IWCの永久カレンダークロノグラフ『GSTパーペチュアル・カレンダー』のメンテナンス
2020-06-22 11:00
ブログをご覧の皆様、こんにちは。アフターサービス部の竹内です。本日はIWC GSTパーペチュアルカレンダークロノグラフをご紹介いたします。
GSTパーペチュアルカレンダー(Ref.IW375607)の特徴
クロノグラフやムーンフェイズに加え、永久カレンダーを搭載したIWCのスポーツコレクション「GST」シリーズ。この永久カレンダーの特徴は4桁の西暦表示があり、100年に一度しか動かないスライド式の表示方式を採用している所です。操作は簡単でリューズのみで早送り(逆戻しは不可)することが出来ます。ムーンフェイズも連動しており細かい設定は不要となっています。
ムーブメントを分解
ダイアルを外した所です。仕上げも美しく複雑な機構がみられます。カレンダーの部分に目が行ってしまいますがムーンフェイズの仕上げも美しく仕上げられており星が煌いています。
全分解したところです。部品点数が多いので、洗浄用のバスケットもいっぱいです。この後洗浄して組み立てていきます。
ムーブメントの組み立て
テンプまで組み込みました。Cal.79261のベースムーブメントはエタのCal.7750ですが、トリオビス緩急針など改良が加えられ精度の向上等図られていますので通常の緩急針より調整が容易に行えます。
クロノグラフ機構を組んでいきます。精度、動作確認等問題がなければダイアル側を組んでいきます。
ダイアル側のクロノグラフ機構を組み込んだら、永久カレンダー機構の組み立てに入ります。肝心の車を気付かず裏返しで撮影してしまいました。中央左の円盤は早送り用のディスクになります。中央にある3本のバネは歯車の位置決めのバネで、先にルビーになっており摩擦を低減しています。
動作確認(2100年カレンダー動画あり)
永久カレンダー機構を組み込み動作確認をします。歯車同士の食い合いの位置が一つでもずれるとうまく表示できないので気をつけて組んでいます。西暦表示を組み込んで動作確認します。
せっかくなので、なかなかお目にかかれない2100年に変わる瞬間をご覧ください。次は80年後のお楽しみです。 このカレンダーの特徴は 、変わる瞬間を見たいからと早送りして確認することは可能ですが、逆に戻すことが出来ませんので、あと80年の忍耐が必要かも知れません。
最終チェック
ダイアル、針を取り付けてケースに組み込んでいきます。ケーシング後時間をかけてランニングテスト、持続テスト、カレンダーの変更などを確認していきます。
テスト完了後、ブレスレットを取り付けて最終チェックです。
商品を一つ一つ丁寧に作業している為、店頭にすぐお出しできない時計もありますが、しっかりとしたメンテナンスをする事でお客様に安心してお買い求め出来る様努めています。