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パテック フィリップの年式や製造年を確認するには?

2019-12-09 11:00

こんにちはエバンスの大貫です。今回は、パテックの年式や製造年の確認方法を調査してみました。

ロレックスと同様、中古やアンティーク市場で人気が高い「パテック フィリップ」。時計ブランドとしては最高峰に位置するパテック フィリップは、一生もののブランドとして知られています。

特に近年のスポーツモデルでは、異常なほどの人気となっていますが、「オールド・パテック」と呼ばれるヴィンテージモデルではバリーションも多彩で、年代による造形、搭載する美しいムーブメントなど、コアなファンが多く、非常に魅力的で、常に一定の人気があるコレクションです。

1945年製造のオールド・パテック

https://evance.co.jp/products/detail/14665

同様に人気のロレックスでは、シリアル番号からおおよその製造年代が判断でき、それによって人気を左右するモデルもありますが、パテック フィリップの場合、時計の外観から見える部分では、製造年などを確認することが出来ません。

国際保証書(ギャランティー)が付属する中古品では、「販売年月」の記載があり、おおよその年代は確認できるものの、製造年まではわかりませんし、「製造」から「販売」まで時間がかかる個体もあり、あくまで目安となります。


パテック・フィリップの製造年を確認する方法

ヴィンテージ・ウォッチでは、時計自体のコンディションはもとより、製造年や年式などを判断基準として見ている人もいるのではないでしょうか。製造年など背景の”情報”も重要だと思います。

パテック フィリップの場合、幾つかの確認方法がありますので、ご紹介したいと思います。


製造年の確認方法① アーカイブの取得

名前の通り、パテック フィリップ本社のアーカイブからデータを取得し、発行する証明書が≪Extract from the Archives≫、通称「アーカイブ」です。

時計のタイプ(腕時計かポケットウォッチか)、ムーブメント番号、キャリバー、ケース番号、スタイル(型番・素材など)、文字盤のタイプ、製造年月日、販売年月日、ブレスレットのタイプ等が記載が記されていますので、その個体の製造年だけでなく、製造当時の状態を確認することができます。

アーカイブ自体は真贋を鑑定するものではありませんが、オリジナル性を示す指針となっています。

1955年製造 カラトラバ Ref.96

https://evance.co.jp/products/detail/14798

【アーカイブ申請方法】

アーカイブは個人でも申請が可能です。ブティックへの持ち込みと、公式サイトからオンラインで申込する2通りの方法があります。

オンラインでの申し込みの場合、時計の詳細(ムーブメント、ケース、およびモデル番号)や、時計の外装やムーブメントの画像が必要となります。時計に問題が無ければ、支払完了から約12週間で、スイスから郵送されます。

アーカイブ申込ページはこちら( パテック フィリップ公式サイト )


【アーカイブ発行費用】

2019年12月現在のアーカイブ発行費用は、ブティックへの持ち込みの場合が、20,900円(税込み)、公式サイトの申込ページからでは、150スイスフラン(およそ17,000円前後)となりますので、費用や手間など考えますとオンラインでの申し込みがオススメ。

ただ、個人で申請を行う場合は、裏蓋を開け、ムーブメントを撮影しなければなりませんので、注意が必要です。

【アーカイブについての追加情報】(2021年4月1日以降)

2021年4月1日より、アーカイブ申請についてルール変更がありました。

  • 1989年までに販売された時計が対象(※)
  • 費用が、150スイスフラン → 500スイスフラン へ値上げ
  • 納期が、12週間 → 10週間 へ短縮
  • オンラインサイトのみでの受付

近年のモデルの場合、アーカイブの取得が出来なくなりましたのでご注意ください。(※2022年1月追記:いつの間にか更に変更があり、下記のようなルールとなっていました。)

このサービスは、 最初に販売された日が今から10年以上にさかのぼるパテックフィリップ・タイムピースのみを対象とし、ひとつのタイムピースについて12か月ごとに1回、リクエストすることができます。

https://www.patek.com/ja/%E3%83%AA%E3%83%86%E3%83%BC%E3%83%AB-%E3%82%B5%E3%83%BC%E3%83%93%E3%82%B9/extract-from-the-archives

製造年の確認方法② ムーブメントナンバーからの確認

パテックフィリップでは、シリアルナンバー(ケースナンバー)に加え、ムーブメント1つ1つにも固有の番号が存在します。1980年以前のオールド・パテックといったヴィンテージモデルでは、ムーブメントの種類(キャリバー)によって、製造年代がわかるモデルもあります。

例えば、上記画像のモデル「カラトラバ Ref.96」の場合、ムーブメントのキャリバーは「12-400」という種類で、ムーブメントナンバーは「724***」。

この「Cal.12-400」は、資料によるとムーブメントナンバーが「720000~729999」まで存在し、1950年~1961年まで製造されたムーブメントと確認できます。

改めて、取得したアーカイブをみると、製造年が「1955年」とありますので、アーカイブが無い場合でも、おおよその年代を確認することが出来ます。


製造年の確認方法③ 国際保証書記載のコードによる確認

国際保証書には基本的に販売年月日が記されていますので、おおよその年代を推し量ることができますが、国際保証書(ギャランティー)の販売年以外にも、正確な製造年、さらには何月に製造されたか、といったことが分かる場合もあります。

上記の国際保証書の画像を確認すると、左下の方にアルファベットが4つ並んだ暗号があります。

これは製造年コードと呼ばれ、メーカーでの管理番号の様で、こちらから製造年月を確認することが出来る場合があります。

製造年コード[PEPN]

画像の保証書では「PEPN」とあります。このコードは暗号になっており、下記の対応表にてアルファベットを数字に置き換えて読むことができます。

アルファベットPATEKHRONS
数字0123456789

上記の数字に置き換えますと、[P=0 E=3 P=0 N=8] 数字は”0308”。前半が月、後半が年になりますので、2008年3月と読むことができます。画像の保証書では、販売日が2008年7月26日ですので、製造から約4か月後に販売したことが分かります。

しかしながら、こちらのコードは、2008年後半には記載されなくなりましたので、残念ながら、それ以降は確認ができなくなっています。


オールド・パテックを選ぶ際は・・・

アンティーク、ヴィンテージといったモデルは、長い年月により経年変化によるエイジングなどで、他に一つとない個体となります。年代や製造年を確認することが出来れば、より愛着が深まると思います。

ただ、古い年代のモデルでは、アーカイブの有無が1つの指標になり、価格にも影響してくるオプションではありますが、アーカイブが無いことで候補から除外するのも、もったいないと思います。

1960年代のカラトラバ

たとえば、正規ルートの修理の際に、ムーブメント入れ替えやケース交換などの理由でアーカイブが取得できない場合もありますが、そのような個体においても、基本は真正品に変わりありませんので、素晴らしい作品が多く存在しているのも事実です。

特にクオリティの高いパテック フィリップの場合は、何世代にも渡り受け継ぐことが出来る時計です。

ギャランティーやアーカイブの有無を重視してしまうと、良い作品を逃してしまうこともありますので、難しいところではありますが、商品に向かい合ったときのインスピレーションが非常に大事だと思います。

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