今回のエバンスブログは、ROLEX(ロレックス)サブマリーナの「日付あり」版と「日付なし」版について。ともに人気機種ですが「日付あり」のほうが知名度が高そうな印象です。日付ありorなしで選べるのは、ロレックスではこのモデルくらいではないでしょうか。
追記2020年9月1日)ロレックスの2020年新作が、公式ホームページ上で発表されました。サブマリーナが、今までより1㎜大きい41㎜サイズで、70時間パワーリザーブの新世代ムーブメントを搭載し、各モデルが揃ってリニューアル(Ref.126610LNなど)となりました。ノンデイト(Ref.124060)も存在し、今後も日付ありorなし版を選べることとなりました。(参考:当社ブログ 2020年新作入荷!「新型サブマリーナ デイト」新旧比較)
(※以降、当ブログ記事は新機種(Ref.12XXXX系)が発表される前(2020年7月)の比較となります)
注目のキーワード?「114060」
当社オンラインサイトのPC版、検索窓の右側に「注目のキーワード」が出ているのをご存じでしょうか?その一つに、このところ「114060」が表示されています。これは日付表示がないサブマリーナ現行機種のリファレンス番号(型番)。
何か噂でも出ているのか?と、気になり検索したところ、某クチコミサイトで「デイト派に馬鹿にされる」という投稿を発見。日付表示が「ある」or「なし」の違いでそんなに違うのでしょうか?改めて調べてみることにしました。
ロレックス サブマリーナとは?
ロレックス サブマリーナは、逆回転防止ベゼルに300m防水を備えたダイバーズウォッチ。初代モデルが1953年に発表された、ロレックスを代表するスポーツモデルの一つです。当社ブログ「2019年ロレックス売れ筋ランキング」では、デイトナ(Ref.116500LN)と並ぶ同率1位(Ref.116610LN)で、5位(Ref.16610)と6位(Ref.114060)にもランクインする、高い人気を誇るスポーツ(プロフェッショナル)コレクションです。最近は正規店で見ることすら難しくなってきています。
(サブマリーナ現行モデル一覧。 ■Ref.114060 サブマリーナ(ノンデイト) ステンレス素材 ■Ref.116610LN、■Ref.116610LV サブマリーナ デイト ステンレス素材 ■Ref.116613LB、■Ref.116613LN サブマリーナ デイト イエローゴールドコンビ ■Ref.116618LB、■Ref.116618LN サブマリーナ デイト イエローゴールド ■Ref.116619LB サブマリーナ デイト ホワイトゴールド素材)
現在、ロレックス社の公式サイトで確認できる現行サブマリーナの型番は8つ。日付表示がない「サブマリーナ」(以降、通称である「ノンデイト」と記載)が1機種と、日付が付いた「サブマリーナ デイト」が7機種となります。「サブマリーナ デイト」はカラーの文字盤や、コンビ、ゴールド素材も存在します。
海外の方に人気の高い「グリーンサブ」や、夏の日差しに映えそうなコンビの「青サブ」も目をひくのですが、今回はステンレス素材&黒文字盤の「ノンデイト」と「デイト」を探ります。
ノンデイトとデイト その概要
(サブマリーナの歴史。初代デイトは初代ノンデイトから12年後に登場。先代デイトは20年を越えるロングセラー型番だった。約10年前の2010年にデイトの現行モデル、その2年後の2012年にノンデイトの現行モデルが登場している。)
(上段:ノンデイト 先々代 Ref.14060、先代 Ref.14060M、現行 Ref.114060、
下段:デイト 先代 Ref.16610、現行 Ref.116610LN いずれもケース径は40mmで同じだが、現行と先代でラグ(ケースとブレスをつなぐ部分)やリューズガードの形状などが異なり、大きさの印象が違って見える)
人気の高いステンレス素材&黒文字盤の「ノンデイト」と「デイト」。ここでは、入手するにあたり現実的なターゲットであろう、現行モデルと1990年代以降モデルの概要を紹介します。
現行 サブマリーナ(ノンデイト) Ref.114060
現行ノンデイト Ref.114060 (→モデル型番解説)
- 2012年~2020年
- ベゼルが傷に強く変色しにくいセラミックに
- Cal.3130(パラクロム製ヒゲゼンマイを採用)
- 夜光がスーパールミノバからクロマライトに変更(参考:当社ブログ「ロレックス夜光塗料について」)
- インデックスや針が大きめに
- ラグやリューズガードが太くなる
- 工具なしでベルトを簡単に伸ばせるグライドロックエクステンションを採用
先代 サブマリーナ(ノンデイト) Ref.14060M
先代ノンデイト Ref.14060M (→モデル型番解説)
- 2000年~2012年
- ベゼルプレートはアルミニウム
- ムーブメントがCal.3130に変更
- 2007年からクロノメーター認定を受ける
- 6時位置に王冠の透かし 外観はRef.14060からほぼ変わらず
先々代 サブマリーナ(ノンデイト) Ref.14060
先々代ノンデイト Ref.14060
- 1990年~2000年
- ベゼルプレートがアルミニウム
- クロノメーター認定を受けていない(ノンクロノメーター)
- ムーブメントはCal.3000
