オールステンレスとステンレスとホワイトゴールドコンビにはオリーブグリーンの文字盤のみです。
これからもいろんな文字盤の登場が今から楽しみですね。
おわりに
いかがでしたでしょうか。
次回はついに完結編、まさかの第三弾にまで及ぶデイトジャストブログ、6桁の41mmモデルについてお話させていただきます。
みなさまお楽しみに!