案外いいかも~ 「OMEGA(オメガ) レイルマスター マスタークロノメーター 40mm」(220.10.40.20.01.001) 2023年7月31日
2023-07-31 11:30
今回のエバンスブログは、「OMEGA(オメガ) レイルマスター 40mm (220.10.40.20.01.001)」をご紹介します。2017年に発表された日付表示のないシンプルな3針モデルなのですが、この時計、実はちょっとしたポイントがいくつかあるのです。
(今回の時計「オメガ シーマスター レイルマスター コーアクシャル マスタークロノメーター 40mm」220.10.40.20.01.001)
【ポイント1】伝統あるマスター系
(■ “トリロジー” 3部作(1957年)。スピードマスター(CK2915)、シ-マスター(CK2913)、レイルマスター(CK2914) →出典:オメガ公式サイト ■初代レイルマスター CK2914(ST135.004)。写真の時計は秒針の先が丸い”ロリポップ”スタイル →出典:オメガ公式サイト )
「レイルマスター(Railmaster)」という時計、初代モデル(CK2914)は鉄道員や強い磁場の近くで働く技師たちのために作られた「耐磁モデル※」でした。初代スピードマスター、初代シーマスターとともに、1957年に誕生。「トリロジー(Trilogy)」と呼ばれる伝説的なマスター3部作の一つでした。(※ムーブメントがインナーケースで包まれて1,000ガウスまでの耐磁性能を実現)
その後、レイルマスターの歴史は途絶えますが、2003年頃にシーマスター アクアテラの兄弟モデルとしてその名が復活。手巻きの大型モデルなども一時展開していた時代があります。
(■2017年発売の限定復刻「1957トリロジー」。シーマスター、レイルマスター、スピードマスターの3つのモデルを忠実に再現。一部はセットで販売された。→出典:オメガ公式WEBサイト ■「1957トリロジー レイルマスター(220.10.38.20.01.002)」38mmケースに、超高耐磁ムーブメントを搭載。防水はオリジナル同様の60m →出典:オメガ公式サイト
60周年の2017年に「1957トリロジー」復刻コレクションの一つとして、最新の超耐磁ムーブメントを搭載した38mm サイズの「限定モデル」が登場。今回ご紹介の「レイルマスター 40mm」も、同じ超耐磁ムーブメントを搭載した一般モデルとして、2017年に誕生しました。
【ポイント2】レトロ×ベーシックな外観
(■ヴィンテージ感のある文字盤に現代的なケース ■夜光はスーパールミノバで十分な明るさ)
往年のモデルをベースに、日焼けしたようなベージュ色の夜光、垂直方向にブラッシュ加工された文字盤、初期モデルの一部に存在した「ロリポップ」スタイルの秒針など、シンプルな中に雰囲気が漂うヴィンテージ感あるダイアル周りとなっています。
かたや、ケースはスピードマスターやシーマスターでよく見られる「竪琴」型のラグで、現代のオメガらしいスタンダードな形状です。その一方、ベゼルやブレスレットは全体的にマット(つや消し)仕上げされているのが他モデルと異なり特徴的です。
(■どことなく往年のミリタリーウォッチを思わせる雰囲気も ■ジーンズをイメージしたというブルー文字盤(220.10.40.20.03.001)。他にシルバーのようなグレー文字盤(220.10.40.20.06.001)も存在)
ポリッシュ(つやあり)面がないため高級感や華やかさは下がりますが、硬派な道具感が漂う感じです。オリジナルを忠実に再現した復刻モデルもいいですが、新旧がほどよくブレンドされた、こういう時計も案外いいかもしれません。
【ポイント3】なにげに現代的
(■ムーブメントは60周年トリロジー限定と同じ超高耐磁キャリバー8806。→出典:オメガWEBサイト ■ナイアードロック機構により裏蓋刻印の傾きがなく装着できる。外周部の「NAIAD LOCK」刻印がその目印)
ムーブメントは、自社製コーアクシャル※1 自動巻きムーブメント「キャリバー8806」を搭載。非磁性素材や非鉄素材をパーツに使うことで「15,000ガウスもの超高耐磁」を実現、2015年に始まったスイス連邦計量・認定局(METAS)の「マスタークロノメーター」認定をクリアしています。
裏蓋は「ナイアード※2 ロック」(NAIAD LOCK)と呼ばれる特許技術を採用。防水性を保ちつつ、刻印を定位置で固定できる※3という機構です。カメラのレンズマウントのような感じなのでしょうか? 普段見る機会は少ない裏蓋ですが、刻印に傾きがないというのは、ちょっといい感じなのかもしれません。
(※1 コーアクシャルは、脱進機の摩擦軽減によりメンテナンス周期を長期化できるオメガ独自の機構
※2 1950年代に存在したオリジナルのナイアードは、リューズ周りで使われていた防水機構の名称だった ※3 ねじ込み式の場合、裏蓋を修理等で開けるたびに刻印の傾きが変わるが、ナイアードロック裏蓋の場合は修理等で裏蓋を開けても刻印の傾きは変わらない)
【ポイント4】お求めやすい価格感
(■今回ご紹介のレイルマスターは、2023年7月28日現在エバンスでも新品を販売中。 →(商品ページへ) ■シンプルな3針タイプで高級感があり人気の高い「シーマスター アクアテラ150M (41mm)」メーカー定価は2023年7月現在 902,000円。黒(220.10.41.21.01.001)、グレー(220.10.41.21.06.001)以外にも色展開あり)
先にご紹介した「復刻版」1957トリロジー レイルマスターはメーカー定価1,078,000円。限定モデルだったのですが、2023年7月現在、80~90万円位で新品を入手できる可能性があるようです。
かたや、今回ご紹介の「通常版」レイルマスター、公式ページ上では「時計の在庫がありません※」表示ですが、こちらはまだ新品が40万円代で購入できるようです。(※すでに生産終了で最終定価は660,000円だった模様)
メーカー定価も年々上がっている現在、アンダー50万円で新品オメガが買えるというのは、なかなか魅力的なのではないでしょうか?
地味だけど、案外いい感じの1本
(■別売の純正ベルトはオメガ公式サイトの商品ページ内でシミュレーションが可能。革のNATOストラップも似合いそう。→出典:オメガ公式サイト ■腕回り16.5cmのスタッフが腕に乗せてみました。ジャケット姿もいけるかも)
今回は「オメガ レイルマスター 40mm」のご紹介でした。「1957トリロジー限定モデル」ほどヴィンテージな存在感がなく、「シーマスター アクアテラ」ほど高級感はないという「地味なモデル」かもしれません。ですが、超高耐磁など実用的でありつつ、お求めやすい価格感といったところで「案外いい感じの1本」かもしれません。
そして、こちらのモデル、NATOストラップなどオメガ純正の別売「交換ベルト」も充実しており、交換するとよりミリタリー感が高まってなかなか良さそうです。すでに生産終了な感じもあるこちら、機会がありましたら腕に乗せてみるのもいいのではないでしょうか。
【今回の時計】
→OMEGA(オメガ) シーマスター レイルマスター マスターコーアクシャル
(220.10.40.20.01.001(黒)、220.10.40.20.03.001(青)、220.10.40.20.03.001(シルバー)、ステンレス、自動巻き、150m防水、15,000ガウス耐磁)