オメガ シーマスターとは? ~アクアテラ、ダイバー300Mなど 銀座エバンスで出会った様々な5本 2024年7月8日
2024-07-08 11:00
アクティブなイベントごとが多い夏、ダイバーズウォッチなど水に強い時計が気になる方も多いのでは? 今回のエバンスブログは、銀座エバンス店頭の腕時計から「オメガ シーマスター(OMEGA Seamaster)」を5本ご紹介します。
オメガを代表するコレクションの一つで、防水性の高いシーマスターは、バリエーションの多さも特徴です。本ブログでは、前半でシーマスターの特徴や魅力をひとまとめ。後半で今回ピックアップした5本のシーマスターを見ていきます。
シーマスターとは? 概要 早わかり
オメガ創業100周年の1948年に誕生したシーマスター。軍用時計をベースに作られたシンプルな3針モデルでした。1957年の「シーマスター 300 (CK2913)※」 で、回転ベゼルを備えた現代的なダイバーズウォッチのスタイルになりました。
※シーマスター300 (CK2913)は200m防水で両方向回転ベゼルでした。
「初代シーマスター(1948年)」 「プロフェッショナル3部作(1957年)」スピードマスター(CK2915)、シーマスター300(CK2913)、レイルマスター(CK2914) (出典:公式サイト「オメガの物語」)
約70年の時を経て、スペックは向上し、シリーズも拡大。現在は「アクアテラ 150M」「ダイバー 300M」「プラネットオーシャン」「ヘリテージ」の4つのシリーズが存在します。150mから6,000mの防水、28mmから45.5mmのサイズで、約300モデルという一大コレクションとなっています。
現在は4つのシリースで構成。 最近はカラフルなモデルも「アクアテラ シェード」34㎜と38mmサイズ 出典:オメガ公式サイト
シーマスターの金属製の裏蓋に彫られているマークは「シーホース(Seahorse)」。上半身が馬、下半身が魚という海の守護神で、海馬とも呼ばれます。1957年から採用されていて、ヴェネチアのゴンドラに付いていた装飾に着想を得たのだそう。
■「シーホース」マーク。裏蓋がガラスの”シースルーバック”には入らないことが多い ■「スピードマスター」の裏蓋にもシーホースが入る。これは、シーマスター クロノグラフをベースに作られたことから。
映画「007シリーズ」との関係も深く、1995年以降のボンドウォッチはオメガのシーマスターシリーズから選ばれています。2015年の「スペクター」、2020年※の「ノー タイム トゥ ダイ」では既製品とは異なる特別仕様のモデルが作られ劇中で着用、同型モデルが販売されました。
(※映画の公開は2021年)
最近のボンドウォッチ 「スぺクター(2015年)」と「007エディション(2020年)」 (参考:公式サイト「オメガとジェームズ ボンド (2021年から2006年の時計)」)
また、歴史的な冒険の数々にも深い関わりがあります。1956年にはシーマスターを航空機の外に固定して北極ルートを9時間飛行 (飛行後も正常に機能していたそう)。1981年にはフリーダイバー「ジャック・マイヨール」氏が「シーマスター クォーツ」を着用し、素潜り101mの記録を達成。そして、2019年には冒険家ヴィクター・ヴェスコヴォ氏の有人探査チームに向けた超深海向け「プラネットオーシャン “ウルトラディープ”」で水深10,925mの潜水記録を樹立しました。
1981年に記録を樹立した「ジャック マイヨール」氏と時計(初期の回転ベゼル付きシーマスター120mと思われる) 出典:公式サイト「オメガの物語」 「ウルトラディープ」2019年に1万mの潜水記録を樹立 出典:公式サイト「世界の最深部へ」
では、ここからは今回の5本を年代の古い順にご紹介していきます。
今回の5本を見てみましょう
1【1990年代】薄くて軽いシンプル系~ シーマスター120m
(ケース径36mm、厚さ約9.5mm、重さ約114gの小型で軽量なモデル。 「ジャック マイヨール氏との限定モデル (1990年代半ば~2002年頃に年1回くらいのぺ-スで発売)」で同型のシーマスター120mが何度か使われたことも)
最初の時計は「シーマスター120m」。こちらは1993年から2000年代初め頃まで作られていた型番で、ムーブメントはクォーツ式。回転ベゼルのないすっきりしたフォルムで「アクアテラ」のライト版といった雰囲気の時計です。
当時のベーシックモデルで、特にレア品ではなく、存在感も控えめな時計ですが、120m防水で、小さく薄く軽い時計です。波模様の入っていないブラック文字盤もシンプルでいい感じです。
今どきのスポーツ系ウォッチほど立派すぎず、ドレスウォッチほどかしこまっていない、日々に寄り添う時計として案外いい選択なのかも。
→OMEGA(オメガ) シーマスター120m [SOLD OUT]
(Ref.2511.50 36mm径 120m防水 ステンレス クォーツ)
2【1990年代】ボンド映画に初登場~ シーマスター プロフェッショナル 300m
(41mmサイズでブルーのダイアルには波模様が入る)
2本目は1990年代の「シーマスター プロフェッショナル 300m」。逆回転防止ベゼル、10時位置のヘリウムエスケープバルブ※1、ダイアルの波模様など、基本レイアウトは現在の「シーマスター ダイバー 300M」※2と同様です。
そして、こちらの型番は1995年の「007 ゴールデンアイ」でボンド映画に初登場したオメガの時計※3。”ボンドウォッチ”はスパイの小道具という位置づけでもあり、この映画では内蔵されたレーザービームで窮地を救うという設定だったそう。
