これさえ読めば分かる!?オーヴァーシーズの基礎知識
2021-12-21 11:00
いつもエバンスブログをご覧頂きましてありがとうございます、銀座エバンスの福永です。
今回の話題は、ヴァシュロンコンスタンタンのオーヴァーシーズです。
人気に熱を帯びてきたオーヴァーシーズ、その歴史から主要なモデルラインナップまで、わかりやすくまとめてみたいと思います。
オーヴァーシーズとは?
まず初めにオーヴァーシーズとは何か?
オーヴァーシーズとは、1755年の創業以来、途切れることなく時計を作り続けるヴァシュロン・コンスタンタンが手掛ける、ラグジュアリースポーツウォッチであると言えます。
旅のスピリッツを表現する時計というコンセプトを持ち、過去のモデルでは大海原を駆けるアメリゴ・ヴェスプッチの帆船が裏蓋にエングレーブされ、現行モデルにおいては風配図をモチーフにしたゴールド製のローターが配され、その世界観を作り上げています。
意外にも歴史が浅い?オーヴァーシーズ
オーヴァーシーズの歴史を紐解く上で欠かせないモデルが、1977年に同社創業222年を記念して発表された222の存在です。
222のデザインを手掛けたのはヨルグ・イゼックであり、同カテゴリーで先行するロイヤルオークやノーチラスを手掛けたジェラルド・ジェンタとは異なるテイストのデザインが与えられています。
時代的にラグを持たないブレスレット一体型のデザインは一つのトレンドであり、222に関してもそれを取り入れていますが、特徴的なベゼルや独自のブレスレット構造が、他とは明らかに異なる存在感を放っています。
その後、222の派生モデルとしては333、そしてフィディアスへと引き継がれ、1996年には初代オーヴァーシーズが発表されました。
後発ゆえのハイスペックモデル
オーヴァーシーズの誕生は1996年と、1972年のロイヤルオーク、1976年のノーチラスに比べると、222の登場からオーヴァーシーズのスタイルが整うまでに時間を要し、他に遅れをとってしまった印象は拭えません。
一方でモデルチェンジを重ねるごとに、高い防水性能や対磁性能など、競合モデルを超えるスペック備え、また現行モデルに関してはブレスレット、革ベルト、ラバーベルトを好みにより簡単に交換が出来るインターチェンジャブル・システムを採用しています。
歴代オーヴァーシーズ
それでは、最後に歴代オーヴァーシーズの主要モデルを世代ごとにご紹介いたします。
初代(1996年~2004年)
代表的なモデルは3針のRef.42042(37mm)、Ref.42050(35mm)、クロノグラフのRef.49140(40mm)がありますが、いずれも防水性能が150mと競合するロイヤルオークなどに対して高い防水性能を誇ります。
また、クロノグラフのカレンダーは窓を二つ並べたビッグデイト表示となっており、この辺りも他には無いこだわりが感じられます。
第2世代(2004年~2016年)
代表的なモデルは3針のRef.47040(42mm)、クロノグラフのRef.49150(42mm)、そしてデュアルタイムのRef.47450(42mm)があり、前作を踏襲した150m防水に加え、対磁機能を備えています。
また、マルタ十字をモチーフとしたブレスレットデザインもこの世代から取り入れられ、スポーティかつエレガントな雰囲気を一層高めています。
第3世代(2016年~)
2021年12月現在、現行シリーズとなるこちらは3針のRef.4500V(41mm)、
Ref.2300V(37mm)、Ref.1205V(33mm)、クロノグラフのRef.5500V(42.5mm)、デュアルタイムのRef.7900V(41mm)がラインナップされます。
また、コンプリケーションモデルとして永久カレンダーの4300V(41.5mm)、トゥールビヨンのRef.6000V(42.5mm)、そしてオーヴァーシーズの名に相応しいワールドタイムを搭載したRef.7700V(43.5mm)がラインナップされています。
最後に
世代を重ねるたびにデザインが洗練されるオーヴァーシーズですが、旧型には旧型ならではの魅力もあり、加えて価格的にも現行モデルに比べて買い求めやすい状況にあります。
オーヴァーシーズの人気はこれからといった印象もありますので、新品、中古問わず気に入ったモデルがあれば、早めに手にされてもよいのかも知れません。
時計との出会いは一期一会、どうぞ皆様がお気に入りの一本と出会えますように。