タンクアメリカンを通して見るカルティエウォッチの魅力
2025-04-29 11:00
ブログをご覧の皆様こんにちは、銀座エバンスの福永です。
今回はカルティエのタンクアメリカンをご紹介いたします。
タンクと言えばカルティエウォッチの中でも象徴的な存在であり、多くの派生モデルが展開されますが、タンクアメリカンにおいては伸びやかで美しくカーブしたフォルムを持ち、他とは一線を画す魅力に溢れています。
カルティエ ニューヨーク
タンクアメリカンの起源は1920年代、今までフラットであったタンクのケースに初めてカーブを与えたタンクサントレまで遡りますが、実際にはアメリカ市場向けにカルティエ ニューヨークが1933年に発売した、カーブドタンクが現在のタンクアメリカンへ通じるモデルとされています。

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1960年代に入ると、一部富裕層を対象に行ってきたカルティエのビジネスモデルは、大量消費が好まれる時代に移行するなかで、新たな若い富裕層が求める感覚とズレが生じるようになりました。
彼らは伝統的な高級品と距離を置き始めたことで、それに順応出来なかったカルティエは経営難に陥り、前述のカルティエ ニューヨークを含む、パリ、ロンドンの3つの支店を売却することになります。
その後、再編がなされたカルティエは、ライセンス製品で業績の立て直しをはかり、新しい時代の広告戦略と得意としてきたエクスクルーシブな製品イメージを見事に融合させることで、ラグジュアリーブランドとして確固たる地位を築き、時計製造においても注力していきます。
そのような時代を経てカルティエは、1989年にタンクアメリカンを発売します。カルティエの長い歴史から見ると比較的新しいモデルとも言えますが、その根底にはカルティエが培ってきた時計作りの精神が宿り、そしてタンクが持つエッセンスをモダンに昇華した唯一無二のスタイルを実現しています。

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緩やかなカーブをもったケース上面とフラットな側面、仕上げを含め見事なまでのコントラストがタンクアメリカンの特徴と言えます。

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伸びやかでスリムなフォルムでありながら、適度なボリュームを感じさせるタンクアメリカンは、優れたフィット感と同時に、確かな存在感をスタイリングに与えてくれます。
WB705631に見るデザインの妙
タンクアメリカン、その多くは他のカルティエウォッチでも見られる、アイボリーカラーのダイアルに端正なローマンインデックスというデザインが与えられますが、ジュエラーとしてのカルティエのセンスや技術をいかんなく発揮したモデルの存在も忘れてはいけません。

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WB705631 はタンクアメリカンの湾曲したフォルムを一層引き立てるイエローゴールドのケースに、美しくセッティングされたダイヤモンド、そしてダイヤモンドの輝きと呼応するかの様な緻密なギョウシェダイアルは、落ち着きあるトーンのブラウンカラーとし、往年のタンクサントレを想起させるアラビアインデックスが採用されています。

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タンクアメリカンの在庫状況は、こちらからご確認いただけます。
タンクアメリカンを通して見るカルティエウォッチの魅力
カルティエが最初の腕時計であるサントスを生み出してから、現在に至るまで一世紀以上の歴史を紡いできましたが、その歴史はまた時計のデザインを開拓し、今までになかった美しい時計を世に送り出すことと同義でもありました。
今回ご紹介のタンクアメリカンしかり、タンクのデザインに共通する要素は2本の並行するケースサイドの造形、これだけの要素を軸にデザインを構築し、時代を超えて認識される普遍的なモデルを作り上げることが出来るのは、カルティエをおいて他にないのではないでしょうか。