こだわりのクロノグラフ ゼニス クロノマスタームーンフェイズ
2022-05-10 11:30
本日は、機械式時計メーカー「ゼニス」の「クロノマスタームーンフェイズ」のご案内です。
ゼニス
「ゼニス」とは、スイスのル・ロックルで1865年に「ジョルジュ・ファーブル=ジャコ」によって創立された老舗高級時計メーカーです。
自社内で時計の設計や製造が可能な、名門マニュファクチュールとして有名ですね。
当時の時計製造形態は、パーツごとに取引先が存在するという分業制となっていましたが、創立者のジョルジュ・ファーブル=ジャコは 、その分散している技術者を一か所に集め、同じ工房で時計製造を行っていく形態に臨み、大きな成功へと結び付けます。
その後、数々の賞を受賞したゼニス社は、自社一貫生産のパイオニアとして名声を高めていき、現在では世界最大のファッショングループ「LVMH」の傘下で、世界中の時計ファンにゼニスの腕時計を提供しています。
クロノマスタームーンフェイズ
本日ご案内する「クロノマスタームーンフェイズ」は、1990年代後半から2000年頭頃まで製造されていたゼニスの代表作です。
クロノマスタームーンフェイズ は、ゼニスの代名詞となっている一体型自動巻きクロノグラフムーブメント「エル・プリメロ」を搭載し、更に「トリプルカレンダー(月・曜日・日付)」と「ムーンフェイズ(月齢表示)」まで備えている驚きの多機能モデルです。
しかし、多機能ながらもケースサイズは40mmとそれほど大振りでもなく、文字盤などを含めて全体的に上品なデザインとなっていますので、カジュアルからビジネスまで幅広い状況で活躍してくれることは間違いなさそうですね。
ちなみに「クロノマスター」とは、ギリシャ語で『時』を意味するクロノスと英語のマスターを合わせたもので、直訳すると時の主というところでしょうか。その名に恥じないモデルとなっています。
エル・プリメロ
さて、ゼニスの代名詞ともいえる「エル・プリメロ」とは、1969年に発表された世界初の一体型自動巻きクロノグラフムーブメントのことになります。
高精度を維持しながら毎時36000振動というハイビートを実現し、1/10秒単位での時間の計測を可能とすることが大きな特徴です。
半世紀経過した現在でも最高傑作と名高く、ゼニスと言えばエル・プリメロを思い浮かべる方も多いのではないでしょうか。
また、過去にはロレックスの大人気モデルであるデイトナやパネライ、タグホイヤーなどの一部のモデルにエル・プリメロが供給されるほど評価の高いムーブメントですが、実は存続が危ぶまれた時期がありました。
70年代のクォーツショックですね。機械式時計より精度が良く安価な電池式時計の登場で、 数々の機械式時計メーカーが大打撃を受けます。
ゼニスも当時の親会社から製造の中止を言い渡されることになりましたが、時計師の「シャルル・ベルモ」は、エル・プリメロの設計図や工具を、工房の屋根裏部屋に密かに保管することを決意します。
そして、廃棄処分という難を逃れた設計図等は、後日の復興に大きく貢献することになりました。
彼が居なければ、ゼニス自体の存続も危うかったかもしれませんね。現在でも復興の立役者として惜しみない称賛が送られています。
他メーカー エル・プリメロ搭載モデル
左下の画像は、エル・プリメロをベースにしたムーブメントを搭載したデイトナです。1988年から2000年までの生産ですね。
2000年のモデルチェンジの際に、ムーブメントがロレックスの自社製へと変更されたことで、生産終了のエル・プリメロモデルの人気に火がつきました。それ以降、型番16520はプレミア時計として高値で売買されています。
右下の画像は、パネライのクロノグラフです。こちらもエル・プリメロベースのムーブメントを搭載しています。残念ながらこちらも生産終了しており、希少性の高いモデルとなっています。
まとめ
いかがでしょうか。シースルーバックからは、内部のムーブメントを見ることが出来ますので、機械好きの方には大変喜ばれる仕様となっています。クロノグラフにこだわってみたい方には、エル・プリメロはお勧めです。是非一度お試くださいませ。