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ひと味違う1本。「IWC ポルトギーゼ クロノグラフ “クラシック” IW390403」2021年5月3日

2021-05-03 10:30

今回のエバンスブログは「IWC ポルトギーゼ クロノグラフ “クラシック”」Ref.IW390403のユーズドウォッチをご紹介します。2013年にポルトギーゼ コレクションに加わり、2017年にデザイン変更により生産終了となった初代の「クラシック」モデルです。

 

今回の時計の概要

IWC ポルトギーゼ クロノグラフ クラシック Ref.IW390403IWC ポルトギーゼ クロノグラフ クラシック Ref.IW390403

(今回の1本 ■ポルトギーゼ クロノグラフ “クラシック” Ref.390403 ■新品ベルト(モレラート社製)に交換済み、裏蓋はシースルー)

こちらの「ポルトギーゼ クロノグラフ クラシック」は、2013年~2017年頃まで作られていたモデル。角の丸みが大きいドーム型のサファイアガラス風防が特徴的な1本。42mm径ケースに自社製自動巻きムーブメントを搭載したクロノグラフウォッチです。

 

IWC

1868年に、アメリカ人技術者 F.A.ジョーンズが設立した「IWC」。創業150年を超える長い歴史を持ち、現在はリシュモングループに属します。スイスの時計ブランドでは珍しく、ドイツ国境近くのSCHAFFHAUSEN(シャフハウゼン)に拠点を構えます。現在はパイロットウォッチ、ポルトギーゼなど、6つのコレクションから構成されています。

 

「ポルトギーゼ」という時計

1939年の初代ポルトギーゼ Ref.3251995年 ポルトギーゼ初となるクロノグラフモデル「ラトラパンテ」Ref.3712

(■1939年の初代ポルトギーゼ(Ref.325 上写真) ■1995年に限定発売された初のクロノグラフモデル「ラトラパンテ」(Ref.3712) 出典:IWC公式サイト「ポルトギーゼの歴史」https://www.iwc.com/ja/watch-collections/portugieser.html

ここで、現在のIWCを代表するモデルの一つ「ポルトギーゼ(Portugieser)」の概略を振り返ります。

1939年 ポルトガル人時計商のリクエストで誕生(Ref.325 上写真)。懐中時計のムーブメントを搭載した大型の民間用時計だった。
1980年代初め 第3世代モデル(型番はRef.325)が生産終了
1993年 創業125周年記念として復刻モデルが限定で誕生(Ref.5441)
1995年 ポルトギーゼで初めてクロノグラフを搭載した「ラトラパンテ(Ref.3712 上写真)」が限定モデルとして誕生
1998年 ポルトギーゼ クロノグラフ(IW3714系)が通常モデルとして誕生
2004年 自社ムーブを搭載したポルトギーゼ オートマティック(IW5001系)が通常モデルとして誕生

2人のポルトガル人時計商による「マリンクロノメーター級の高精度な腕時計」という注文で誕生した初代「ポルトギーゼ」。高精度で薄い懐中時計用の大型手巻きムーブメント(Cal.74)を搭載した約42mm径の3針モデルでした。

途中で生産を中止しながら、継続されていたものの、1980年代初めに生産終了。ここまでの生産本数は数百本レベルで、まさに異端の時計だったようです。

再評価され、人気が高まるのは、1993年の復刻モデル以降のこと。シリーズを代表する「クロノグラフ」や「オートマティック」など、その展開を広げていくこととなります。

 

「クラシック」の歩み

IWC ポルトギーゼ クロノグラフ クラシック Ref.IW390403IWC ポルトギーゼ クロノグラフ クラシック Ref.IW390403

(■今回の「クラシック」モデル IW390403(=SS素材/シルバー文字盤)。 他にIW390404(SS/スレートグレー)、IW390402(RG/シルバー)、IW390405(RG /スレートグレー) が存在 ■裏蓋からコート・ド・ジュネーブ装飾を施したムーブメントが見える)

2013年に、ワンランク上のポルトギーゼ クロノとして誕生したのが「クラシック(IW3904系)」。クラシカルな外観に、高性能な自社製ムーブメントを搭載、裏蓋がシースルーバック仕様になっている、高級感漂う上級モデルです。