ボンド映画と同型である事は特に記載されていませんが、「実はジェームズ ボンドと同じ時計」だったというのはちょっと嬉しいポイントかも。
※1 オメガのヘリウムエスケープバルブは手動のねじ込み式。通常は締めておき「飽和潜水」という特殊な潜水の帰りの行程にのみ開いて使用します。
※2 2006年のモデルチェンジで、シーマスター プロフェッショナル 300mからシーマスター ダイバー 300Mに名称が変更されました。
※3 こちらのRef.2541.80はクォーツモデル。1997年から2002年の007映画3本では同型の自動巻き Ref.2531.80が登場しました。
→OMEGA(オメガ) シーマスター プロフェッショナル 300m (プロダイバーズ 300m) [SOLD OUT] (Ref.2541.80 41mm径 300m防水 ステンレス クォーツ)
3【2010年代】先代の縦縞(実はクォーツ)~ アクアテラ
(ダイアルの縞模様は”チークコンセプト”と呼ばれるヨットのウッドデッキを意識したもの。こちらの時計はアクアテラでは少し小さい38.5mmサイズ。)
3本目は回転ベゼルのないシンプルな「アクアテラ」の先代モデル。ダイアルは現行世代と異なる「縦縞」となります。独自の”コーアクシャル”脱進機構を備えた自動巻きモデルを中心に、2008年頃から2017年頃まで作られていた「第2世代」のアクアテラです。
こちらの時計はクォーツ式。ゼンマイで動く本格的な機械式のロマンや愉しみは、残念ながら味わえませんが、特に気を遣うことなく使えたりします。
現行世代のアクアテラにメンズのクォーツモデルはなく、すっきりベゼルで、高級感もあり、防水も十分。機械式にこだわりがなければ、こんな1本もいいかと思います。
→OMEGA(オメガ) シーマスター アクアテラ [SOLD OUT]
(Ref.231.10.39.60.06.001 38.5mm径 150m防水 ステンレス クォーツ)
4【2017年】ヴィンテージを日常に~ シーマスター300 “トリロジー”
(裏蓋のシーホースは1957年の絵柄を再現。ベルトは革とナイロン製が付属。)
こちらは2017年の限定モデル。1957年に発表された「シーマスター300 (CK2913)」の60周年記念復刻です。ベゼルの形状や裏蓋の刻印などCK2913を”より忠実に”復刻。かたや、ムーブメントは今どきの超高耐磁仕様で、1950年代のヴィンテージを現代の日常で愉しめるような1本となっています。
一方、シースルーバック等で現代的にアレンジされた復刻系「シーマスター300」通常モデルも2014年から存在、”サンドイッチ”風インデックスに変わりつつ、現在も継続しています。
そのため、こちらの時計は、限定ではありますが、温存するより使って愉しんだ方が良さそうな気もします。ベルト2本と工具も付属しますので、交換するのも愉しいかと。
→OMEGA(オメガ) シーマスター300 “1957トリロジー” 限定
(Ref.234.10.39.20.01.001 39mm径 300m防水 ステンレス 自動巻き(超耐磁) 3,557本限定)
5【2021年】爽やか配色が魅力~ ダイバー300M “東京2020”
(裏面のロゴマークは「組市松紋」。3種類の四角形の組み合わせで構成されている)
ラスト5本目は、最近の「ダイバー300M」から。白にブルーが爽やかなこちらは、2021年に発売された「東京2020」大会の記念モデルです。
超高耐磁ムーブメントを搭載し、シースルーバック化、しっかりとしたケースやブレス、立体的な波模様の入ったダイアルなど、高級感がぐっと増した現行世代の1本です。
文字盤にシンボルマーク等はなく普通に使えそうです。その一方で、裏のガラスには大会のマークが入っていて、記念感も味わえます。そして、通常モデルに、「白ダイアル×黒ベゼル」はあるのですが「白×ブルー」は存在しない※ため、この爽やか配色は大きなポイントになりそうです。
※通常モデルのステンレス素材には、黒(×黒)、白(×黒)、青(×青)、グレー(×青)、2022年に加わったグリーン(×グリーン)の4色が存在します。グリーンも落ち着きがあるいい色です。
→OMEGA(オメガ) シーマスター ダイバー300M “東京2020”
(Ref.522.30.42.20.04.001 42mm径 300m防水 ステンレス 自動巻き(超耐磁))
色んな年代のシーマスターに出会ってみてください
(現行世代のこんな時計も入荷しています。「ダイバー300M ラバーベルト仕様」 [SOLD OUT] 、「プラネットオーシャン 600M クロノグラフ」 [SOLD OUT] 。
オメガ シーマスターの1990年代から現行世代の5本、いかがだったでしょう?昔の時計はツール感がありつつすっきり、最近の時計はしっかりしていて存在感があるといった傾向はありそうです。
ところで、最近 「プラネットオーシャン 600M クロノグラフ」 (215.32.46.51.01.004、45.5mm径、600m防水、グレー/シルバー) が登場、精悍で存在感のある1本です。(※SOLD OUTとなりました) 銀座エバンスの実店舗やWEBぺージで、シーマスターシリーズの特別な1本に出会っていただけると幸いです。
→エバンス オンラインショップ (オメガ シーマスター一覧)へ
参考:過去ブログ)
→人気定番アクアテラ、歴代モデルをご紹介
→オメガの007時計「スペクターとコマンダー」
→新旧比較「OMEGA シーマスター ダイバー 300M」