現行 サブマリーナ デイト Ref.116610LN
現行デイト Ref.116610LN (→モデル型番解説、→着用感ブログ)
- 2010年~2020年
- ベゼルが傷に強く変色しにくいセラミックに
- Cal.3135(パラクロム製ヒゲゼンマイを採用)
- 夜光がスーパールミノバからクロマライトに変更
- インデックスや針が大きめに
- ラグやリューズガードが太くなる
- 工具なしでベルトを簡単に伸ばせるグライドロックエクステンションを採用
先代 サブマリーナ デイト Ref.16610
先代デイト Ref.16610 (→モデル型番解説)
- 1988年~2010年
- ベゼルプレートはアルミニウム
- ムーブメントはCal.3135
- クロノメーター認定済み
以前は、サブマリーナ デイトとノンデイトに、ムーブメントのグレードやクロノメーター認定の有無といったスペック的な差が設定されていましたが、現行モデルにおいては、違いは「日付表示」の有無だけといえそうです。
ノンデイトを選ぶ理由としては、1953年の初代モデルに順じたシンプルな外観、日付変更が不要で、操作が単純であること。デイトを選ぶ理由としては、日付表示の便利さ、ロレックスらしい日付拡大用のサイクロップ(ギリシャ神話の一つ目の巨人が由来)レンズの存在があると言えます。
なお、デイトモデルは、70時間パワーリザーブの新世代ムーブメントを搭載した「新型」が噂されており、今年2020年の注目ポイントとなりそうです。(追記:2020年9月に新作が発表されました。→参考:当社ブログ 2020年新作入荷!「新型サブマリーナ デイト」新旧比較)
また、ノンデイトとデイトともに、現行と先代で40mmのケース径は変わらないものの、ベゼルの素材や外観の印象が結構変わっています。先代のほうが、繊細ですっきりした印象があり、あえて中古で先代モデルを選ぶ。という選択もあるのではないでしょうか。
実際どうなの?ノンデイトとデイト
「ノンデイト」と「デイト」実際はどうなのか、数字で比較をしてみます。いずれも当店調べ、2019年1月から2020年5月末までのデータです。型番別の集計で新品も中古も含まれます。
販売数の比較
【図A】は、ロレックス サブマリーナにおける、型番別の売り上げ本数比率となります。現行デイト(116610LN)は現行ノンデイト(114060)の2倍売れています。また、新品ではほぼ買えない先代デイト(16610)の人気の高さも特徴的です。
【図B】は、サブマリーナにおける新品・中古の比率。新品がやや多めとなっています。新品にこだわる方が多いことを予想していましたが、中古も安定した人気があると言えそうです。(参考:当社ブログ「中古ロレックス、おススメする理由」へ)
販売価格と買取金額
【図C】は、平均販売価格の比較。現行ノンデイト(114060)約114万円、現行デイト約134万円と約20万円の差。定価の差と比べて価格差が広がっているのはそれだけ「デイト」が人気。という解釈もできそうです。
【図D】は、買取金額の比較。ロレックス買取価格一覧表ページから2020年7月3日現在の数字です。現行ノンデイト(114060)の平均が99万円、現行デイトが(116610LN)の平均が118万円、約19万円の差。買取においてもデイトモデルが高めに評価されるイメージです。
オーバーホール本数と金額
【図E】は、サブマリーナにおける、型番別の修理(オーバーホール)数の割合。先代モデルの型番が多く、特にデイト(16610)がノンデイト(14060M)の約5倍と非常に高い割合というのが注目ポイント。ロングセラーの人気モデルであり、多くの方に長い期間愛用されているということでしょう。
【図F】は、当社でのオーバーホール金額の比較(磨き料金は除く)。ノンデイト(14060M)の場合、約3~5万円の金額帯が多く、平均すると3万5千円程度。デイト(16610)の場合、約3~7万円の金額帯が多く、平均は4万5千円程度の金額でした。構造がシンプルな分、ノンデイトのほうが1万円ほど安く済む感じです。
これらの数字からも、サブマリーナ デイト(116610LN)の販売や買取における人気ぶりが伺えます。かたや、ノンデイトはデイトほど同機種で被りにくそうな事やオーバーホール金額の割安感が、魅力になるのではないでしょうか。
スタッフ数人に聞いてみました。
サブマリーナのどちらを選ぶ問題を、銀座エバンスのスタッフ数人に質問したところ、ノンデイト or デイト、現行 or 先代(新品 or 中古)は、それぞれに魅力があるので、接客の中でお客様の好み等を伺いながら提案していく。といった答えでした。
ちなみに、「もし自分で選ぶとしたら?」も聞いてみたところ、現行デイト(Ref.116610LN)が圧倒的な人気でした。日付がある実用性、サイクロップレンズの存在、日付がないと物足りない、最新が最高、買取額の期待感(リセールバリューが高い)、などの声が聞けました。
やはりサブマリーナは多数派の現行デイトが良いのかも。という気になってきましたが、身に着けるものだけに、細かい知識は置いておいて、「腕に乗せた時にグッとくる」モデルがいいような気もします。そして、「欲しい時が買い時」、「売っている時が買い時」なのかもしれません。
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