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『コンビ時計はダサい』の通説は、いまや一部の人のみの先入観

2022-08-01 11:30

エバンス オンラインショップ担当の大貫です。

物価高騰により、様々な物が値上がりしている昨今。高級時計の購入を検討している方は、より慎重な判断が必要なことと思います。

時計を選ぶにあたり、ステンレス系スポーツモデルの異様な価格高騰の波は収まり、全体的に購入しやすくなっています。選択の幅が広がる今が買いのチャンスかもしれませんね。

分かりにくいところですが、 時計業界においても、しばしば流行は繰り返されます。ラグスポブームとか、復刻ブームとか・・・。ファッションに関しては、よく『20周年で繰り返される』と言いますね。

そろそろかな?と私がひそかに注目しているのが、「コンビネーション・ウォッチ」です。異なる素材の組み合わせを通称「コンビ」「コンビネーション」と呼ばれ、一般的に認知されているのは、ステンレスとゴールド系を組み合わせた時計を指します。

日本人としては、控えめな【ステンレス】や【ホワイトゴールド】製の時計が人気で、ステンレスとイエローゴールドを使用したコンビウォッチの人気は高いとは言えないのが現状です。 特にブレスレットもコンビ仕様の時計は、『ダサい』と思っている方が多いと思います。


なぜ「コンビはダサい」と言われるのか

『コンビ=ダサい』という通説はいつごろ定着してきたかとえいば、バブル期( 1986年~1991年)の先輩たちを見てきた現在のアラフォー世代が特に感じるところだと思います。 代表的なモデルはロレックスのデイトジャストでしょう。

当時コンビ・ウォッチは、スタイリッシュで都会的なイメージがあり、日本だけでなく世界的に流行した経緯があります。80年代は「コンビ時計=オシャレ」なのです。いまでは超絶人気のロレックス・デイトナが売れない時代でした。

ロレックス デイトジャスト 16233G

ただ、当時はバブル真っただ中。 時計やバック、車にはお金をかけるが、服装には無頓着な方が多く、時計だけ浮いているイメージで、「ダサい格好の人がつけてる時計」が、「ダサい時計」となったのではないでしょうか。

また、一部の時計を見て「コンビ時計はダサい」と思っている人も多いはずです。コンビ時計でもかっこいいものは世の中にたくさんあります。

下はパテックフィリップのノーチラス。良くないですか?

パテックフィリップ ノーチラス 5980/AR-001

コンビ時計の魅力

コンビ時計が苦手な方は、「統一感が無い」「イエローゴールドが派手」といった声を聴きますが、逆にその点が魅力と言えます。

シルバーとゴールドのはっきりしたコントラストや、高級感あふれるゴールド使いなどが魅力でしょう。“コンビ”と言ってもゴールドが控えめなモデルから、ゴールドを主張するモデルまで数多くの時計があります。

是非好みの時計を選んでみてください。

ゴールド控えめのカルティエ タンクフランセーズ

世代によって異なる人気の温度差

個人的にですが、コンビ時計のユーザー層は、50歳以上の着用率は高いイメージがあります。バブル期の現役世代ですから当然かもしれません。

ロレックスの金無垢モデルや、コンビモデルはバブルの象徴であり、当時はステータスの一つ。今で言うステンレス・デイトナを所有するようなものですので、そう考えると納得いただけると思います。

ただ、ここ最近は状況が変わっており、コンビ時計を20代の若いお客様が購入するケースも目につくようになってきました。過去の先入観が無く、デザインやゴールドの価値感など、総合的に判断しているように思います。

ロレックス デイトジャスト・サンダーバード 16263
オメガ スピードマスター ’57  331.20.42.51.01.002

今は呼び名もオシャレに

ロレックスのデイトジャストが『コンビ時計』の代名詞ですが、ロレックスの場合、いまでは“ロレゾール”と呼びます。「コンビ」「コンビネーション」ではありません。

またカルティエでは、『バイカラー』と呼称され、少しずつ『コンビ』という名前をイメージを払拭していこうという流れになっています。今後は他のブランドにも独自の名称を付けてくるでしょうし、それに合わせてスタイリッシュな新作モデルも発表してくると思います。

サントス ドゥ カルティエの“バイカラー”ウォッチ

コンビ時計と言えばロレックス

敢えて高級時計のコンビ時計を探すと、意外と種類が少ないことに気が付くと思います。なおロレックスに関して言えば、他ブランドに比べ種類が豊富で、素材や文字盤の組み合わせにより、好みの時計を選ぶことができるはずです。コンビ時計はロレックスのイメージが強いことが分かりますね。

残念ながらロレックスの場合、スポーツ系だけでなく、ロレゾール(コンビ)モデルにおいても現在は流通量が少なく、正規ブティックにもなかなか並ばない状況で、定価で購入することも今では難しくなっています。

市場相場も高騰している状況ですが、中古品も視野にいれると、非常にバリエーションは広がると思います。

またスポーツモデルのロレゾールも相場は上昇傾向。コロナ禍でステンレスモデルは一時、驚異的な高騰をしたものの、現在の相場は下がり傾向となっています。逆にコンビ時計は金相場の影響もあり、大きな変動は無く、モデルによっては上昇傾向。それでもまたまだ購入しやす価格帯となっていますので、いまお勧めの時計と言えます。

スポーツ・ロレックスの人気モデル 16613 “青サブ”

金無垢の色も人気に異変が

こちらもバブル期の象徴といえる金無垢ウォッチ。当時、金無垢と言えばイエローゴールドを指していましたので、イエローゴールド製の時計は高い人気がありました。

ただ、イエローゴールドのゴージャスな時計は「成金」のイメージが定着してしまい、その後に控えめなホワイトゴールドや、柔らかい印象のピンクゴールドが人気となり、イエローゴールドの需要が低迷。各ブランドもイエローゴールド製の製品はカタログ落ちしていくことになりました。

しかし、最近は金相場の上昇とともに、イエローゴールドの価値が見直され、純金をイメージするイエローゴールドの人気が復権。昨今新作ウォッチもイエローゴールド製が徐々に増えてきた印象があります。

2022年の新作ロレックス ヨットマスター42 226658


今後のコンビモデルの行方

そもそも、需要が無ければメーカーは生産を中止し、絶滅していくことになりますが、現在においても生産はされ続け、さらに新作モデルも多数出ています。

いまは金相場が高騰しており、今後も埋蔵量に限りのある金は上昇傾向になると予想できますので、製品の国内定価は今よりも上がっていくことでしょう。

いつブームに火が付くか分かりませんし、そもそもブームになるかも保証はできませんが、徐々に需要や人気が高まっていることは、肌で感じるところです。

ぜひ時計購入の候補に「コンビ時計」を入れてみてはどうでしょうか。


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