ちなみに定番のポルトギーゼ クロノグラフ(IW3714系)は、汎用ムーブメントETA 7750がベースで、パワーリザーブは約44時間、裏蓋は金属製でした。(2019年からのIW3716系で自社ムーブメント&シースルーバック化しています。)

クラシックに搭載された自社製自動巻きムーブメント(キャリバー89361)は、ストップウォッチの再計測が容易な「フライバック」機構や、少ない動きでも巻き上げ効率の良い「ペラトン自動巻き」機構を搭載。68時間のロングパワーリザーブも実現しています。3時位置に日付表示が加わり、12時位置のクロノ積算計は時と分の2つの針が同軸にあり、経過時間を読み取りやすい仕様となっています。

初代「クラシック」は、2017年に現行モデルである後継機種(IW3903系 下写真)が誕生し、生産終了となりました。

ポルトギーゼ クロノ クラシック現行モデル IW3913

(■ 現行の「クラシック」(IW3903系) ■初代クラシックよりすっきりとした外観。ムーブメント(Cal.89361)は変わらず 出典:IWC公式サイト https://www.iwc.com/ja/search.html?q=IW3903)

現行のポルトギーゼ クロノ クラシックは、初代クラシックより風防の角の丸みが減り、文字盤外周の分刻みが一部省かれ、SSシルバー文字盤で青い針となるなど、初代「クラシック」よりシンプルで、定番のポルトギーゼ クロノに寄せた外観となっています。

 

定番クロノと比べてみました

定番ポルトギーゼ クロノとの比較:正面定番ポルトギーゼ クロノとの比較:横

(定番ポルトギーゼ クロノとの比較 ■正面から:定番クロノよりクラシックのほうが小さく感じる ■横から:ベゼルや風防周りに大きな違いが見られる。重さは定番 が約86g、クラシックが約110gで25gほどの差)

ここで、銀座エバンスで販売中の定番ポルトギーゼ クロノ(IW371446、シルバー文字盤、青針)のユーズドウォッチと比べてみましょう。

まずは正面から。定番のポルトギーゼ クロノとクラシックは、それぞれケース径40.9mmと42mmで約1mmの違いがあります。並べてみるとクラシックの方がむしろ小さく感じます。ベゼルの厚さ、風防の角の丸みのレンズ効果などで小さく感じるようです。

正面からのプッシュボタンの存在感も注目、定番のほうが引っ込み気味でクラシックの方が出ているように見えます。

次は横から。定番が厚さ 約12.5mm、クラシックが約14.5mmと、2mmほどの差があります。定番の広がるようなベゼルの形や、クラシックのガラスの厚みに、それぞれの個性が出ています。

見比べてみると、定番ポルトギーゼ クロノは、文字盤の存在感を最優先し、すっきりとして時代を超える潔さがある。かたや、今回のクラシックは往年の時計を思わせる優雅さがある。といったところでしょうか。

 

クラシカルでエレガントな1本です

IWC ポルトギーゼ クロノグラフ IW371446 着用例IWC ポルトギーゼ クロノグラフ クラシック IW390403 着用例

(腕回り約16.5cmのスタッフが、定番クロノと今回のクラシックとを腕に乗せてみました。)

IWCのポルトギーゼ クロノグラフ クラシック(初代モデル、IW370403)いかがだったでしょうか?

定番の「ポルトギーゼ クロノ(IW3714系、IW3716系)」と比べると、レトロな外観に、フライバック機能やペラトン式巻き上げを備えた上位ムーブメントを搭載しているという特別感。

現行の「クラシック(IW3903系)」と比べると、針の色が違い、風防の角の丸みが大きいなど、よりクラシカルで雰囲気のある外観。といった違いがあります。

そして、生産期間が約4年と短くレアな存在であるのも特徴。定番のポルトギーゼ クロノとも現行のポルトギーゼ クロノ クラシックとも、ひと味違うこのモデル。クラシカルでエレガントな1本です。

IWC ポルトギーゼ クロノグラフ クラシック IW390403 中古

「IWC ポルトギーゼ クロノグラフ クラシック (USED)」
 (IW390403、ケース径42mm、自動巻き、フライバッククロノグラフ、Cal.89361、2015年保証書)

 

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