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「ロレックス夜光塗料:ラジウムからクロマライトへ」9月24日2019年

2019-09-24 11:00

ブログをご覧の皆様こんにちは、銀座エバンスの福永です。
本日はロレックスの夜光塗料についてご紹介いたします。
そもそも夜光塗料とは何か?と言いますと、暗所でも時刻を判断するのに役立つよう、主に針やインデックスに塗布された塗料を指します。また、使用される塗料については、初期のラジウムから21世紀に入り開発されたクロマライトまで、何度かのターニングポイントを経て現在に至ります。

夜光(蓄光)塗料発光例:左よりスーパールミノバ、スーパールミノバ+クロマライト、クロマライト。

現行モデルに加え、旧モデルにも注目が集まるロレックスにおいては、ケースやブレスレットの他、インデックスの仕様を含め当時の状態がいかに維持出来ているかで価値も決まることから、「惜しい!針だけルミノバに変更されているね。」やら、「オールトリチで付属も完品、この価格なら安いかも。」なんていう会話が界隈からは聞こえてきます。
そんな酔狂(褒め言葉ですよ)とも言えるロレックス人気、それを支え評価基準ともなる夜光・蓄光塗料について、開発の歴史を交えご紹介していきます。

ラジウム

放射性物質であるラジウムは、硫化亜鉛と銅を含む顔料に混ぜる事で、放射線が顔料を常時刺激し発光させる特徴を持っています。また、放射能の半減期は1600年と長く、顔料の劣化さえ無ければ現在でもその機能を維持しています。

ロレックスで初めて採用された夜光塗料がラジウムであり、特にRef.6542やRef.5508などのスポーツモデルでは、ラジウム夜光のインデックスや針が交換されずにオリジナルで残っている固体に関しては、その希少性故に最高峰の評価に繋がっています。

一方で、放射性物質であるラジウムは1600年という半減期の長さ、そして製造段階における健康被害の拡大により、1967年にIAEA(国際原子力機関)から、一般・特殊用途問わず、携帯する時計への使用を規制する指針が定められました。
ロレックスにおいては1961年、あるいは63年とも諸説ありますが、いずれにしてもラジウムの使用は1960年代前半までとされており、その後の夜光塗料はトリチウムへと移行していきます。

トリチウム

トリチウムはラジウム同様に放射性物質であり自発光塗料となりますが、その半減期は12年と短く放射線量も少ないため、1960年代から90年代まで長期にわたり製造され、ロレックスでは主に4桁(5桁の一部)のリファレンスを持つモデルで採用されました。現存するトリチウム夜光の多くは、塗料の劣化によりクリーム色や褐色に変化した色味が特徴で、現行モデルには無い雰囲気が多くのファンを魅了しています。

トリチウムを使用したダイヤルには、”T SWISS MADE T”や”SWISS-T<25″などダイヤル6時位置に記載されます。これは放射性物質であるトリチウムが使われている印であり、風防越しの放射線量が25マイクロキュリー以下で、人体に影響が無い放射線量である旨が表されています。

GMT-MASTER Ref.1675:トリチウム夜光を使用したインデックスが経年劣化によりクリーム色に変色、6時位置にはトリチウム使用を表す”SWISS-T<25”の表記有。

なお、トリチウム夜光にブラックライトを当てると、塗料の中に小さな粒々が確認出来ます。後述する蓄光塗料に関しては、ブラックライトを当てると塗布面が均一に発光するので、使用される素材の判別が比較的簡単に行えます。

短針の夜光面:トリチウム夜光にブラックライトを当てると、塗布面の中に小さな光の粒が確認出来る。

ロレックスではトリチウム夜光を1998年まで、シリアルであればU品番まで使用しており、その後は放射性物質を含まない、画期的な夜光(蓄光)塗料へ切替えられました。

N夜光・ルミノーバ(スーパールミノバ)

腕時計を使用する上で、人体に影響が無いとされるトリチウム夜光ですが、より安全な夜光塗料を望む声は次第に大きくなり、1993年に放射性物質を一切含まない画期的な蓄光塗料であるN夜光・ルミノーバが生み出されました。
根本特殊化学株式会社が製品化を成功させたそれは、従来の一般的な塗料に対し10倍の明るさ、そして10倍長く光る特徴に加え、素材としても熱や水に強く、半永久的に使用できる安定性・耐久性を持ち合わせています。
また、トリチウムのように放射性物質を含まないことから、放射線量などの表記は必要無く、ロレックスでは6時位置には”SWISS”または”SWISS MADE”の表記のみがされています。

SUBMARINER Ref.16610:6時位置にSWISS MADE、放射性物質(トリチウム)を含まないので”T”の表記は無い。

また、同社はスイス国内時計業界向けに現地企業と合弁会社を設立し、専用グレードのN夜光を製造・販売。ロレックスにおいては1998年頃から採用され、光を蓄えた塗料自体が均一に、そして鮮やかな緑色の発光が特徴的です。

SUBMARINER Ref.16610:スーパールミノバの発光、針とダイヤルインデックスに加え、ベゼル12時位置のルミナスポイントにも塗布される。

クロマライト

21世紀に入り、スーパールミノバを越える蓄光塗料の開発に成功したロレックスが世に送り出したクロマライト。その発光色は青色で発光時間はスーパールミノバの2倍相当にあたる約8時間、長時間に及ぶ暗所での作業でも視認性が確保され、またオーバースペックとも言える性能を基準値に据える、ロレックスの徹底した姿勢を感じられる瞬間でもありました。
クロマライトに関しては、2007年からオイスターパーペチュアルやミルガウスに採用が始まりましたが、2008年に発表されたディープシーでその存在が大々的知られるようになりました。

DEEPSEA Ref.116660:クロマライトの発光色は青色、従来のスーパールミノバの緑色の発光とは印象が異なる。

クロマライトが採用された初期モデルである、グリーンガラスが特徴的なミルガウスRef.116400GV。 スーパールミノバとクロマライトが併用される為、グリーンとブルーの2色に発光します。

MILGAUSS Ref.116400GV:3、6、9時のインデックスにクロマライトが採用されている。
MILGAUSS Ref.116400GV:クロマライト(青)とスーパールミノバ(緑)を併用したインデックス。

以上、ロレックスの夜光塗料の移り変わりをご紹介してきましたが、技術革新は止まることを知らず、いずれ新たな夜光塗料が生み出されることでしょう。
ロレックスの最新技術で生み出されるそれは実用性に優れ、また製造工程における環境配慮も多分にされている事と思いますが、一方で、減少の一途を辿る過去の夜光塗料に魅力を感じるのも、時計好きであれば理解出来る事柄ではないでしょうか。
たかが夜光塗料、されど夜光塗料。実に奥深い、ロレックスの世界をお楽しみ下さい。

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